首相官邸 福島原発・放射能関連情報 | 原子力安全・保安院 東日本大震災の影響について

東京電力 東日本大震災後の福島第一・第二原子力発電所の状況

 

日本科学者会議/科学者の眼 (放射線被爆問題について福島原発問題について

環境エネルギー政策研究所 (福島第一原発事故関連情報つながり・ぬくもりプロジェクト

故平井憲夫氏 「原発がどんなものか知ってほしい」 ←個人的見解とする反論も見つけました
矢ケ崎克馬氏 「福島原発放射能漏れについて」(pdf 内部被爆)

中島岳志氏  「保守派の私が原発に反対してきた理由

市川章人氏  「原発事故の理解のために」110612

 

提言など

2016年

4月

16日

【全国常任幹事会】 川内原発の運転中止について、メールで申し入れ

新建全国常任幹事会は、2016年4月16日(土)、14日から熊本で連続して起こっている地震をうけ、川内原発の運転中止について、九州電力および経済産業省にメールで申し入れを行いました。【全国事務局長・川本雅樹】

九州電力あて

私は新建築家技術者集団の全国事務局 長をしています。常任幹事会として以下のことを決定しましたので、緊急に申し入れます。『一連のテレビ報道で、熊本で6 強の地震が連続して起こっていることが伝えられています。南阿蘇村では大規模な崩落があり、国道や鉄道が寸断され、橋が落ちています。今後も連続して相当 規模の地震が起こりそうな状況です。川内原発は今なお稼働しているようですが、取り返しのつかないことにならないように、一刻も早く運転を停止してくださ い。国土の荒廃を最小限にとどめてください』」

産業経済省あて

私 は新建築家技術者集団の全国事務局長をしています。常任幹事会として以下のことを決定しましたので、緊急に申し入れます。『一連のテレビ報道で、熊本で6 強の地震が連続して起こっていることが伝えられています。南阿蘇村では大規模な崩落があり、国道や鉄道が寸断され、橋が落ちています。今後も連続して相当 規模の地震が起こりそうな状況です。川内原発は今なお稼働しているようですが、九州電力には取り返しのつかないことにならないように、一刻も早く運転を停 止してくださいと申し入れました。経済産業省には運転中止を指導・勧告してください。国土の荒廃を最小限にとどめるよう万全を期してください』」

2014年

8月

07日

公開勉強会 『東日本大震災・福島原発災害と地域再生』 【NPOとしまち研、新建東京支部】

日時:2014年8月7日(木) 18:30~20:45

会場:ワテラスコモン 3階 ワテラスコモンホール(千代田区神田淡路町101番地)

主催:NPO都市住宅とまちづくり研究会、新建築家技術者集団東京支部

協力:一般社団法人 淡路エリアマネジメント、安田不動産株式会社

140807公開勉強会_チラシ.pdf
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2012年

3月

13日

宮城県「東北電、女川原発で防災訓練「電源喪失」を想定」

東北電、女川原発で防災訓練「電源喪失」を想定

絶縁状態を回復させるため津波をかぶったモーターを洗浄する訓練=東北電力女川原発
絶縁状態を回復させるため津波をかぶったモーターを洗浄する訓練=東北電力女川原発

河北新報120314】東北電力は13日、運転停止中の女川原発(宮城県女川町、石巻市)で、巨大地震と津波を想定した防災訓練を実施した。ことし2月に運用を始めた大容量電源装置など、東京電力福島第1原発事故を受けた緊急安全対策の有効性を検証した。

 訓練には約280人が参加。宮城県沖を震源とするマグニチュード(M)9.0の地震が起きて高さ15メートルの津波が襲来、外部電源を喪失し非常用ディーゼル発電も止まったと想定した。

 原子力技術防災センターでは、原発の中央制御室を再現したシミュレーターで、所員が震災発生時の対応を確認。交流電源を失って照明が落ちた薄暗い室内で大容量電源装置を起動し、冷却機能を回復させるまでの手順を訓練した。

 津波をかぶった海水冷却系モーターを真水で洗浄、乾燥して復旧させる訓練なども行った。

 女川原発の伊保内秋芳原子炉主任技術者は「緊急安全対策でさまざまな装置を付けたが、ソフト面の強化も重要。訓練を通じて安全性の向上に努めていく」と話した。

2012年

2月

14日

宮城県 「放射性物質「健康に影響なし」 県有識者会議が報告書」

放射性物質「健康に影響なし」 県有識者会議が報告書

河北新報120215】福島第1原発事故で拡散した放射性物質が健康に与える影響を探る宮城県の有識者会議(座長・久道茂県対がん協会長)は14日、「科学的、医学的に健康への悪影響は考えられず、健康調査の必要性はない」とする報告書を公表した。

 丸森町筆甫、耕野両地区で行った甲状腺超音波検査、ホールボディーカウンターによる内部被ばく検査についても「甲状腺がんの心配はなく、食品中の放射性物質も多くの品目で定期的に測定している」と指摘。両検査の継続は不要と判断した。

 報告書は「100ミリシーベルト以下の低線量被ばくの場合、発がんへの影響は他の要因に隠れるほど小さい」とする広島と長崎の原爆被爆者の追跡調査結果を提示。県内で比較的線量が高い福島県境付近の被ばく線量が年間5ミリシーベルト程度であるとして「健康に及ぼす影響はない」と結論づけた。

 健康不安を払拭(ふっしょく)させる対策としては、放射線に関する普及啓発の強化やがん検診の受診勧奨を挙げた。

 報告書は県のホームページ「放射能情報サイトみやぎ」にも掲載した。

2012年

2月

02日

宮城県女川町 「女川原発、緊急電源の運用開始 海抜52メートルに3台設置」

女川原発、緊急電源の運用開始 海抜52メートルに3台設置

女川原発に設置された大容量電源装置
女川原発に設置された大容量電源装置

河北新報120203】東北電力は2日、運転停止が続く女川原発(宮城県女川町、石巻市)の緊急安全対策として設置した大容量電源装置(出力4000キロワット)3台の運用を始めた。大地震や大津波で全ての電源が失われた場合に稼働させ、1~3号機の原子炉などの冷却機能を維持する。

 東日本大震災で全電源が失われて起きた東京電力福島第1原発事故を受けた対応。敷地内の高台の海抜52メートル地点に昨年9月から設置工事を進めていた。

 装置は軽油を燃料とする空冷ディーゼルエンジンを備えた発電機。非常時に動かして原子炉建屋に送電し、残留熱除去系の大型ポンプなどを駆動させ原子炉や使用済み燃料プールを冷却する。

 装置の地下に設けたタンクには燃料となる軽油90キロリットルが入り、連続29時間運転できる。発電所内に前からあるタンクの軽油も使えば、さらに最長26日間の運転も可能という。

 東北電は同日、試運転の状況を報道陣に公開した。女川原発の担当者は「将来は、より耐震性の高い別の非常用発電機を配置する計画もある。電源装置の運転訓練も継続的に行い、安全性を高めたい」と説明した。

 東北電は女川原発で海抜13.8メートルの敷地に高さ約3メートルの防潮堤を建設するなどの安全対策を進めている。

 女川原発は国の指示に基づくストレステスト(耐性評価)などを実施中で、再稼働の見通しは立っていない。

2012年

1月

31日

福島県 「福島・川内村が「帰村宣言」 役場・学校4月再開」

福島・川内村が「帰村宣言」 役場・学校4月再開

河北新報120131】福島県川内村の遠藤雄幸村長は31日、県庁で記者会見し、福島第1原発事故で移転した役場機能を4月1日に村内の元の庁舎に戻すとし、村外に避難した村民に帰還を促す「帰村宣言」を出した。原発事故で役場を他市町に移した9町村の中で役場を戻す自治体は初めて。

 役場の他、保育園、小学校、中学校、診療所を4月1日に再開させる。各施設の除染は2月中に終える。住宅の除染は進んでおらず、中学生までの子のいる世帯は計画通り3月末までに終え、それ以外の世帯は計画を見直して12月をめどに完了させる。農地、森林は新年度以降に行う。

 稲作は昨年に引き続き作付け制限する。村内8行政区単位に計約25カ所の水田で実験的に作付けを行い、収穫時に放射性物質濃度を検査する。畑作は制限せず、農作物を全量検査し、濃度が国の新基準の1キログラム当たり100ベクレル以下なら生産者が自家消費する。市場流通は考えていない。

 雇用は村内に進出する東京の製造工場の操業が7月ごろになる見通しが付いた。50人規模の雇用を予定している。

 村民の帰村は2月1日から受け入れるが、初日に帰る人は今のところいないとみられる。村人口約3000のうち、緊急時避難準備区域の解除などに伴って現在約200人が村で暮らしている。

 村に帰らない村民のケアとして、避難者の約70%が集中する郡山市の仮設住宅のコミュニティーセンターに村職員を常駐させ、住民票の発行申請などができるようにする。避難先での健康診断の受診も可能にする。

 村に帰る村民は避難生活を終えたとみなされ、原発事故補償が打ち切られる可能性がある。遠藤村長はこれが帰村をためらわせる要因になっているとして、帰村者も避難者同様、補償対象から外さないよう国の原子力損害賠償紛争審査会に求めたことを明らかにした。

 遠藤村長は「帰村宣言はスタートライン。帰村しない人の意思も尊重する。早急に結果を求めず、除染しながら2年後、3年後に村民がわが家に戻れるようにしたい」と話した。

2012年

1月

31日

岩手県 「原発事故補償 説明会、個別相談で対応~東電が回答」

原発事故補償 説明会、個別相談で対応~東電が回答

【写真】東北補償相談センターの小松所長(左)から要望に対する回答文書を受け取る青木議長ら=奥州市役所
【写真】東北補償相談センターの小松所長(左)から要望に対する回答文書を受け取る青木議長ら=奥州市役所

岩手日日120201】東京電力福島第1原発事故に伴う放射能問題で、奥州、一関、平泉の3市町議会から東電に出されていた要望に対する回答が31日、東電から3市町議会に示された。常設の相談窓口を設置しない代わりに、東北補償相談センターが要請に応じて説明会や個別相談会を開催する方針を示したものの、それ以外の項目についてはこれまでとほぼ同じ回答。「ゼロ回答に近い内容」「東電に都合のいい回答だ」と3市町議会の関係者に不満がくすぶった。

 3市町は、放射性物質汚染対処特別措置法に基づく「汚染状況重点調査地域」に指定されており、東電に対して昨年要望書を提出したが、回答は具体性に欠ける内容だった。「原因者としての責任が感じられない」として3市町議会は1月17日、正副議長らが東電本社を直接訪問し、再度、要望書を提出していた。

 

 31日は奥州市役所で回答の説明が行われたが、冒頭のあいさつなどを除き、東電の申し出により非公開となった。同市議会の渡辺忠議長、一関市議会の菅原啓祐議長、平泉町議会の青木幸保議長ら3市町議会の議員12人が出席したほか、東電側からは東北補償相談センターの小松日出夫所長ら4人が訪れた。

 

 7項目にわたる要望のうち、県南地域への相談窓口常設について東電は回答文書で「損害賠償や原子力事故への対応状況をはじめ、広く住民に情報を提供し、相談に応えられるよう説明会や個別相談会を開催させていただくなど、丁寧に対応してまいりたい」としたものの、常設設置にはこれまでと同様に難色を示した。

 

 このほか、農畜産物などの損害に対する全額賠償や、風評被害対策に係る経費負担、汚染稲わら・牧草などを処分できる施設の独自整備、除染経費の満額負担など6項目への回答は、これまでとほぼ同じ内容だった。

 

 回答を受け、菅原議長は「こちらに出向いて説明や相談に応じるという姿勢はいくらか前進したと思うが、内容に不満は残る。東電に都合のいい回答」と渋い表情。

 

 渡辺議長は「窓口を設置してほしいという部分には一定の回答を頂いた。今後は県南広域振興局に対し、担当職員を配置してもらい、相談できる体制を整備してもらえるようなことも考えていきたい」と語った。

2012年

1月

26日

福島県 「避難指示地域の除染、14年3月までに完了 工程表発表」

避難指示地域の除染、14年3月までに完了 工程表発表

河北新報120127】環境省は26日、東京電力福島第1原発事故に伴う除染の本格化に向け、福島県内の原発周辺の避難指示地域で国が進める除染作業の工程表を発表した。年間被ばく放射線量が50ミリシーベルト以下の地域で、住民の同意や仮置き場の確保など条件が整った地域から順次、除染を開始。2014年3月末までに住宅や企業、公共施設、道路、農地などの除染を終えるとした。
 細野豪志環境相は記者団に「住民に一日も早く戻っていただくのが大きな目標。困難は非常に多いが、必ず乗り越えられる」と強調。環境省は関係市町村長の意見を聴いた上で3月末をめどに除染計画をまとめ、作業に着手する。ただ、個人の住宅や土地について所有者から立ち入りの同意を得るのが前提で、所在不明者も多く、着手は遅れる可能性もある。
 一方、年50ミリシーベルト超の地域については、除染のモデル事業を通じて効果的な方法や作業員の安全確保策を確立するとしたが、本格除染のスケジュールは示していない。
 政府は現在、「警戒区域」と「計画的避難区域」を国が直接除染する除染特別地域に指定しているが、3月末をめどに再編。年20ミリシーベルト以下の「避難指示解除準備区域」、20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下の「居住制限区域」、50ミリシーベルト超の「帰還困難区域」に3区分する方針。工程表は再編後の区分に合わせた。
 解除準備区域では、まず線量が年10ミリシーベルト以上と比較的高い地域や、5ミリシーベルト(毎時1マイクロシーベルト)以上の地域にある学校などから作業を開始し、年内に完了。5~10ミリシーベルトの地域は13年3月末まで、1~5ミリシーベルトの地域も14年3月末までに除染を終えるとした。目標として、一般住民の被ばく線量を13年8月末までに半減し、長期的には1ミリシーベルト以下にすることを掲げた。施設別では、市街地や学校、公園、消防、医療施設、役場などを優先する。
 居住制限区域は、14年3月末までに帰還可能な20ミリシーベルト以下にする。

除染平成25年度内完了 避難指示解除準備、居住制限区域 環境省が原発周辺の工程表発表

福島民報120127】環境省は26日、東京電力福島第一原発事故に伴い国が避難区域内の11市町村で進める除染作業の工程表を発表した。年間被ばく線量が50ミリシーベルト以下の「避難指示解除準備」「居住制限」の両区域で優先して作業を始め、平成25年度末までに全域で作業を完了させる。汚染廃棄物の仮置き場確保など条件が整った地域は3月にモニタリング調査を始め、7月の開始を目指す。一方、50ミリシーベルト超の「帰還困難区域」は、当面モデル事業で低減の手法を探る。

 

■帰還困難区域は モデル事業継続

 住民が帰還できる地域をより早急に確保するため、避難指示解除準備区域(年間放射線量20ミリシーベルト以下)のうち、10ミリシーベルト以上の地域や五ミリシーベルト以上の場所にある学校などを優先して今年中に作業を終える。学校は再開前に毎時1マイクロシーベルト未満まで下げる。5~10ミリシーベルト未満の地域は24年度末、1~5ミリシーベルト未満は25年度末までに線量を半減させるとしている。

 

 居住制限区域(同20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)は24年度中に除染を始める。25年度末までに20ミリシーベルト以下に放射線量を低減させ、避難指示解除準備区域への移行を目指す。

 

 帰還困難区域(同50ミリシーベルト超)は当面モデル事業を続けるが、除染の効果は限定されることが予想され、国は土地の買い上げを検討する。

 環境省は3月にも、建物などのモニタリングや震災と津波による施設の被災状況について調査に乗り出す。役場庁舎や高速道路など公共的な施設で先行的に除染を進めるのと併せ、7月からは地域内全体で高圧洗浄や表土除去などの本格的な作業を始める。

 

 同省は市町村と協議し、3月末までに自治体ごとに作業を優先する地域などを定めた「特別地域内除染実施計画」を策定する。

 細野豪志環境相兼原発事故担当相は「住民に1日も早く戻っていただくのが大きな目標。困難は非常に多いが必ず乗り越えられる」と強調した。

2012年

1月

25日

茨城県 「原発再稼働 自治体や住民の意向反映を 経産相に知事要望」

原発再稼働 自治体や住民の意向反映を 経産相に知事要望

【写真説明】枝野幸男経済産業相(右)に要望書を手渡す橋本昌知事=東京・霞が関
【写真説明】枝野幸男経済産業相(右)に要望書を手渡す橋本昌知事=東京・霞が関

茨城新聞120126】橋本昌知事は25日、枝野幸男経済産業相を訪ね、日本原子力発電(原電)東海第2原発の再稼働に関し、安全対策の徹底とともに地元自治体や住民の意向を十分反映するよう求める要望書を提出した。

橋本知事は「安全が大前提。それがなければ再稼働はあり得ない。大平洋に大地震が予測されること、(営業運転開始から)34年経過していることなどさまざまな点を考慮してほしい」と、安全対策・情報開示の徹底を要請した。その上で「立地地域、周辺自治体、住民の意見を十分聞いてほしい」と強調した。

ストレステストに関する報道陣の問いに対しは「全体を判断する一部の役割」との認識を示した。

枝野氏からは「地元との話し合いが最も重要であり、一定段階進んだら十分に相談させてほしい」と前向きな回答があったという。

橋本知事はこのほか、(1)企業立地支援策の拡充(2)再生可能エネルギー設備導入補助金の対象に本県を含むこと(3)原発による健康影響調査の基準明確化-などを要望した。

橋本知事は同日、民主党の鈴木克昌幹事長代理にも同様の要望書を提出した。

2012年

1月

25日

福島県富岡町 「10~40代「戻らぬ」半数 警戒区域・富岡町民調査」

10~40代「戻らぬ」半数 警戒区域・富岡町民調査

河北新報120125】福島第1原発事故で町全域が警戒区域になっている福島県富岡町の住民アンケートで、放射線量の低下や生活基盤の復旧にかかわらず、10~40代の約半数が既に町に戻らない意向を示していることが24日、分かった。

 アンケートでは帰還の条件として「警戒区域の解除」「放射線量の低下と生活基盤の整備」「線量低下、基盤整備、ほかの町民の帰還」の選択肢を設けて聞いた。

 その結果、11~15歳の43.6%、16~19歳の55.4%がいずれの条件が満たされても「戻らない」と回答。20~40代でも「戻らない」が最も多かった。「戻らない」は全体では34.4%だった。

 全体では「線量低下、基盤整備、ほかの町民の帰還」が実現すれば戻ると答えた人が43.7%で最も多かった。

 帰還を待てる時間については、約半数が「3年以内」と答え、「いつまでも待つ」と答えたのはわずか6.3%。町にどれだけの人が戻るかは、あと1、2年で見通しを立てられるかどうかがポイントになりそうだ。

 町は「若い年代の帰還へ向けた工夫が必要。復興へ向けた取り組みの周知活動も重要になってくる」と分析している。アンケート結果を踏まえて町は近く、災害復興ビジョンを策定する。

 アンケートは11歳以上の町民1万3354人を対象に昨年12月に実施。3184人から回答を得た。

2012年

1月

20日

茨城県土浦市 「放射能汚染への具体策掲げる 土浦市の環境基本計画案」

放射能汚染への具体策掲げる 土浦市の環境基本計画案

茨城新聞120120】土浦市は現在策定中の新たな環境基本計画(計画年度2012〜21年度)に、放射性物質対策を初めて盛り込む。計画案には、福島第1原発事故により放射性物質に汚染されていることを受けて、放射性セシウム137の半減期が30年であることなど長期にわたる対策が必要であることを踏まえ、行動方針に具体的対策を掲げた。市は「放射性物質汚染対処特措法に基づき、対策を着実に進めていきたい」(環境保全課)としている。

計画案では、市を取り巻く環境の現状は、空間放射線線量率は南部地域で高い傾向が見られるが、放射線の影響を受けやすい子どもたちが活動する各地区公民館、保育所、児童館、幼稚園、小・中学校など定期的に測定している96施設で、除染の目安として文科省が示した毎時1マイクロシーベルトを超えたポイントはないとした。一方で、地形や雨水などの集積度合いにより線量の高いポイントが局所的に存在しており、今後さらに測定ポイントを増やし、詳細な調査を継続していくことが必要としている。

その上で、基本目標の一つ、「健康で安心して心地良く暮らせるまちの実現」のための行動方針に、「新たな汚染物質の心配がないまちをつくろう」を掲げ、ダイオキシンやアスベストと並んで放射性物質対策を盛り込んだ。

2012年

1月

20日

宮城県 「「宮城でも汚染対策を」 村井知事と19市町長が国へ要望」

「宮城でも汚染対策を」 村井知事と19市町長が国へ要望

原発事故の被害対応をめぐり記者会見する村井知事(中央)と県内19市町長
原発事故の被害対応をめぐり記者会見する村井知事(中央)と県内19市町長

河北新報120121】福島第1原発事故を受けた政府の被害対策が福島県などと大きく異なっているとして、宮城県の村井嘉浩知事と県内19市町長は20日、民主党と関係省庁を訪れ、健康影響調査の実施に関して統一基準を明示することなど、20項目を要望した。

 このうち農林水産省では村井知事が「県民は非常に不満に思っている。県境ではなく、放射能レベルで区切るべき問題だと思う」と指摘。(1)森林や農地の除染(2)県内産品の風評被害対策(3)放射性物質を含む汚染水の再放出防止―を求めた。

 井口経明岩沼市長も「震災対応はよくやってもらっているが、原子力関係は非常に悪い」と抗議。村上英人蔵王町長は「一番の心配はまだ処理が決まっていない牧草だ」と述べ、農家への財政支援を訴えた。

 鹿野道彦農相は「多大な迷惑を掛け、あらためておわびをする」と謝罪し、「福島県だけという思いはない。関係閣僚と連絡を取り、予算措置も除染も国が責任を持って懸命に取り組む」と応じた。

◎「県境による対応の差おかしい」 知事ら都内で会見

 宮城県の村井嘉浩知事と県内19市町長が20日、都内で記者会見し、福島第1原発事故を受けた健康対策や風評被害への賠償などをめぐって「県境によって対応に差があるのはおかしい。放射能のレベルに応じた対策を講じるべきだ」と政府の姿勢を強く批判した。

 村井知事は「放射能対策は福島だけに偏り過ぎている。県内にも放射線量の高い地域があるのに対応は不十分で、強い憤りを感じる」と訴えた。

 各府省への要望行動について県市長会副会長の井口経明岩沼市長は「政府対応のまずさに対する怒り、抗議だ」とし、「健康影響調査や風評被害への賠償などが県境を挟んで違うのは解せない」と疑問を呈した。

 独自の健康調査を実施する保科郷雄丸森町長は「福島と同じ対応をしてほしい」と強調。放射性物質で汚染された稲わらなどの問題を抱える佐藤勇栗原市長は「住民に一時保管への理解を求めているが、このまま置かれるのではないかと不安を持っている。出口の対策が大切だ」と指摘した。

 

2012年

1月

16日

茨城県つくば市 「廃棄物処分までの配慮十分に つくばで除染回収技術報告会」

廃棄物処分までの配慮十分に つくばで除染回収技術報告会

【写真説明】水や土壌からの放射性物質の除去、処理方法について総括的な立場から報告した北海道大学の佐藤努教授=つくば市千現
【写真説明】水や土壌からの放射性物質の除去、処理方法について総括的な立場から報告した北海道大学の佐藤努教授=つくば市千現

茨城新聞120117】ゼオライトをはじめとする天然鉱物などを利用した放射性物質の除去、回収技術の開発に取り組む研究者の報告会が16日、つくば市千現の物質・材料研究機構内で開かれ、同機構など5研究機関と7大学の研究者14人が最新の研究成果を報告した。福島第1原発事故に伴い、福島県飯舘村などで取り組んだ放射性セシウムを含む粘土除去の実証実験などの報告に、集まった専門家約100人が熱心に耳を傾けた。

北海道大学の佐藤努教授が冒頭、汚染状況と、除染から廃棄に至るまでの技術的な問題点を総合的な見地から解説。放射性セシウムは吸着材に集まると高い熱を出すことや水に触れると水素が発生することなど保管上の課題を挙げた。特に、除去効率を優先するだけでなく、廃棄物の処分までを考慮しなければならない必要性があることなどを強調した。

 森林については、落ち葉を除去すれば最高9割まで除染を可能とされながら、福島県で降雪の時期までに大掛かりに実施されなかったことを指摘。「多くの森林は汚染されたまま。雪が解けたらどうなるか、再調査しなければならない」と懸念を表明した。また佐藤教授は、座長を務めた最後の討論で「多様な吸着材料が開発される中で、その素材を評価する機関が必要ではないか」と提言した。

報告会の内容は、文科省の科学技術戦略推進費(2011年度)で実施されたプロジェクトの研究成果。3月末で終了し、作成した報告書を文科省に提出するという。

2012年

1月

15日

千葉県 「放射線 宙に浮く焼却灰保管」

県が提案した焼却灰保管の候補地=手賀沼終末処理場
県が提案した焼却灰保管の候補地=手賀沼終末処理場

朝日新聞120115】東葛地域の清掃施設から出た放射性物質を含む焼却灰の保管をめぐり、協議が難航している。県は手賀沼終末処理場に一時的に保管することを提案したが、地元の我孫子、印西両市が猛反発し、宙に浮いている。柏市で一部の清掃施設が停止するなど生活への影響も出かねないが、調整役は見当たらない。

◆地元反対「なぜ、よその灰を」

 「議会が全会一致で受け入れ拒否を可決している」「住民の気持ちを考えると受け入れられない」

 焼却灰保管をめぐり、5日に柏市役所で非公開であった県と関係副市

長との会合。関係者によると、県が受け入れ先の候補に挙げた県下水道公社の施設、手賀沼終末処理場のある我孫子市と印西市は反対の姿勢を明確にしたという。

 我孫子市の清掃施設から出る焼却灰の放射性セシウムは国の基準を下回る。ある市議はブログで「よその灰をなぜ引き受けなければならないのか。近くに高校もあるのに」。印西市の幹部も「現地で座り込みをしようと思った」と言う。

 だが、たまり続ける焼却灰は市民生活に影響を及ぼしかねない。柏市が稼働を停止した南部クリーンセンターは、焼却灰の圧縮機能で、放射性物質も濃縮してしまう。灰を詰めたドラム缶は千本を超え、地下室などはほぼ満杯だ。

 1月末に満杯が近づいている流山市は、その直後から約3週間かけて定期点検を行う予定だ。担当者は「その間に処分先のメドがたてば光明が見える。(県案に)理解をえられればよいのだが……」。

 候補となった手賀沼終末処理場は我孫子市と印西市にまたがる。すでに下水処理で生じた放射性焼却灰約780トンを保管している。敷地内にテントを建てれば、各施設から出る約1年分の量の灰を保管できる。

 反対する2市にも弱みはある。我孫子市議会が受け入れ反対の決議をした理由の一つが、ごみの自区内処理の原則。だが、同市の施設から出る焼却灰は埼玉と茨城の民間業者に委託していて、決議とは矛盾する処理をしているのが実情だ。

 さらに現在、同市は柏市と、ごみ焼却施設の共同建て替えを検討している。独自処理を続ければ、規模の小さな我孫子市の方が負担感は大きくなる。ベテラン市議は「手をさしのべなくていいのか」と悩む。

 印西市では事業組合の清掃施設に移転・建て替え計画があり、費用面で市民から反発が出ている。焼却灰を受け入れれば反発が高まりかねず、7月の市長選への影響も懸念される。

◆県幹部「ボールは向こうに」

 各市の思惑に対し、森田健作知事は12日の会見で「色々事情はあると思うが、5市が話し合って協力を。あまり時間はない」と述べるにとどめ、明確な方針は示さなかった。

 ある県幹部は「県から新たな用地案を示すつもりはない。4市1組合から県有地の提供を求められたので案を出した。受けるかどうかはみなさんが協議して決めることで、ボールは向こうにある」と突き放す。

 「2市がクリアできる条件を聞きたい」(松戸市)との声もあるが、調整役がいない中で県案を前提とした協議のめどはたたない。5日の会合では、自衛隊施設や元学校に分散
して置く提案も出たという。

 ある市の担当者はため息をつく。「2市の合意が得られたとしても、あくまでも一時保管。もうちょっと長期にわたって保管できないと除染を先に進めることができないのに、最初からこれではね」

◆流山が中間処理施設

 行き場がなくなった焼却灰を仮保管している流山市は、焼却場内に自前で中間処理施設の建設を始めた。灰を薬品処理し、セメントでピンポン球ほどの大きさに固める。より安全で扱いやすくすることで、難航している最終処分場探しを前進させたいという。

 施設は約1億円をかけて建設。3月に試運転、4月に本格稼動の予定だ。

 これまでは年間約1300トン発生する焼却灰の3分の2を秋田県小坂町の最終処分場で埋め立て、残りは北九州市の産業廃棄物処理会社に再生処理を依頼してきた。小坂町で処理する灰は、秋田県大館市の施設で薬品を使い重金属を閉じ込める処理もしていた。

 だが、7月に灰から国基準の3・5倍の放射性セシウムが検出されると両市町から受け入れを断られ、搬送中の灰も送り返された。

 放射性物質が蓄積しやすい草や枝の焼却をやめるなどして濃度は9月末に国基準以下に。しかし、受け入れ先は見つからず、焼却場内に仮保管している灰は11日時点で672トンと満杯に近づいている。「処分場探しは、流山というだけで敬遠される」という。

2012年

1月

14日

神奈川県横浜市 「世界会議 横浜に30カ国 子どもも「脱原発」」

世界会議 横浜に30カ国 子どもも「脱原発」

脱原発を訴えデモ行進する参加者ら=14日午後、横浜市神奈川区で(川柳晶寛撮影)
脱原発を訴えデモ行進する参加者ら=14日午後、横浜市神奈川区で(川柳晶寛撮影)

東京新聞120115】原子力エネルギーからの脱却をテーマに、約三十カ国から集まった専門家らが、原子力の問題点について話し合う「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」が十四日、横浜市西区のパシフィコ横浜で始まった。十五日まで。 

 初日は有識者や避難中の福島県民ら約五千人が参加。福島第一原発事故などをテーマにした討論会や、歌手の加藤登紀子さんのコンサートなど二十のイベントがあった。会場内では「原発に頼らない地域づくり」などをテーマに一般市民らが百以上のブースを設け、来場者と意見交換。会場付近では、市民ら約四千五百人が原発の廃止を訴え、デモ行進した。

 開会式では、前福島県知事の佐藤栄佐久氏が、知事在任中に発覚した東京電力の原発トラブル隠しなど、原発事故以前から多くの問題が起きていた点に触れ、「国民の安全を確保する能力のない日本で、原発を続けてはならない」と強調。

 福島県郡山市から横浜市へ避難している富塚悠吏(ゆうり)君(10)は「科学者になりたい。夢をかなえるために健康でいたい。子どもも原発はいらないと思っている」と訴えた。

 欧州議会議員・ドイツ緑の党のレベッカ・ハルムス氏は「日本が大事故をきっかけに変われるか、世界が注目している」と呼び掛けた。

 十五日は午前十時から。入場料は当日券二千円。イベントの多くがインターネット中継される。

2012年

1月

14日

宮城県丸森町 「内部被爆検査開始 丸森・2地区の子ども受検」

内部被爆検査開始 丸森・2地区の子ども受検

河北新報120115】福島第1原発事故を受け、宮城県は14日、丸森町筆甫、耕野両地区に住む子どもを対象に、全身の内部被ばく量を測定できるホールボディーカウンターを使った健康調査を始めた。15日も行われる。
 機器を手配できなかったなどの理由から、県は昨年12月、空間放射線量が比較的高い2地区の子どもを対象に甲状腺の超音波検査のみ実施した。今回は検査を委託された日本原子力研究開発機構(原子力機構)が、車載式のホールボディーカウンターを用意した。
 両地区の0歳児から小学6年生までの83人から検査の希望を募った。専用の機器に入って測定するため、3歳以下の子どもは保護者が代理で、4~7歳は子どもと保護者の両方、8歳以上は子どもが検査を受けた。
 14、15の両日で子ども43人、保護者28人の計71人が申し込んだ。
 初日は町保健センターで、37人が検査を受けた。測定は数分程度で終わり、生涯に受ける内部被ばく量を短時間に算出できる。検査後、原子力機構の職員が数値を示しながら結果を説明した。
 小学6年の長男(12)が検査を受けた耕野地区の母親(41)は「健康に影響はないと言われ、ひとまず安心した。1回だけでなく生涯にわたって継続的に調べてほしい」と話した。
 健康調査の必要性を検討していた県の有識者会議は今月下旬に会合を開く。前回の甲状腺検査も含めて結果を分析し、今後の方針を決める。

2012年

1月

10日

千葉県流山市 「流山の支援学校基準値超 指定9市の線量測定開始 国の「汚染状況重点調査地域」 県教委」

流山の支援学校基準値超 指定9の線量測定開始 国の「汚染状況重点状況調査地域」 県教委

校庭で空間放射線量測定を行う県教委の職員=10日、特別支援学校流山高等学園第二キャンパス
校庭で空間放射線量測定を行う県教委の職員=10日、特別支援学校流山高等学園第二キャンパス

千葉日報120111】福島第1原発事故に伴う放射能汚染問題で、県教委は10日、国から「汚染状況重点調査地域」の指定を受けた県内9市に所在する県立学校と社会教育施設の空間放射線量測定を開始した。初日に実施した流山市名都借の「特別支援学校流山高等学園第二キャンパス」では、国負担による除染の基準値となる毎時0・23マイクロシーベルトを全測定地点で上回った。

 国が1日から施行した放射性物質汚染対処特措法に基づいた措置。県内で重点調査地域に指定された9市は松戸、野田、柏、流山、我孫子、鎌ケ谷、佐倉、印西、白井の各市。

 県教委による測定は、国指定前の昨年10~11月に測定した県立35高校を除いた9学校、4施設で実施。今月下旬までに順次、校庭や敷地内の2~5地点で、地上1メートルと50センチの高さで測定する。全測定が完了後、測定済みの35校とともに必要な除染作業に着手する。

2012年

1月

06日

千葉県 「36地点中27地点で基準値超 柏・印西市の県立4公園 県、除線に向け空間線量測定」

36地点中27地点で基準値超 柏・印西市の県立4公園 県、除線に向け空間線量測定

千葉日報120107】千葉県は6日、国の汚染状況重点調査地域に指定された柏市と印西市の県立4公園の空間放射線量測定結果を公表した。指定後、県有地での測定は初めて。毎時0・23マイクロシーベルト以上の地点は、測定した36地点中27地点に上り、除染の必要性が裏付けられた。

 汚染状況重点調査地域に指定された9市のうち、県立公園があるのは2市のみ。いずれも柏市の柏の葉公園と手賀沼自然ふれあい緑道、印西市の北総花の丘公園と印旛沼公園の4公園で、5日に敷地内の広場や道路など計36地点を測定した。

 除染が必要な基準の毎時0・23マイクロシーベルト以上だったのは、このうち27地点に上った。最も高かったのは、柏の葉公園テニスコートの0・51マイクロシーベルトだった。印旛沼公園は4公園の中で唯一、測定した5地点がいずれも基準を下回った。

2011年

12月

09日

「地震で炉心損傷なら、復旧着手に4年」 英の指摘、触れず導入

東京新聞111209】日本初の商業用原発を英国から輸入するかどうかを検討する政府の調査団が一九五六年に訪英した際、英側が「地震で炉心が崩れたら復旧作業の開始に四年以上かかる」と指摘していたことが、英国側資料で明らかになった。英国型の原発は地震に弱いと言われてきた。指摘は、加えて地震で崩れたら復旧も難しいことを示唆していたが、調査団は報告書でそれに触れずに「導入するに適する」と結論づけていた。

 資料は、愛知県豊田市の科学史研究家奥田謙造さん(55)が英国立公文書館で見つけた。五六年十一月十六日にロンドンで開かれた日本の調査団(団長・石川一郎原子力委員長代理)と英国原子力公社側との会合の様子が記されている。

 それによると、日本側調査団は導入を検討する英国コールダーホール原発型の原子炉が、減速材に使う黒鉛を積み重ねただけの構造になっていることに懸念を表明。同年十月末からの視察中、何度も英側と耐震問題の解決を求め議論した。

 十一月十六日にも日本側から、地震が原子炉へ及ぼす影響について尋ねたが、英側は「今の構造では地震の影響を受けるが、英国は地震がないのでどうすべきか言えない」と釈明。「日本のためには構造のどこが傷つきやすいかをアドバイスすることが一番だ」として、「もし黒鉛が崩れて炉の操作が妨げられた場合、人が安全に中に入って積み直しを始めるには、四年以上かかるだろう」と話した。

 結局、耐震問題に不安を抱えたまま調査団は帰国。報告書では、英側から「十分の回答は得られなかった」としたが、設計の修正で解決できるとして「英国の原子力発電設備の導入から進めるのが良い」と結論づけ、初の商業用原発となる東海原発(茨城県東海村)に英国型を採用するレールが敷かれた。

 同年八月八日付の英原子力公社の内部文書では、英国の原発メーカーが「日本では地震が頻繁に起こるので、原子炉の設計がとてつもなく難しくなる」と指摘したとの記載もあり、耐震問題は、日本側が指摘する前から英側も把握していた。

 当時日本原子力研究所の研究者で、調査団の通訳担当だった原礼之助さん(86)は「『復旧に四年以上かかる』という説明は記憶にない。ただ、石川団長には『購入するつもりだから、その前提で通訳してほしい』と言われた」と証言した。

<コールダーホール原発と東海原発> 英コールダーホール原発は西側諸国初の商業用原発で、1956年10月に運転開始した。核分裂反応を効率的に行うための減速材として、水の代わりに黒鉛を使う構造。原爆用プルトニウムの生産を兼ねていた。2003年に閉鎖。日本初の商業用原発となった東海原発は、コールダーホール原発の改良型。66~98年まで営業運転し、現在は廃炉作業中。燃料に天然ウラン、減速材に黒鉛を使うガス冷却炉。積み上げた黒鉛が地震で崩れる恐れが問題となり、黒鉛のブロックを凹凸に加工してかみ合わせるよう設計変更した。

2011年

12月

09日

福島県 「住民外部被ばく最高37ミリシーベルト 福島第1原発事故調査」

住民外部被ばく最高37ミリシーベルト 福島第1原発事故調査

河北新報111210】東京電力福島第1原発事故で、福島県浪江、川俣、飯舘の3町村の住民約1730人が4カ月間で受けた外部被ばく線量は、推計で平均1ミリシーベルト強、最高約37ミリシーベルトだったことが9日、県への取材で分かった。住民の外部被ばくの実態が判明するのは初めて。

 この推計値は、県民健康管理調査で住民が自ら記入した行動記録を基に、文部科学省の測定や緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による各地の空間放射線量を参照し算出された。
 推計値からは自然被ばく線量は引かれているが、内部被ばくを考慮しても、がんなどの健康リスクが高まる100ミリシーベルトに達した人はいないとみられる。
 県立医大によると、約1730人のほぼ半数が1ミリシーベルト未満。残りは、4カ月間で平常時の年間限度1ミリシーベルトを超え、5~10ミリシーベルトが約40人、10ミリシーベルトを超えたのは約10人で最高が約37ミリシーベルトだった。
 推計値が高かった住民の中には、原発事故の収束作業に加わっていたとみられる人も含まれており、県は「どのような状況で被ばくしたのかを精査したい」としている。
 全県民約200万人が対象の健康管理調査は6月から、計画的避難区域などに指定された浪江町、川俣町山木屋地区、飯舘村の住民計約2万9千人を対象に事故以降の行動記録を基に被ばく線量を推計する先行調査を実施。
 県は健康管理調査の流れで、警戒区域などの避難住民から子どもや母親のほか、農業や建設業など屋外作業が多い人も選び、全身の内部被ばく線量を測るホールボディーカウンターや尿検査で調査を進めている。

◎健康影響なし

 NPO法人放射線安全フォーラムの多田順一郎理事(放射線安全)の話 放射線業務に携わる作業者は5年間で100ミリシーベルト、うち、どの1年間でも50ミリシーベルトを超えてはならないという安全基準がある。作業者も一般人も同じように放射線の影響を受けるので、その点から考えても37ミリシーベルトは健康に影響がないと考えられる。今回の調査はあいまいな記憶を基にした数カ月前の行動記録から推測しているので、外部被ばくの大まかな目安として受け止めるべきだ。このレベルの被ばく線量で、数字を気にしすぎて悩む方が精神的によくない。

2011年

11月

30日

福島県 「全原発廃炉」 復興計画に明記へ

「全原発廃炉」復興計画に明記へ

記者会見で福島県内の全原発廃炉を表明する佐藤知事=30日、県庁
記者会見で福島県内の全原発廃炉を表明する佐藤知事=30日、県庁

河北新報111201】福島県の佐藤雄平知事は30日、東京電力福島第1原発(大熊町、双葉町)、第2原発(富岡町、楢葉町)の原子炉計10基全ての廃炉を国と東電に求める考えを明らかにした。12月にまとめる県復興計画に盛り込む。原発事故後に打ち出した「脱原発」の基本理念からさらに踏み込み、原発と決別する姿勢を明確にした。
 佐藤知事は記者会見で「第1原発事故で多数の県民と広範囲の県土が甚大な被害を受け、原発の安全性に対する信頼が根底から崩れた」と指摘。「県民を守り、若者や子どもが安心して暮らせる県にするために県内の全原発の廃炉を目指すことを決断した」と述べた。
 原発に代わる雇用と地域振興策として、再生可能エネルギー関連企業の誘致と育成を軸に産業の確立を急ぐ。立地自治体などの財政の柱となった電源3法交付金や核燃料税の穴埋めでは、特別措置法による新たな財政的な手当てを国に求める。
 廃炉に伴う大量の放射性廃棄物や使用済み核燃料の処分については、最終処分場の県内設置を認めず、県外に搬出させる意向をあらためて示した。
 佐藤知事は「福島県は原発と40年以上共生し、財政、経済面で恩恵を受けた。しかし、今回の事故で自然も社会もそれ以上の被害を受け、原子力に依存しない新生福島を創造する結論に至った」と語った。
 復興計画の最終案は1日にも公表され、県民に意見を募るパブリックコメントを実施して決定する。国や東電への廃炉要請は計画決定後に行う。
 福島県は8月に脱原発を基本理念に据えた復興ビジョンを策定。県議会は10月、県内の全原発の廃炉を求める請願を採択した。
 第1原発には事故を起こした1~4号機の他、5、6号機があり、第2原発には1~4号機がある。東電は第1原発1~4号機については既に廃炉を決めている。

2011年

10月

30日

福島県 「完全賠償求めデモ行進 福島で1万人が脱原発訴え」

完全賠償求めデモ行進 福島で1万人が脱原発訴え

福島民友111031】国と東京電力に原発事故の完全賠償などを求めた1万人規模(主催者発表)の反原発集会が30日、福島市で開かれ、参加者が脱原発などを訴えた。県労連などでつくる実行委員会の主催。
 「なくせ原発!安心して住み続けられる福島を!10・30大集会inふくしま」と題して開かれた。被災自治体代表として馬場有浪江町長、菅野典雄飯舘村長も参加、被災地の現状や、除染の徹底などを求めた。
 志位和夫共産党委員長、石原洋三郎衆院議員、金子恵美参院議員、庄條徳一JA福島中央会長、佐藤栄佐久前知事らがそれぞれあいさつ。原発事故の完全賠償や、原発の廃炉、放射能から子どもたちを守ることなどを求めた集会アピールを採択した。集会後、参加者は「東電は徹底的に除染しろ」「国は責任を果たせ」などとシュプレヒコールを上げながら、会場となった四季の里周辺でデモ行進を繰り広げた。

2011年

10月

28日

東日本大震災 東電の津波評価/放置された背景を検証せよ

河北新報111028】福島第1原発事故の直接の原因となったとされる巨大津波。東京電力は「想定外」の規模だったことを繰り返し強調してきた。だが、その主張はもはや通用しないだろう。
 想定した5.7メートルを超える津波が押し寄せる確率を東京電力が「50年に最大約10%」と評価、炉心溶融が起きる可能性がある10メートルを超す津波発生も「同1%弱」と算出していた。
 原子力の世界ではかなり高い確率だ。この津波評価をまとめた論文は、2006年に米国で開かれた国際会議で発表されたことも明らかになった。
 しかし、評価結果は社内で問題にされず、対応策が検討されることもなかった。安全規制を担当する経済産業省原子力安全・保安院は、原発事故が起きるまで、論文が存在することさえ知らなかったという。
 本来なら組織を挙げて対策を講じてしかるべき東電が、結果を放置した背景には何があったのか。保安院はなぜ、これほど重要な情報を把握できなかったのか。事故の原因を解明する上でも、徹底的に検証していかなくてはならない。
 巨大津波発生の可能性は「確率論的安全評価」と呼ばれる手法で試算された。津波発生源となる断層の設定や海底地形の誤差など、さまざまな「不確定性」を考慮し、リスク計算を行ったとされる。
 想定を超える津波発生(50年に10%)、炉心溶融の可能性(同1%)とも確かに高い。特に炉心溶融の発生頻度は「10万年に1回以下」とする国際原子力機関(IAEA)の基本安全原則をはるかに上回る。
 これほどの数値が出ているにもかかわらず、対応策さえ検討しなかったことを、東電は「試行的な解析にすぎない」(社内事故調査委員会の報告書案)として正当化しようとしている。
 しかし、社内からも結果を無視し続けたことに疑問の声が上がっている。「非常用電源や電源盤への浸水を防ぐ応急対策は、半年もあればできた」との指摘があるという。
 例えば非常用発電機をタービン建屋の地下から密閉性の高い原子炉建屋内に移し、むき出しの取水ポンプを堅固な建物の中に収めるだけでも、最悪の事態は避けられたはずだ。
 原発で最も重視しなくてはいけない安全性の確保よりも、原発の稼働率を上げるための保守・点検のテクニックに一層力を注ぐ企業文化が背景となったとみる専門家もいる。
 一方、保安院は「東電から特に報告がなかった」と評価結果を把握できなかった理由を説明する。しかし、国際会議で発表された公開情報だ。原発の規制機関として、知らなかったでは到底済まされない。
 原発の安全性については、どれほど留意してもし過ぎることがないことは、いわば常識だ。それがおろそかにされていたことに、驚きを禁じ得ない。
 業界全体の体質とは思いたくないが、他の原発ではどうなのか気になる。今回の事態の検証を急ぎ、ストレステスト(耐性評価)などに生かしてほしい。

2011年

10月

28日

宮城県女川町 「原子力防災重点地域の拡大案 女川原発、揺れる再稼働」

原子力防災重点地域の拡大案 女川原発、揺れる再稼働

河北新報111028】国の原子力安全委員会事務局が作業部会に示した原子力防災の重点地域見直し案が、東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の行方に影響を与えそうだ。原案通り決定されれば、重点地域は原発の半径8~10キロ圏から約30キロ圏に拡大し、新たに5市町が区域内に入る。関係自治体には「単純には運転再開に同意できない」との意見もあり、再稼働のハードルが高くなるのは必至だ。

 見直し案の是非は、11月1日に開かれる原子力安全委の作業部会で決まる見通し。女川原発の30キロ圏には、立地2市町に加え、東松島、登米両市と、宮城県南三陸、美里、涌谷の3町が加わることになる。
 このうち涌谷町の安部周治町長は「稲作地帯でもあり、原発事故への懸念は大きい」と強調。早期の運転再開については「事故時の町内の避難路確保などができていない状態では認めるべきではない」との認識を示す。
 美里町の佐々木功悦町長は「福島の事故の被害の広がりをみると、重点地域は広げるべきだ」と見直し案に賛意を示す。その上で運転再開の協議の在り方に触れ「立地自治体だけが関わってきた状況を改め、周辺市町村が意見を述べる場も必要」と注文を付ける。
 女川原発は全3基が停止しており、現在は全てが定期検査中。震災では一部設備に浸水被害などがあった。東北電は運転再開に向けて安全対策工事や地震の影響の解析作業を続けている。
 東北電は見直し案の影響について「具体的にコメントできる段階ではないが、再稼働に地元の理解が重要という考えは変わらない」と説明。新たに対象となる市町を含め「各自治体の要望を聞いていきたい」としている。


<自治体の防災計画 事故想定が不可欠>

 原子力防災の重点地域が約30キロ圏に拡大した場合、女川原発周辺で新たに対象区域となる自治体は原発事故を想定した防災計画策定が必要となるなど、さまざまな対応が求められることになる。
 防災計画の策定に関しては、福島原発事故の影響の大きさを踏まえ、いずれの市町も前向き。登米市は「国や県と協議し策定したい」と説明する。東松島市、南三陸町も既存の防災計画の見直しを検討する方針だ。
 対象市町は放射線測定機器や防護服の準備などのための予算確保も必要となる。広範囲に及ぶ地域で、原子力防災訓練をどう実施するかなども課題になる。
 各市町の指針となる県地域防災計画の修正も必至で、県原子力安全対策課は「関係自治体との調整が欠かせず、修正作業を終えるのは来年度以降になる」と言う。
 一方、東北電力は「正式に決まった場合は事業者としての防災業務計画を見直し、自治体との連係も深めたい」としている。

[原子力防災の見直し案] 原子力安全委員会事務局が20日に提示。あらかじめ防災対策を重点的に実施する地域として、これまで「EPZ」の呼称で示した原発の半径8~10キロ圏を約30キロ圏まで拡大し、緊急防護措置区域(UPZ)とする。ほかに5キロ圏を直ちに避難する予防的防護措置区域(PAZ)、50キロ圏を安定ヨウ素剤を配備するなど放射性ヨウ素対策区域(PPZ)に設定した。

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2011年

10月

25日

宮城県丸森町 「丸森で健康調査実施へ 宮城県、不安解消に向け方針」

宮城県は25日、同県丸森町筆甫、耕野両地区で、福島第1原発事故に伴う住民対象の健康調査を実施する方針を決めた。同日あった健康調査の必要性を検討する県の有識者会議は「健康に影響はない」との見解をまとめたが、住民の不安解消に向けて「調査は必要」と判断した。(16面に関連記事)
 対象は調査を希望する子どもを想定。甲状腺の超音波検査のほか、内部被ばく量を測定するホールボディーカウンターの使用も検討する。今後、対象年齢や調査項目、方法など詳細を決める。対象は数十人規模となる見通し。
 岡部敦保健福祉部長は会議後の取材に対し「(健康への影響がない)確認のための調査で、項目は絞り込む。できるだけ早い時期に実施したい」と述べた。
 県の推計によると、県南地域の年間被ばく線量は丸森町の耕野、筆甫両小では年1ミリシーベルトを超え、それぞれ4.1ミリシーベルト、2.8ミリシーベルトとなっている。
 県庁であった有識者会議の協議は非公開で行われた。県によると、5人の委員は「科学的、医学的な観点から健康への影響はなく、健康調査の必要性はない」との見解で一致した。県の調査方針には理解を示したという。
 県は調査を実施した上で、分析結果を次回の有識者会議に報告する。開催時期は未定。調査後のフォローの在り方について委員の意見を聞く。

2011年

10月

23日

千葉県柏市 「セシウム含む雨水蓄積か 文科省が現地調査 柏市有地」

セシウム含む雨水蓄積か 文科省現地調査 柏市有地

現地調査に入り、空間放射線量を測定する文部科学省の担当者ら=23日、柏市根戸
現地調査に入り、空間放射線量を測定する文部科学省の担当者ら=23日、柏市根戸

千葉日報111024】柏市根戸の市有地の土壌から最大で1キログラム当たり27万6千ベクレルの放射性セシウムが検出された問題で23日、文部科学省と研究機関による現地調査が行われた。中矢隆夫同省放射線規制室長は「福島第1原発事故により、放射性物質を含んだ雨水が土壌に蓄積した可能性が高い」と指摘した。

 同省と日本原子力研究開発機構が同日、現場周辺の放射線量を測定。土壌にかぶせた防水シートの表面では、最大で毎時14・6マイクロシーベルトの放射線量を検出。高さ1メートルでは最大で毎時2マイクロシーベルトだった。

 調査では土壌に接する側溝が破損し、雨水や汚泥が流れ込む状況になっているのを確認。柏市は当初、「放射性物質が埋められている可能性もある」としていたが、同省は「その可能性は低い」とした。

2011年

10月

20日

福島県 「県議会が全原発「廃炉」請願採択 知事「真剣に受け止める」

県議会が全原発「廃炉」請願採択 知事「真剣に受け止める」

県内の原発全ての廃炉を求める請願を採択した福島県議会=20日
県内の原発全ての廃炉を求める請願を採択した福島県議会=20日

河北新報111021】福島県議会は9月定例会最終日の20日、東京電力福島第1原発1~6号機(大熊町、双葉町)、第2原発1~4号機(富岡町、楢葉町)の全10基の廃炉を求める請願を採択した。原発の廃炉を要請する請願採択は全国初とみられる。

 出席議員53人のうち5人が退席。最大会派の自民党(26人)、民主党や社民党などでつくる第2会派の県民連合(19人)など議長を除く出席議員47人全員が賛成した。
 請願は新日本婦人の会県本部(福島市)が提出した。県が復興ビジョンの基本理念に「脱原発」を盛り込んだのを受け、全原発の廃炉を求めた。
 第1原発1~4号機は廃炉が決まっている。同5、6号機と第2原発は自動停止中で、再稼働するかどうかは未定。
 退席したのは渡辺義信(自民・西白河)、渡部譲(県民連合・会津若松)、坂本栄司(同・双葉)、小沢隆(改進の会・河沼)、望木昌彦(無所属・福島)の各議員。
 請願には県も「原発に対する信頼が根底から崩れた今、県としては原子力に依存しない社会づくりを進める」と同調する意見を付していた。
 佐藤雄平知事は「第1、第2原発の再稼働はあり得ないと言ってきた。県議会の請願採択は重く、真剣に受け止めたい」と述べた。
 第2原発が立地する富岡町の遠藤勝也町長は「現状での運転再開は百パーセントあり得ず、原発に依存しないエネルギー政策が進められるのは当然」と語った。
 東京電力広報部は「県議会の採択は重く受け止める。第1原発5、6号機と第2原発の取り扱いは詳細な調査を進めて検討する」とコメントした。

2011年

10月

20日

福島県 「全原発廃炉」請願採択へ 県議会、委員会と異なる決着

「全原発廃炉」請願採択へ 県議会、委員会と異なる決着

福島民友111020】県議会は20日の9月定例県議会最終本会議で、東京電力福島第1、第2の全原発10基の廃炉を求める請願を採択する見通しとなった。19日の企画環境委員会は請願を不採択としたが、継続審査が打ち切られたため本会議で議決が行われる。原発事故を受け、県が県政の基本理念に掲げた「脱原発」を見据えて廃炉を容認する議員の賛成多数で採択する公算が大きい。廃炉の是非をめぐり委員会と本会議で判断が分かれる異例の決着となりそうだ。
 請願は、原発事故に伴う放射能漏れで県民生活に多大な不安と影響を及ぼしたとして県内の全原発の廃炉を求めている。共産党系の新日本婦人の会県本部が6月県議会に提出したが、継続審査となっていた。

2011年

10月

15日

福島県郡山市 「「放射性物質から子どもを守れ!」 郡山でデモ」

「放射性物質から子どもを守れ!」 郡山でデモ

放射性物質から子どもを守るよう訴えたデモ行進=15日、郡山市
放射性物質から子どもを守るよう訴えたデモ行進=15日、郡山市

河北新報111016】福島第1原発事故を受け、福島県郡山市の市民団体などが15日、JR郡山駅前で、放射性物質による子どもの健康被害をなくすよう訴える集会とデモ行進を行った。
 「ふくしまの子どもを守れ! 郡山デモ」と名付けられた集会には、子どもたちの集団疎開を求める裁判の支援団体や市民ら約170人が参加。
 東京電力や国が被災者に真摯(しんし)に対応することや食品の暫定基準値の見直しなどを求める宣言文を採択した。参加者らは楽器を鳴らしながら「子どもの健康を守れ」「原発はいらない」などと声を上げながら、郡山市役所まで約2キロを行進した。
 初めてデモに参加した郡山市の主婦橋本智美さん(37)は「家庭の事情で子どもを連れて自主避難できずにいる。現状を変えるために何かできることはないかと思い、参加した」と話した。

2011年

10月

06日

福島県 「風評被害と移転企業も対象 債権買い取り 14日に新機構準備会設置」

風評被害と移転企業も対象 債権買い取り 14日に新機構準備会設置

福島民報111007】県内企業の「二重ローン」対策として県と中小企業庁が設立する新機構について、県は東京電力福島第一原発事故で風評被害を受けた製造業や観光業、避難区域指定で移転した中小企業などを債権買い取りの対象に加える方針を固めた。新機構は東日本大震災の被災3県ごとに設立されるが、本県は原発事故が企業活動に大きな打撃を与えていることを踏まえ、独自に支援対象とする。14日に県や中小企業庁、金融機関が機構準備委員会を設置し、12月中の新機構設立を目指す。
 6日に開かれた9月定例県議会の商労文教委で県が明らかにした。新機構の支援対象に、風評被害の影響を受けた宿泊施設や観光施設、製造業者、警戒区域や計画的避難区域などの指定で移転を余儀なくされた中小企業などを加える方針を示した。
 風評被害は、大幅な売り上げ減などで震災以前の設備投資による融資の返済が困難になり、新たな運転資金の借り入れが困難となるケースを想定している。警戒区域などから移転した企業については、移転前の施設や設備の債務が新たな借り入れの障害となる場合に支援する。
 機構準備委員会で支援対象、債権買い取り価格の算定方法などを決定する。中小企業基盤整備機構と県内金融機関が新機構の原資として出資する総額は、設立時は100億円とし、必要に応じて増額する方向で調整する。
 新機構は本県と岩手、宮城の3県で東日本大震災に伴う地震と津波の被害を受けた企業の債務負担を軽減し、新たな融資を可能にするよう設立する。震災前に発生した被災企業への債権について、再生可能と判断されれば金融機関から買い上げ、5年程度返済を猶予し事業再生につなげる。
 原発事故の被害を受けた企業を新機構の支援対象とする場合、再生可能と判断する根拠、債権買い取り価格の算定方法の設定が大きな課題だ。
 新機構が企業の債権を買い取るには、企業の業績見通し、担保としての施設や設備の価値が判断材料の一部となる。だが、原発事故は収束しておらず、風評被害が今後の企業活動に与える影響、警戒区域内の企業の施設・設備の価値を現段階で見極めることは難しい。
 さらに、企業が東電から原発事故に伴う損害賠償を受け、賠償金を債務返済に充てる場合、買い取りに影響が生じる。「機構準備委員会で中小企業庁や県内金融機関と慎重に協議し、妥当な算定方法を定めたい」(県経営金融課)としている。

2011年

10月

02日

福島県 「「除染、国が取り組む」細野原発相 5ミリシーベルト未満も含むと強調」

「除染、国が取り組む」細野原発相 5ミリシーベルト未満も含むと強調

【写真】細野環境相兼原発事故担当相(左)に要請書を手渡す佐藤知事
【写真】細野環境相兼原発事故担当相(左)に要請書を手渡す佐藤知事

福島民報111003】県庁で2日、佐藤雄平知事と会談した細野豪志環境相兼原発事故担当相は「国が責任を持って除染する地域は(年間の追加被ばく線量が)1~5ミリシーベルトの地域も当然含まれる。国が財政的な措置、技術的な課題に取り組む」と強調した。
 環境省が28日に福島市で開いた市町村の除染説明会で、同省担当者が年間5ミリシーベルト未満の地域は財政支援の対象外とする方針を示し、県や市町村からの反発が相次いだ。これを受け、細野氏は30日、「自治体でやりたいと要望があれば、最大限応じる」と釈明していた。
 会談で、佐藤知事は「被害者である県民がなぜ自ら除染しなければならないのかというのが県民の素直な気持ちだ。国、事業者が除染するのが筋であり、国が支援するという言葉には違和感を抱かざるを得ない」と苦言を呈した。
 細野氏は「国に責任があり、市町村を支援、協力するということではない。取り違わないようにする」と述べた。
 緊急時避難準備区域の解除に伴い、準備区域と警戒区域にまたがる楢葉町の楢葉南工業団地について、細野氏は佐藤知事との会談後、報道陣に同様の地域がある南相馬市の工場で既に操業を認めていることを明らかにした。
 楢葉南工業団地については「工業団地の再生は雇用、経済の両面で大変重要。操業再開に向けて準備を進めている」と述べた。
 佐藤憲保県議会議長は2日、細野氏と会談し「国の除染に対する姿勢が後退しているのではないか。国の除染についての考えを県民に明確に説明すべきだ」と求めた。これに対し細野氏は「国が責任を持って除染に取り組む」と約束した。
 席上、佐藤議長は9月21日に本県などを直撃した台風15号の影響で細野氏に提出できなかった北海道・東北6県議会議長会の震災と原発事故に関連する要望書を細野氏に手渡した。
 環境省が追加被ばく線量が年間5ミリシーベルト未満の地域は財政支援の対象外とした方針を示したことを受け、佐藤知事は野田佳彦首相宛ての4項目の要請書を細野氏に提出した。
 要請書には(1)年間1~5ミリシーベルトの地域で行う面的な除染の財政措置(2)国の責任で年間1ミリシーベルト以下となるまでの自治体への支援(3)県民健康管理基金の柔軟な執行と不足分の追加措置(4)国・事業者の責任で除染の全国的な支援体制の構築-を盛り込んだ。佐藤知事は緊急時避難準備区域の解除を受け、解除区域の上下水道・生活道の早期復旧、医療再生、農業の作付け方針の明示と雇用の場の確保も細野氏に求めた。

2011年

9月

30日

宮城県 「保安員、女川原発でも動員 原発シンポ「やらせ」」

保安員、女川原発でも動員 原発シンポ「やらせ」

緊急の記者会見で動員問題について説明する海輪社長=30日午後6時30分ごろ、仙台市青葉区の東北電力本店
緊急の記者会見で動員問題について説明する海輪社長=30日午後6時30分ごろ、仙台市青葉区の東北電力本店

河北新報111001】原発に関するシンポジウムなどで国が電力会社に「やらせ」を要請したとされる問題で、経済産業省が設置した第三者委員会(委員長・大泉隆史弁護士)は30日、東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)でも原子力安全・保安院の職員が動員などを働き掛けていたとする最終報告書を枝野幸男経産相に提出した。

 最終報告によると、保安院などが2006年、女川原発の耐震安全性を住民に説明するため開いたシンポで、保安院の元課長が東北電の担当者に「東北電力の関係者もどんどん参加して、意見を言いなさい」と動員や賛成意見の表明を求めた。
 北海道電力泊原発でも資源エネルギー庁の働きかけがあったと認定。08年の泊原発プルサーマル計画に関するエネ庁主催のシンポジウムでは、北海道電の担当者にエネ庁職員が「推進の側で発言いただくことも準備をお願いしたい」と依頼した。
 最終報告は中間報告と同様に九州電力玄海原発、四国電力伊方原発、中部電力浜岡原発をめぐるシンポも国の関与を認め、不適切な働き掛けが常態化していたことを浮き彫りにした。
 最終報告は「電力会社とエネ庁、保安院との間に相互にもたれ合う関係があったことが一因」と分析。地元首長の同意を得るためのプロセスとしてシンポなどが開かれ、住民理解を深めるという本来の目的より、空席を減らすなどの「外観」が重視されたと指摘した。
 国側に、公正性や透明性が不可欠だという認識が希薄で、シンポ運営に関する規範が不明確なまま放置されていたとして、組織改革に取り組むよう求めた。

◎シンポジウム3回、25人参加 東北電力謝罪

 経済産業省の第三者調査委員会による最終報告書で、女川原発でも原子力安全・保安院から東北電力への動員要請があったと指摘されたことを受け、東北電の海輪誠社長は30日、仙台市青葉区の同社で緊急の記者会見を開き、「透明性、中立性をゆがめかねない行為だった」と謝罪した。
 海輪社長は「当時は(参加要請が)常態化していたと推認される。住民に疑念を抱かせた責任を感じている」と述べた。その上で幹部社員教育の徹底や社外の有識者による専門会議設置などで再発防止を図る方針を示した。
 最終報告書が問題視したのは2006年10月に経産省原子力安全・保安院が石巻、女川町で開いた計3回のシンポジウム。同社の調査では関連会社などを含め少なくとも延べ25人が実際に参加していた。
 東北電側が原発に理解のある地域住民に意見表明するよう依頼した事実も調査で判明。ただ要請の規模や実際の参加人数は、ともに「記録が残っておらず分からない」(総務部)という。
 海輪社長は、社員、地域住民に対する出席の強制は「ともになかった」と語った。
 保安院側からの要請に応じたことについて、海輪社長は「もともとシンポを円滑に進めたいという(東北電の)担当者の意思もあり、行き過ぎた行為をしてしまった」と説明した。

2011年

9月

29日

原発賛否の投稿数の差、少なく公表 エネルギー庁

朝日新聞110929】経済産業省資源エネルギー庁が、九州電力玄海原発(佐賀県)の運転再開について説明したテレビ番組で、番組への投稿意見数を117件少なく公表していたことがわかった。実際の総数の17%に当たる。公表分では再開賛成が反対を大幅に上回っていたが、総数ではその差が縮んでいた。

 エネ庁などによると、番組は6月26日に佐賀県民向けにケーブルテレビなどで中継され、メールなどによる視聴者らの意見や質問も紹介した。番組後、エネ庁は投稿意見が計589件で、内訳は賛成286、反対163、その他140と公表したが、これは途中集計だった。最終集計は計706件で、内訳は賛成302、反対241、その他163だった。

 賛成意見から九電などの「やらせメール」141件を除くと、途中集計、最終集計ともに反対が賛成を上回るが、その差は途中が18件、最終が80件だった。

 投稿意見の中には「九電社員は賛成意見を送るよう命じられている」などと、やらせメールを告発するものもあった。この投稿は当初公表分に含まれ、エネ庁は投稿内容を見て賛否などを分類していたが、対応せずに放置していた。

 エネ庁の原子力発電立地対策・広報室は「数字を隠す意図はなく、番組後の記者会見に間に合うよう途中集計を公表した。最終集計も公表すべきだったが、考えが及ばなかった」と釈明した。告発については「賛否別などの分類はしたが、内容は精査せず把握していなかった」と話している。

2011年

9月

29日

福島県 「緊急時避難準備区域、30日解除 約5ヶ月ぶり」

緊急時避難準備区域、30日解除 約5ヶ月ぶり

福島民友110930】政府は30日夕、原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)を官邸で開き、東京電力福島第1原発事故を受けて県内の5市町村で指定した緊急時避難準備区域の一括解除を正式に決定する。4月22日の指定以来、約5カ月ぶりの解除となる。
 住民が戻る具体的な時期について藤村修官房長官は29日の記者会見で「各市町村の判断を尊重する方向だ」と表明。放射性物質を取り除く除染や公的サービスの再開、雇用確保などを課題として挙げ「(5市町村の)復旧計画の確実な履行と、住民の円滑な帰還を後押ししたい」と述べた。細野豪志原発事故担当相も参院予算委員会で「国が責任を持ち、5市町村とともに復旧計画が実現するようにやっていく」と強調した。

2011年

9月

29日

福島県郡山市 「「チェルノブイリに匹敵」福島・郡山市汚染」

「チェルノブイリに匹敵」福島・郡山市汚染

沖縄タイムス1100929】放射能に詳しい琉球大学名誉教授の矢ヶ崎克馬氏は、福島第1原発事故後の福島市と郡山市の土壌汚染について、チェルノブイリ原発事故(1986年)で子どもへの健康被害が続出したウクライナ・ルギヌイ地区に匹敵する汚染濃度だと分析した。「住民を『被ばくさせっ放し』の状態に置いている国に対して、国民の健康管理の点で厳しく責任を追及しなければならない」と訴えている。

 文部科学省がことし8月30日に発表した土壌汚染度調査を精査し、分析した。

 矢ヶ崎氏は「チェルノブイリ事故後に多量に発生した健康被害 東電福島事故と―今後の日本における悲劇の暗示―」と題したリポートを9月初旬にまとめ、郡山市を相手に子どもたちが「年間1ミリシーベルトを超えない安全な場所で教育を施すことを求める」集団疎開の原告側意見書を提出した。

 その中で、チェルノブイリ原発から西へ110~150キロ離れたルギヌイ地区の汚染度の高い地域について、原発から放出された放射線量が年間5ミリシーベルト以上の「移住義務ゾーン」、1ミリシーベルト以上の「移住権利ゾーン」、0・5ミリシーベルト以上の「管理強化ゾーン」の三つに区分するウクライナの法に基づく放射能汚染ゾーンの定義を説明。

 ルギヌイ地区では測定した332地点のうち「移住義務」と「移住権利」を合わせた割合は全体の13・3%だったが、福島市と郡山市の汚染地点を同区分に当てはめた結果、福島市は94地点のうち33%、郡山市は118地点のうち14・4%となり、ルギヌイ地区よりも汚染度の高い地域が多いとしている。

 一方、汚染の少ない「無管理地域」の割合はルギヌイ地区の1・5%に比べ、郡山市が27・1%、福島市はほぼ10%と多くなっているとも指摘。「移住義務」「移住権利」と「無管理地域」の割合や平均値を相対的に分析した結果、原発事故後の両市の子どもにも、ルギヌイ地区で現れた甲状腺疾病などの高い罹患(りかん)率が暗示されるとしている。

 矢ヶ崎氏は「政府は年間20ミリシーベルト以下の場所であれば『直ちには健康に被害は現れない』と言い続けている。根拠のない言明に反し、今後、極めて高い疾病率が日本の子どもや住民を襲うことが懸念される」と指摘。「国は内部被ばくを無視した国際放射線防護委員会(ICRP)の基準よりさらに悪い住民切り捨ての考えを捨てるべきだ。子どもの疎開を含む被ばく回避措置に全力を挙げるべきだ」と訴えている。

2011年

9月

28日

福島第一、1~3号機とも100度未満に 事故後はじめて

1~3号機の水温の推移
1~3号機の水温の推移

朝日新聞110928】東京電力は28日、東日本大震災発生時に運転中で、その後爆発事故を起こした福島第一原発1~3号機の原子炉圧力容器底部の温度がいずれも100度未満になったと発表した。原子炉の水の温度が100度を下回ることは事故収束の工程表の目標である冷温停止状態の条件の一つだった。ただ、原子炉からの放射性物質の飛散対策や水素爆発防止対策など、冷温停止に向けては課題が残る。

 3基とも100度未満になったのは事故後初めて。東電は「2号機では全体的に温度の低下傾向にあるが、まだ温度の上昇と下降がある。さらに冷却を目指す」としている。

 28日午後5時現在の温度は1号機が78度、2号機が99.4度、3号機が79度。100度以上が続いていた2、3号機は、新たな注水方法を採用。3号機は9月中旬以降100度未満を保ち、2号機は28日に100度を下回った。

2011年

9月

26日

静岡県牧之原市 「浜岡原発の永久停止を決議 10キロ圏内の牧之原市議会」

浜岡原発の永久停止を決議 10キロ圏内の牧之原市議会

中部電力浜岡原発=5月、静岡県御前崎市
中部電力浜岡原発=5月、静岡県御前崎市

東京新聞110926】中部電力浜岡原発の10キロ圏内にある静岡県牧之原市議会は26日午前の9月定例議会本会議で、同原発について「東海地震の(想定)震源域真上に立地しており、確実な安全、安心が将来にわたって担保されない限り、永久停止すべきだ」とする決議を賛成多数で可決した。

 同市や、浜岡原発がある御前崎市を含め、中部電と安全協定を結ぶ10キロ圏内の4市で永久停止を決議するのは初めて。政府の全面停止要請を受け入れた中部電は、地元同意を得てからの運転再開を目指しており、新たな壁となる。

2011年

9月

26日

福島県 「東日本大震災:福島第1原発事故 政府、29日にも避難準備区域解除 地元に通知」

東日本大震災:福島第1原発事故 政府、29日にも避難準備区域解除 地元に通知

毎日新聞110927】政府は26日、東京電力福島第1原発の半径20~30キロの「緊急時避難準備区域」を早ければ29日にも解除する方針を固め、松下忠洋副経済産業相を福島県に派遣し地元に方針を伝えた。避難区域の解除は原発事故後初めて。

 松下副経産相は緊急時避難準備区域にかかる5市町村のうち、川内村、楢葉町、南相馬市を26日訪れ、首長らに解除の意向を伝えて理解を求めた。

 南相馬市の桜井勝延市長はこれを了解したうえで、「(政府、東電への)住民感情は並大抵ではない」と述べ、除染など住民帰還に向けた環境整備に徹底して取り組むよう要請。さらに区域解除イコール補償終了ではないとして、「解除と補償がリンクしない点を政府声明として発表してほしい」とクギを刺した。

 3首長らとの協議を終えた松下副経産相は「(地元の理解は)頂けた。3月11日以前の状況へ戻せという住民の要望はしっかり受け止める。住民の帰還へ向けた動きが今始まった」と述べた。

 政府は28日に広野町と田村市にも解除方針を伝え、29日にも災害対策本部会議を開いて決定する。

2011年

9月

25日

山口県上関町 「原発推進派の現職3選 山口・上関町長選」

原発推進派の現職3選 山口・上関町長選

上関町長選で3選が決まり、支援者に頭を下げる柏原重海氏(中央)=25日午後9時10分、山口県上関町
上関町長選で3選が決まり、支援者に頭を下げる柏原重海氏(中央)=25日午後9時10分、山口県上関町

東京新聞110925】中国電力が上関原発建設計画を進める山口県上関町で25日、任期満了に伴う町長選が投開票され、計画推進派の現職柏原重海氏(62)が反対派市民団体代表の新人山戸貞夫氏(61)を破り、大差で3選した。投票率は過去最低の87・55%。

 福島第1原発事故後、新規立地の是非が争点となる初めての首長選。原発の危険性が浮き彫りになる中、野田佳彦首相が原発の新規建設は困難との見解を示すなど、これまでと異なる状況下での選挙戦となった。

 一方で原発計画に伴う交付金への期待や、地元建設業者などから工事再開を望む声も強く、柏原氏に支持が集まった。

2011年

9月

22日

静岡県牧之原市 「浜岡原発「永久停止」を決議へ=静岡県牧ノ原市議会、26日に」

浜岡原発「永久停止」を決議へ=静岡県牧ノ原市議会、26日に

朝日新聞110922】静岡県牧之原市議会は22日までに、中部電力浜岡原発(同県御前崎市)の永久停止を求める決議案を26日の本会議に提出することを決めた。賛成多数で可決される見通しだ。牧之原市は浜岡原発の10キロ圏内。同原発の地元自治体で永久停止を求める決議が出るのは初めて。

 同市議会事務局によると、21日の全員協議会には定数17人のうち、16人の議員が出席。このうち12人が決議案提出に賛成した。

 決議案は、福島第1原発事故を受けて、「『原発は安全である』という神話が根底から崩れ去った」と強調。原発事故が農畜産物などに甚大な被害を与えたと指摘し、「確実な安全・安心が将来にわたって担保されない限り、(浜岡原発を)永久停止にすべきである」としている。 

2011年

9月

21日

福島県浪江町も「脱原発」方針 建設計画推進から転換

河北新報110922】東北電力が2021年度運転開始を目指す浪江・小高原発(福島県浪江町・南相馬市、出力82万5000キロワット)の建設計画に対し、馬場有浪江町長は21日、計画を前進させない方針を明らかにした。福島第1原発事故を受け、桜井勝延南相馬市長も既に「脱原発」を打ち出し、立地2市町が従来の推進方針を転換する見通しとなった。

 馬場町長は同日、定例町議会一般質問で答弁し、「昭和42(1967)年に誘致を議決した議会を尊重する立場であり、(転換は)手順を踏まえ決断したい」と語った。その上で「計画を進めないということか」と問われ、「その方向でいい」と認めた。
 理由に関して馬場町長は「雇用や地域振興に重要と考え、誘致に取り組んできたが、事故で安全神話が崩壊した。多くの人が大変な中で新規立地は世論上、大変難しい。総理は寿命が来たものの廃炉を表明し、県の流れも同じ」と語った。
 馬場町長は議会後の取材に対し「できれば町議会には誘致を白紙にしていただいた上で、国や県とも相談し、再生可能な自然エネルギーの拠点を誘致していくのがいいんじゃないかと思う」との考えも示した。
 吉田数博議長は、今後の対応を「定例会後に協議したい」と説明した。

2011年

9月

19日

東京都 「大江健三郎さんら脱原発訴え 都心で6万人参加デモ」

東京で行われた脱原発パレードには福島からの人も含めて6万人が参加した=19日午後3時56分、東京都渋谷区、樫山晃生撮影
東京で行われた脱原発パレードには福島からの人も含めて6万人が参加した=19日午後3時56分、東京都渋谷区、樫山晃生撮影

朝日新聞110919】脱原発を訴える「さようなら原発集会」が19日、東京・明治公園で開かれた。ノーベル賞作家の大江健三郎さんらが呼びかけた。主催者側によると、全国から約6万人が参加し、東京電力福島第一原発の事故に関連した集会では、最大規模になったという。

 集会では大江さんのほか、経済評論家の内橋克人さんや作家の落合恵子さんらが登壇。大江さんは「原子力は荒廃と犠牲を伴う。私らは原発に抵抗する意志を持っているということを政党の幹部に知らせる必要がある」と呼びかけた。

 参加者は集会後、のぼりやプラカードを手に渋谷や新宿の繁華街を3コースに分かれてデモ行進。7歳の娘と初参加したという都内の女性(49)は「原発に無関心で無知だったことを反省した。子どもの世代に、原発に依存しない社会を残したい」と話した。

 集会は脱原発への政策転換を求める署名運動「さようなら原発1000万人アクション」の一環。原水爆禁止日本国民会議(原水禁)などが支え、これまでに100万人を超える署名を集めたという。

     ◇

 名古屋市中心部でも19日、「脱原発」を訴える集会とデモがあり、約2千人(主催者発表)が参加した。

脱原発を訴え、福岡市内を歩く参加者たち=19日午後2時39分、福岡亜純撮影
脱原発を訴え、福岡市内を歩く参加者たち=19日午後2時39分、福岡亜純撮影

東日本大震災後半年にあわせ、ノーベル賞作家の大江健三郎さんらが全国で呼びかける「さよなら原発1千万人アクション」の一環として、東海地方の実行委員会が同市でも企画した。参加者らは「原発さようなら」などと声を合わせ、中区の白川公園から東区の中部電力本店まで歩いた。

 インターネットで開催を知った北区の会社員田中秀之さん(47)はデモ初参加。「最初は少し怖かったが、いろいろな人が参加していて心強かった。デモだけで終わらず、考え続けたい」と話した。(畑宗太郎)

     ◇

脱原発を訴える看板やポスターを掲げたデモ行進=19日午後2時58分、名古屋市中区、高橋雄大撮影
脱原発を訴える看板やポスターを掲げたデモ行進=19日午後2時58分、名古屋市中区、高橋雄大撮影

 九州各地でも連帯の声を上げようと、集会やデモがあった。

 福岡市博多区の公園で開かれた集会には、主催者によると、労組や市民グループを中心に約千人が参加した。福島市から福岡県福津市に娘と避難している主婦宇野朗子(さえこ)さん(39)もマイクを握った。

 原発事故から半年。影響を過小評価する政府などの発表から、福島から避難できずにいる人もおり、「コミュニティーが引き裂かれている」と訴えた。さらに「除染して復興を」という掛け声のもとで「被曝(ひばく)の危険を伴う除染作業に留め置かれた住民が駆り出されようとしている」と指摘。「福島の現実を見つめ、二度と繰り返してはならないと決意しましょう」と呼びかけた。参加者は集会後、繁華街の中洲から天神を経て福岡市中央区の九州電力本社まで約2キロを「原発はいらない」などと声を上げながら歩いた。

 長崎市でも集会があり、主催者によると約600人が集まった。脱原発を願う歌を歌い、被爆者団体や労組の代表が思いを述べた。

2011年

9月

13日

福島県 「保安院長「原発事故、人災の要素」県議会全員協議会」

保安院長「原発事故、人災の要素」県議会全員協議会

県議会全員協議会で謝罪と説明をする深野原子力安全保安院長(右)
県議会全員協議会で謝罪と説明をする深野原子力安全保安院長(右)

福島民友110914】経済産業省原子力安全・保安院の深野弘行院長は13日、県議会の全員協議会(全協)に出席し、東京電力福島第1原発の事故が人災で引き起こされたのではないかとの議員の指摘に、「人間の要素を除いては(事故は)考えられない」と答弁、自然災害への認識の甘さと事故の初動の不備を認め、規制当局として役割を果たすことができなかったことを陳謝した。
 深野院長は全協後、報道陣に「人の要素と自然の要素を切り離すのは難しい」としながらも、「未然に防ぐことができたか、仮に起きた場合でも、いろいろな備えによってここまで深刻にならないで済む方法があったかをよく検証する必要がある。そのような意味で人の要素があったと思う」と述べた。
 全協では、住民避難などの前線基地の役割を担うべき大熊町のオフサイトセンターが地震被害を受け、機能不全になったことを批判する質問が相次いだ。深野院長ら保安院側は「通信状況が悪く十分対応できなかった」と釈明。緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の観測結果の県への通報が不十分だったとの指摘には、深野院長が「心が及ばなかった」と述べた。保安院幹部の県議会出席は事故後初めて。

2011年

9月

12日

宮城県 「女川原発プルサーマル意見募集 宮城県が「動員」調査」

女川原発プルサーマル意見募集 宮城県が「動員」調査

河北新報110913】東北電力女川原発3号機(宮城県女川町、石巻市)のプルサーマル計画に関して、宮城県が2009年12月~10年2月に行った意見募集で、市民団体が「『動員』があった」と指摘していることを受け、県は12日、当時の担当職員らを対象に事実関係の調査を始めたことを明らかにした。結果は公表する方針。
 県は意見募集を所管した原子力安全対策室の当時の職員から事情を聴くほか、東北電力にも調査への協力を求める方針。
 村井嘉浩知事は12日の定例記者会見で、同計画を受け入れた経緯について「意見募集の結果は参考にはしたが、最終的には地元首長と相談して判断した」と述べ、賛成の多さは必ずしも判断に影響しなかったとの認識を示した。
 意見募集には330通の応募があった。締め切り前日までは計75通で、締め切り日だけで255通が届いた。大半が推進意見だったという。「原子力発電を考える石巻市民の会」は今月5日、「意図的に賛成を表明させた疑いがある」として県に実態調査を求めていた。
 同会が県に情報公開請求して入手した資料によると、県に寄せられた意見には「動員」をうかがわせる記述が1件あったが、県が公表した意見の一覧ではこの記述が掲載されていなかった。

2011年

9月

05日

宮城県女川町 「女川プルサーマル意見募集 市民団体が県に調査を要請」

女川プルサーマル意見募集 市民団体が県に調査を要請

河北新報110906】東北電力女川原発3号機(宮城県女川町、石巻市)のプルサーマル計画に関して宮城県などが2009年12月~10年2月に行った意見募集で、意図的に賛成を表明させた疑いがあるとして、「原子力発電を考える石巻市民の会」(石巻市)などが5日、県に実態調査を要請した。同会が情報公開請求で入手した具体的な意見に「動員」を示す記述があった。

 意見募集は県が女川町、石巻市とともに実施した。動員の疑いがあるのは締め切り日の10年2月5日に県ホームページを通じて寄せられた1件。市民の会が石巻市から入手した資料によると、「『反対意見が多くて大変だから…』と動員をかけられ、『えっ今日が締め切りじゃないですか!』と慌てながらも仕事の合間を縫って『消極的賛成』と書き込むぐらい賛成です」とあった。
 氏名と居住市町村名は開示されなかった。他に全ての意見337件のうち8割近くが締め切り日に集中し、最終日の反対意見は1件だけだったことも判明したという。
 県庁で記者会見した市民の会は「最終日の反対意見の少なさも含め、動員があったとしか考えられない。徹底的に調査すべきだ」と強調した。
 県原子力安全対策室は「(市民団体から)指摘のあった意見が県に寄せられたのは事実だが、調査するかどうかは今後検討する」としている。

2011年

9月

02日

「脱原発」を堅持しよう 日本の未来のエネルギー

東京新聞110902】猛暑の夏が過ぎていく。どうやら、原発に依存しない暮らしのかたちも見えた。本当に豊かな未来のために、脱原発の方向性はこのまま堅持するべきだ。

 九月に入り、朝晩の空気はめっきり涼しくなった。

 首都圏も東北も、そして名古屋も、記録的猛暑といわれた夏を、ほぼ原発に頼らずに乗り切った。

 東京電力と東北電力管内の電力使用制限令は、九日までに前倒しで解除になる。中部電力管内では、自動車業界の土日操業効果もあって、百万キロワット、中型原発一基分の電力が節約された。

◆原発に依存しない夏

 原発なしでは、産業も暮らしも立ちゆかないという、経済産業省と電力業界挙げての強い“警告”も、どうやら杞憂(きゆう)に終わりそうな気配が強い。むしろ生活者の間には「原発なしでもいけそうだ」という自信がわいたのではないか。身の回りの電気のむだを洗い出し、電力に依存し過ぎた暮らしを見直すきっかけがつかめたのではあるまいか。LEDの普及など、省エネ型の社会基盤整備にも弾みがついたのではないか。

 脱原発路線を打ち出した菅直人首相が退陣し、新しい内閣がきょうにも発足する。

 野田佳彦新首相は「原発を新設しない」としながらも、「安全性を確認した原発を活用し、電力の安定供給を確保する」と、再稼働容認の立場を鮮明にしており、民主党代表選に出馬した五人の中で、脱原発からは最も遠いといわれている。脱原発、脱原発依存路線からの後退、あるいは揺り戻しを心配する声も高くなっている。

 菅内閣末期には「原子力ムラ」の巻き返しがささやかれ、定期検査などで停止中の原発を拙速に再稼働させようとする動きが活発になってきた。だが、菅内閣の総評はさておいて、脱原発の方向性は、福島第一原発の惨状を目にした多くの国民に、一定の評価を受けている。国民の意思と願いが込められた脱原発の金看板を、そう簡単に掛け替えるべきではない。

 事故後、間もなく半年になる。経産省原子力安全・保安院は、福島第一原発から飛散した放射性セシウム量が、広島型原爆百六十八個分に上ることを公表した。文部科学省の調査では、土壌汚染の最高濃度は一五〇〇万ベクレル以上に上る。徐々に明らかになる放射能汚染の実態は予想以上に深刻で、広範囲にわたっており、避難の長期化は避けられない。

◆発送電分離は不可避

 風評被害も後を絶たず、桃や稲作農家の悩みは深い。牛たちは野生化し、作付けのできない田畑、ふるさとの風景は荒れていく。

 損害補償の基準だけはようやくできた。賠償総額は数兆円規模に上るというが、廃炉費用を含めればゼロが一つ増えるとの見方もある。いずれにしても、東京電力が独りで担える額ではない。電気料金の値上げも含めて、そのツケは国民すべてにのしかかる。原発は高くつく。安全上も経済的にも、あまりにリスクが高すぎる。

 再稼働できたとしても、原発の新設は将来にわたって不可能だ。放射性廃棄物処分場の立地もままならない。既存の原子炉の寿命が尽きれば、原発はいずれにしても“安楽死”させる以外にない。

 その意味で、脱原発は後退ではなく進化である。

 国内の総発電量に占める原発の割合は三割弱、二、三割の節電が不可能ではないことは、この夏実証された。その上に太陽光や風力などの自然エネルギーや廃熱利用を上積みすれば、私たちは今より豊かになれる。

 自然エネルギーの全量買い取りを電力会社に義務づけた再生エネルギー特別措置法が成立し、大手がしのぎを削る太陽光以外の風力、小型水力発電分野にベンチャー企業の進出が盛んになった。技術革新も進んでいる。

 自然エネルギー市場を安定させるには、真の電力自由化が欠かせない。

 特措法には「円滑な供給の確保に支障が生ずる場合」には、買い取りを拒否できるという抜け穴が開いている。これをふさぐ必要がある。そして大手電力会社の地域独占を廃し、発電事業と送電事業を分離させ、いつ、どこからでも自然エネルギーによる電力が家庭や事業所に送り届けられる環境を整えるべきである。欧米にできて、日本にできないわけがない。

◆国家百年の計として

 電源の地域分散、電気の地産地消が可能になれば、建設にも維持管理にも巨額の費用がかかる原発は自然にいらなくなるはずだ。

 私たちの暮らしを守り、安心を取り戻し、有望な新産業の育成を図るため、新内閣には百年先を見据えた、新たなエネルギー政策を示してほしい。脱原発こそ、国家百年の計である。

2011年

9月

01日

福島県 「立ち入り制限区域 最高線量は避難基準の36倍」

立ち入り制限区域 最高線量は避難基準の36倍

読売新聞110901】政府の原子力被災者生活支援チームは1日、東京電力福島第一原子力発電所事故によって立ち入りが制限されている警戒区域、計画的避難区域の約2700地点で、空間の放射線量を計測した「広域モニタリング」の結果を初公表した。

 地面から高さ1メートルの空間で最も線量が高かったのは、第一原発から南西に約1・5キロ離れた福島県大熊町夫沢で、毎時139マイクロ・シーベルト(年間推定被曝(ひばく)線量約730ミリ・シーベルト)。住民避難の目安となっている毎時3・8マイクロ・シーベルトの約36倍に相当する値だった。

 調査は、7月4日から8月20日にかけて、警戒区域の同県双葉町、大熊町、富岡町など9市町村の1572地点と、計画的避難区域の飯舘村、南相馬市の一部など5市町村の1124地点で、公民館や病院など人が集まりやすい場所を中心に、高さ1メートルと1センチの放射線量を測った。高さ1センチで最も高かったのは、双葉町松ざくの毎時368マイクロ・シーベルトだった。

 空間線量が特に高い地域は、原発の北西方向に約32キロにわたって延びていた。文部科学省が8月30日に公表した放射性セシウムの土壌汚染の分布図と、おおむね一致している。同じ警戒区域でも、原発北側に2、3キロ離れた海岸沿いでは、毎時1マイクロ・シーベルト未満になるなど、区域内で線量の分布にばらつきが出た。

 政府は、結果を除染対策の検討などに役立てる。地図や各地点の計測データは、http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/20110901.htmlで公表している。

2011年

8月

30日

福島県 「東電が賠償の算定基準など発表 12日受け付け開始 避難費用など」

東電が賠償の算定基準など発表 12日受け付け開始 避難費用など

福島民報110831】東京電力は30日、福島第一原子力発電所の事故の賠償金支払いについて、29項目の算定基準や支払い日程などを発表した。政府指示による避難費用として交通費は1人1回5000円、宿泊費は1泊8000円を上限とするなど、今月5日に文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会がまとめた中間指針に沿って基準を示した。個人の損害は9月12日をめどに請求書用紙を発送・受け付けを開始し、10月の早い段階での支払い開始を目指す。
 賠償の対象者は16万人に上るとみられる。今回の賠償対象は事故が発生した3月11日から8月末までに確定した損害で、その後は3カ月ごとに請求を受け付ける。
 算定基準は、政府の避難指示に伴う損害の他、農林水産物などの出荷制限指示による損害、風評被害、間接被害などについて、項目や事例ごとに賠償金の算定式を提示した。
 避難指示による宿泊費上限8000円は、県内のホテルの平均宿泊料を基に算出。アパートなどを借りた場合は、実費を支払う。知人宅、実家への避難、避難所や仮設住宅での生活は対象外とする。
 避難で仕事ができなくなり収入が減ったケースは、事故前の平均収入額から現在の実収入額を引いた額に、転居費用を加えた額とする。ただし、給与明細など事故前の収入に関する書類がない場合、賃金統計資料を基に月3万円から15万円を事故前の収入額とし、支払額を算定する。
 避難対象者の精神的被害については、1人当たり月額10万円、避難所や体育館の住民は月12万円を支払う。自主避難は現段階では対象外とし、今後の紛争審査会の審議動向を見ながら判断する。
 放射性セシウムが検出された肉牛の出荷停止による被害、間接被害により勤務先の経営状態が悪化して就労できなくなった場合などは、「検討中」とするにとどめた。

■県「納得できない」

 東京電力が示した原子力損害の本補償に向けた取り組み内容について、県の鈴木正晃原子力損害対策担当理事は「原子力損害賠償紛争審査会で決定した中間指針に沿った内容になっているが、避難生活における精神的損害の面など中間指針自体に納得していないので、満足できない」との認識を示した。

2011年

8月

29日

セシウム汚染土壌マップ発表 文科省、原発百キロ圏内

セシウム137の土壌汚染地図
セシウム137の土壌汚染地図

朝日新聞110829】東京電力福島第一原発から半径100キロ圏内の土壌の汚染度を調べた初の地図を、文部科学省が29日公表した。全国の大学や専門機関が約2200カ所の土を採取し、事故から3カ月後の放射性セシウムの濃度を調べた。除染や避難区域の見直しなどの基礎資料とする。

 文科省の調査には延べ129機関、780人が協力した。80キロ圏内は2キロ四方、80~100キロ圏内は10キロ四方に1カ所の割合で、それぞれ5地点で深さ5センチの土を採取。6月14日時点の、半減期が2年のセシウム134と、30年の137の値を出した。

 汚染度が高い地域は、原発から北西方向の半径40キロ圏内に集中していた。最も高い大熊町の1地点では、セシウムの合計値は1平方メートルあたり約3千万ベクレルに上った。

 チェルノブイリ原発事故では、55万5千ベクレルを超えた地域は「強制移住」の対象となった。今回の調査では、この値を超えた場所は約8%に上った。多くは警戒区域や計画的避難区域などに指定されている地域だが、福島市や本宮市、郡山市などの一部でも超えていた。

 チェルノブイリでは、汚染地図が完成したのは事故3年後だった。

 一方、農林水産省は29日、福島、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の6県の579地点を調査した農地の汚染地図をまとめた。このうち、福島県内の40地点で、イネの作付け禁止の基準を超える汚染が確認された。基準を超えて汚染された農地の面積は、推計で8300ヘクタールにのぼるとした。また、福島県は同日、警戒区域内の水田の放射線量を初めて調査した結果を発表。警戒区域、計画的避難区域などの計89地点のうち20地点でイネの作付け基準を超えた。

2011年

8月

24日

福島県 「福島第1原発事故 警戒区域「国が除染」 政府、緊急基本方針に明記」

福島第1原発事故 警戒区域「国が除染」 政府、緊急基本指針に明記

毎日新聞110824】東京電力福島第1原発事故で飛散した放射性物質の除去に向け、政府が策定を進めている「除染に関する緊急実施基本方針」の原案が23日、明らかになった。原発から半径20キロ圏内で立ち入りが禁止されている「警戒区域」は「国が除染を実施する」と明記。暫定目標として、年間被ばく線量が20ミリシーベルト以上の地域を「段階的かつ迅速に縮小することを目指す」とした。除染による空間線量の削減幅を数値目標として掲げることも検討中だ。26日の原子力災害対策本部(本部長・菅直人首相)で決定する。

 基本方針では「国は責任をもって除染を推進する」と明記。除染の実施主体は汚染レベルに応じて分ける。

 「計画的避難区域」では「国が主体的に除染を実施する」とし、年間線量が20ミリシーベルトを大幅に超える区域では、国がモデル事業を行い「効率的・効果的な除染技術や作業員の安全確保の方策を確立する」とした。

 一方、1~20ミリシーベルトの地域では「コミュニティー単位での計画的な除染が最も効果的」とし、1ミリシーベルト以下の地域は住民が行うとした。国は、市町村や住民が安全に除染できる環境整備のため、財政支援や除染・測定機器の整備、人材育成、専門家派遣などの支援を行うとしている。

 除染で生じる汚染土壌・がれき処理も国が責任を持つとし、長期的に管理する処分場建設のための工程表を早急に作成する。ただ、当面は福島県内の市町村やコミュニティーごとに仮置き場を設けるとした。

2011年

8月

21日

北海道札幌市 「「脱原発を」福島の親子らが訴え」

「脱原発を」福島の親子らが訴え

脱原発を訴えるデモ参加者=札幌市中央区で2011年8月21日午後2時過ぎ、伊藤直孝撮影
脱原発を訴えるデモ参加者=札幌市中央区で2011年8月21日午後2時過ぎ、伊藤直孝撮影

毎日新聞110821】北海道電力泊原発3号機(泊村)の営業運転再開に抗議するデモが21日、札幌市中央区で行われ、福島県から市民団体に招待され道内に滞在していた親子ら約50人も参加した。「原発はいらない」などと訴え市中心部を練り歩いた。

 デモは道労連と札幌市の市民団体「SHUT泊」の呼びかけで実施された。約300人の参加者は横断幕などを手に、高橋はるみ知事が17日に泊3号機の営業運転再開に同意したことについて「道民は承知していない」などと訴えた。

 福島県の約50人はこの日、北海道を離れた。子供3人と7月末から滞在した福島市の保険外交員、斎藤夕香さん(39)は「福島ではもう放射能や原発のことを『考えたくない』と言って話題にしない人も多い。同じ悲劇を繰り返さないために、あきらめず脱原発を進めてほしい」と語気を強めた。

 同県川俣町から家族5人で訪れていた会社員、佐々木智美さん(27)は道内滞在中に子供から「この花に触ってもいいの?」と聞かれたことが忘れられない。「すんなり営業運転が再開してがっかりした。北海道は人が優しく自然も素晴らしい。福島のようになってほしくない」と話した。

2011年

8月

21日

福島県 「高線量地域の国有化検討 「警戒区域」長期化も 福島原発」

高線量地域の国有化検討 「警戒区域」長期化も 福島原発

河北新報110822】政府は21日、東京電力福島第1原発事故で設定した半径20キロ圏の警戒区域について、放射線量が極めて高い一部地域は、原子炉の冷温停止状態を目指す工程表「ステップ2」が完了した後でも解除検討の対象としない方針を固めた。長期化が避けられない場合を見越し、これらの地域について、土地の買い取りによる国有化も視野に対応を検討する。
 菅直人首相は27日にも現地入りし、今後の見通しや避難生活が長期化する住民への支援策をめぐり、地元自治体に直接説明したい考え。首相の現地入りは後継を選ぶ民主党代表選の日程や地元自治体の意向を踏まえて調整を進めている。
 解除を見送る具体的な地域は、今後の放射線モニタリングなどの結果を見極めて決める。
 政府は、来年1月までを期限とするステップ2により、放射性物質の放出が厳しく管理された段階で警戒区域の解除検討を始めるとしていた。
 しかし、19日に文部科学省が公表した警戒区域内50地点の震災発生から1年間の積算被ばく線量(屋外で8時間、屋内で16時間過ごしたと仮定)の推計値は、原発のある福島県大熊町内などで極めて高い数値だった。
 最も高いのは第1原発の西南西3キロの大熊町小入野で508ミリシーベルトと、緊急時でも20~100ミリシーベルトを超えないよう求めた国際放射線防護委員会勧告の上限の5倍に達した。また大熊町夫沢で393ミリシーベルト、同町熊川と浪江町川房で200ミリシーベルト超。50地点のうち、15地点で100ミリシーベルトを超えた。
 こうしたことから、政府は警戒区域見直しを進める場合も、一部地域は対象外とせざるを得ないと判断した。
 警戒区域のほか、20キロ圏外に「計画的避難区域」と「緊急時避難準備区域」を設定。緊急時避難準備区域は9月上旬にも解除の見通しとなっているほか、警戒区域のうち双葉町と大熊町にある3キロ圏内について、それぞれ8月26日と9月1日に初の一時帰宅を実施する方針を示している。

2011年

8月

21日

宮城県丸森町 「通学路を住民が除染 丸森・筆甫 放射線量、数値半減」

通学路を住民が除染 丸森・筆甫 放射線量、数値半減

通学路にたまった汚泥などを取り除く住民
通学路にたまった汚泥などを取り除く住民

河北新報110822】宮城県丸森町筆甫の住民自治組織「筆甫地区振興連絡協議会」は21日、比較的高い空間放射線量を示している筆甫小の通学路で除染作業を行った。
 協議会の呼び掛けで、住民約20人が作業に参加した。児童の通学路になっている県道約700メートルで、側溝や歩道の隅にたまった汚泥や土砂、雑草をスコップで除去。消防用のホースを使って放水し、デッキブラシで路面を磨いた。
 地区内137地点の空間放射線量を調べたマップを作るなど、協議会は独自に放射線対策に取り組んでいる。マップ作製の際に測定したところ、毎時1マイクロシーベルト前後を示した場所があったため、通学路の除染を決めた。
 作業は放射線量を測定しながら行われ、除染後には数値が半分程度まで下がった。取り除いた汚泥は袋詰めにして、協議会が管理する地区内の広場に保管する。
 協議会の吉沢武志事務局長は「線量計を汚泥に近づけると、8マイクロシーベルトの高い数値を観測したケースもあった。子どもは地面に座るなど、通学路をスムーズに歩くとは限らないので対策が必要」と話している。

2011年

8月

09日

福島県 「福島第1原発事故 避難準備区域解除へ 帰宅できる日いつ」

福島第1原発事故 避難準備区域解除へ 帰宅できる日いつ

毎日新聞110810

◇除染など具体策まだ 

 東京電力福島第1原発から半径20~30キロ圏の「緊急時避難準備区域」の指定が9月にも解除されることが9日決まった。だが、除染やインフラ整備の状況には地域差があり、政府の原子力災害対策本部も「住民帰還の時期は市町村ごとに大きく異なる」と認める。住民からは「我が家にはいつ帰れるのか」「安全は確保されるのか」といった声が上がり、安心して戻るための課題は山積している。

 「子供の健康に本当に影響がないのか。戻れるなら戻りたいが、安心できる材料がほしい」。福島県広野町から同県石川町に一家で避難した自営業、渡辺政則さん(46)の不安は消えない。広野町にとどまる母ユワさん(74)も「学校や通学路の除染を進めないと、『戻ってこい』とは言えない」と話した。

 独自の除染計画を策定し、8、9月を除染強化月間に設定した南相馬市は、今週から学校や博物館などの公共施設の本格的な除染を開始し、校庭の表土を削ったり、高圧洗浄機を使って校舎の壁を水で洗浄するなどしている。中学3年の長女を福島市に避難させている会社役員の男性(50)は「学校の除染は始まったばかり。高校受験も控えており、すぐに戻ってこさせられない」とため息をつく。

 医療にも課題がある。南相馬市立総合病院では震災前に12人いた医師が5人に減った。住民の帰還には医療サービスの充実が必要だが、市の担当者は「医者の数を震災前に戻すのは相当難しい。国が何らかの手だてをしてほしい」と訴える。

 広野町の山田基星町長は「除染の方法など国の具体的な支援の中身が出てきて、安全や安心が確保できないと、町民に『帰宅できますよ』とは言えない。解除されることで支援や補償がおろそかになっても困る」と国に注文した。一方、原発の半径3キロ圏内の住民の一時帰宅も認められ、今月中の開始を目指すことになった。

 原発から2キロ弱の大熊町に自宅がある多田登喜子さん(75)は「お盆には間に合わないけど位牌(いはい)を持ってきたい。孫もアルバムを見たがっている」と一時帰宅を待ち望む。その一方で「放射線に汚染されて持ち出しができないものもあるかも」と不安ものぞかせる。

 体調を崩して入院中の木幡昭重さん(73)は「家だけでなく、お墓に寄ることも認めてほしい。少しの時間でもよいから手を合わせたい」と話した。

2011年

8月

04日

千葉県多古町 「多古町で予備調査 生産者に期待と不安 千葉県産米放射性物質検査スタート」

多古町で予備調査 生産者に期待と不安 千葉県産米放射性物質検査スタート

調査対象となった水田で稲を刈る関係者=4日午後、多古町南玉造
調査対象となった水田で稲を刈る関係者=4日午後、多古町南玉造

千葉日報110805】福島第1原発事故を受け、収穫時期を迎える千葉県産米の放射性物質検査が4日、多古町で始まった。この日の調査は予備調査で、県は収穫後の本調査と合わせ県内326地点を今月中に検査する予定。本調査で国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超す放射性セシウムが検出されれば、市町村単位で出荷制限される。検査結果は早い地点で来週にも公表される。結果を待つコメ農家からは「せっかく育てたコメに放射性物質が入っていてほしくない」「きちんと調べて消費者を納得させたい」と不安と期待の声が上がった。

 検査は、空間放射線量が毎時0・15マイクロシーベルトを超す県内17市町で収穫の約1週間前に行う予備調査と、水田がない浦安市を除く53市町村で収穫後に行う本調査を合わせて計326地点で実施。最終的に本調査の結果で出荷の可否を判断する。各市町村ごとに本調査の対象となるすべての地点の結果が判明するまで出荷ができない。県安全農業推進課は「月内にも全地点の検査を完了させ、出荷に遅れが出ないようにしたい」としている。

2011年

8月

04日

福島県南相馬市 「南相馬72世帯、川内は初1世帯 避難勧奨地点に追加」

南相馬72世帯、川内は初1世帯 避難勧奨地点に追加

福島民報110804】東京電力福島第一原発事故で、政府の原子力災害現地対策本部は3日、局地的に放射線量が高く、住民に自主的な避難を促す特定避難勧奨地点に、新たに南相馬市の65地点(72世帯)と川内村の1地点(1世帯)を指定した。南相馬市は7月21日に57地点(59世帯)が指定されている。川内村の指定は初めて。

 南相馬市と川内村の指定区域は【地図】の通り。南相馬市は鹿島区橲原(じさばら)の1地点(2世帯)、原町区大谷の3地点(3世帯)、大原の18地点(19世帯)、高倉の9地点(11世帯)、押釜の3地点(3世帯)、片倉の2地点(2世帯)、馬場の29地点(32世帯)。川内村は下川内字三ツ石・勝追の1地点(1世帯)。現地対策本部が7月に実施した調査結果を踏まえ、県、南相馬市、川内村と協議して決めた。
 今回の南相馬市の指定に当たっては、放射線量が毎時3・1マイクロシーベルト以上の場合、原発事故から1年間の積算線量が20ミリシーベルトを超えると推定。662地点を調べた結果、年間20ミリシーベルトを超える地点はなかったが、高校生以下の子どもや妊婦がいる世帯を指定した。先月21日に指定された橲原、大谷、大原、高倉の地点が追加され、新たに押釜、片倉、馬場の地点が指定された。

川内村は既に全村避難しているため、指定の対象世帯に住民は住んでいないが、注意喚起のため指定した。
 両市村73世帯のうち68世帯は緊急時避難準備区域内となっている。
 川内村は既に対象世帯に知らせている。南相馬市は通知の準備を進めている。避難勧奨に応じると診療費の一部免除や国民年金保険料の減免などの支援が受けられる。
 県内の避難勧奨地点は伊達市の104地点(113世帯)、南相馬市の122地点(131地点)、川内村の1地点(1世帯)を合わせて227地点(245世帯)となった。
   ◇  ◇    現地対策本部と南相馬市は7日から13日まで指定に関する説明会を開く。7日は南相馬市鹿島区の鹿島中体育館、8、9の両日と13日は南相馬市原町区の石神二小体育館でいずれも午後6時半から開く。


■対応遅いと不満南相馬市民

 南相馬市の住民からは「もっと早く指定してほしかった」と政府の対応の遅さを指摘する声が上がった。
 庭先の地上1メートル毎時2・2マイクロシーベルト、50センチ毎時2・4マイクロシーベルト。南相馬市原町区の馬場地区の主婦(36)は先月18日に自宅で計測された放射線量の結果通知を見詰めた。「指定を受けられるかもしれない。でも、もっと対応が早かったらこんなにつらくはなかった…」
 南相馬市原町区押釜の主婦(36)の家族は原発事故後、福島市に避難した。夫は同市の医療施設に就職し、中学生の長男(14)、長女(13)と小学生の次男(9つ)は同市の学校に転校した。新しい生活を始めた矢先、環境に慣れず長女が不登校になった。先月初旬、家族全員で自宅に戻った。来月から市内で放射線量が低い地域にある住宅に引っ越す。「子どもが第一。指定を受ければ、少しは生活が楽になるかも」と話した。
 川内村の一世帯は、いわき市川前町に隣接する同村下川内字三ツ石にある。村によると、同世帯の家族3人は原発事故後、新潟県に避難しているという。


■「丁寧に対応したい」と南相馬市長

 南相馬市の桜井勝延市長は「子どもや妊婦のいる世帯の状況が配慮された。今後、住民の意向を確認しながら、避難の支援や除染を進めるなどして、住民が不安を抱かないように丁寧な対応をしていきたい」と語った。
 川内村の遠藤雄幸村長は「放射線量が高い場所が存在することが確認できた。緊急時避難準備区域の解除に向けた一つのステップと考えている」と話した。

2011年

8月

03日

福島県福島市 「大波、最大3.0マイクロシーベルト 県都で避難勧奨地点検討も」

大波、最大3.0マイクロシーベルト 県都で避難勧奨地点検討も

福島民報110803】政府の原子力災害現地対策本部と県災害対策本部は3日、福島市東部の大波地区の370地点で放射線量を調べた結果、最大で毎時3・0マイクロシーベルト(地上50センチ)だったと発表した。
 放射線量が局地的に高いホットスポットの特定避難勧奨地点指定に向けた調査の一環。大波地区は福島市中心部から東に5キロほどの山あいの地域。避難勧奨の対象となった伊達市の小国地区に隣接している。今回の結果で県庁所在地の福島市でも勧奨地点の指定が検討される可能性が出てきた。
 調査は7月23~28日に県職員と日本原子力研究開発機構(JAEA)の職員計18人が9班に分かれ実施した。大波地区の民家の庭と玄関のそれぞれ地上1メートルと50センチで測定した。地点の中で毎時3・0マイクロシーベルトと最も高かったのが「城前・水戸内向」の1地点の地上50センチ。次いで「岩崎・冷田山・四条内」の1地点の地上50センチと1メートル、「入笠石・笠石」の1地点の地上50センチ。最も低かったのが「舘・水戸内」の1地点の地上50センチで毎時0・23マイクロシーベルトだった。
 原子力災害現地対策本部は「今後の対応については福島市と協議していきたい」としている。
 瀬戸孝則市長は「今回の調査で極端に線量の高い地点はなかったが、一部に高い地域もあると認識している。早急に結果を精査して国・県と協議し、住民の不安が払拭(ふっしょく)できるよう適切な対策を講じていきたい」とコメントした。

2011年

8月

02日

岩手県花巻市 「新エネ社会構築を 花巻で環境学習講演会」

新エネ社会構築を 花巻で環境学習講演会

【写真】環境学習講演会で新たなエネルギー社会構築の必要性を訴える河田さん
【写真】環境学習講演会で新たなエネルギー社会構築の必要性を訴える河田さん

岩手日日110803】NPO法人チェルノブイリ救援・中部理事の河田昌東さんを講師に迎えた環境学習講演会は2日、花巻市東和町の東和総合福祉センターで開かれた。河田さんは「福島原発事故で放射能と共に生きざるを得ない世界に突入した。的確な汚染除去を進め、新たなエネルギー社会を構築すべきだ」とライフスタイルの抜本的な見直しを提起した。

 河田さんは1940年秋田県生まれ。63年東京教育大(現筑波大)理学部卒。90年からチェルノブイリ原発事故の被災者救援に取り組み、2006年からは菜の花で汚染土壌の放射性物質を吸収する地域再生プロジェクトに取り組んでいる。

 河田さんはこうした活動を踏まえ、チェルノブイリと福島の原発事故とを比較しながら「チェルノブイリの3分の1ぐらいの放射性物質が飛び出たのではないか。当時は北西の風でほとんどが太平洋に移動した。もし南風であれば東北全域が汚染された」と分析。

 広島や長崎の原子爆弾による外部被ばくとチェルノブイリでの内部被ばくの違いを解説し「ウクライナではがんや白血病は一部で、心臓病や脳血管病、糖尿病など内分泌病と免疫力低下による感染症が多い。現在の外部被ばくを踏まえた食品暫定基準では国民を守れない」と、内部被ばくを踏まえた基準の制定を求めた。

 さらに「われわれのチェルノブイリでの取り組みで、ナタネやアマランサスが放射性物質を吸収することが分かっている。土壌汚染除去には30~40年かかるが、汚染状況に応じて的確に取り組むべき」と今後の対応を語った。

 昼夜2回の講演会には合わせて250人が来場。昼の部では子育て中の母親も多く詰め掛け、熱心に聴講していた。

2011年

8月

02日

山形県 「山形県、がれき受け入れへ 線量に独自基準設定」

山形県、がれき受け入れへ 線量に独自基準設定

河北新報110803】東日本大震災で被災した岩手、宮城両県のがれきを受け入れる方針を決めた山形県が、持ち込まれるがれきの放射線量に独自の基準値を設けることが2日分かった。両県のがれきが放射性物質で汚染されているかどうかは不明だが、汚染を心配する住民心理ががれき移動の障害の一因になっているとされており、不安を解消する狙いがある。国の指針が定まらない中、がれきの放射線量の基準値を自治体が設定するのは、全国で初めて。
 山形県は木くずを岩手、宮城から、不燃物や家電を宮城から受け入れる方針。リサイクル、埋め立てなどがれきの種類に応じた処理方法を踏まえ、具体的な基準値を設定する。11日に説明会を開き、市町村や処理業者に数値を示す見通し。
 国は福島県のがれきに関し、放射性物質による汚染の可能性があるとして、県外への持ち出しを禁じている。一方、他県のがれきの持ち出しは制限していない。山形県内では村山市が既にがれきを受け入れており、一部の住民が放射性物質の影響を不安視している。
 福島県のがれきは同県内で処理され、放射性セシウムが1キログラム当たり8000ベクレル以下の焼却灰や不燃物は、埋め立て可能とされている。山形県はこうした国の方針を参考に、基準値を定めるとみられる。県は「前例がないだけに、住民に納得してもらうには、厳しめの基準にせざるを得ないだろう」と話す。
 酒田港リサイクル産業センター(酒田市)は、気仙沼市から酒田港に木くずを受け入れ、秋田県などでリサイクルする計画を策定中。担当者は「県の方針が決まれば、われわれ業者も動きだせる」と注目する。
 7月初めから、気仙沼市の木くずを1日約30トン受け入れている村山市の「やまがたグリーンパワー」によると、木くずの放射線量は1時間当たり0.07~0.15マイクロシーベルトという。同社の鈴木誠社長は「山形で集めた木材とほとんど変わらない。県が定める基準内に収まると思う」と予想する。
 環境省は「がれきは処理方法が自治体ごとに異なるので全国一律の基準が設けられないが、自治体が独自に基準値を定め、それを国が評価するなら可能」と話している。

2011年

8月

01日

福島第一 毎時一万ミリシーベルト超 検出

自衛隊ヘリから撮影した福島第一原発。右下の排気筒付近(矢印)で毎時1万ミリシーベルト以上の高線量を測定した=4月26日(防衛省提供)
自衛隊ヘリから撮影した福島第一原発。右下の排気筒付近(矢印)で毎時1万ミリシーベルト以上の高線量を測定した=4月26日(防衛省提供)

東京新聞110802】東京電力は一日、福島第一原発で、毎時一万ミリシーベルトの放射線を発する地点が見つかったと発表した。検出されたのは、1、2号機の原子炉建屋の間にある主排気筒につながる非常用の配管の表面で、これまでに同原発内で検出された中で最高の線量。七〇〇〇ミリシーベルトを全身に浴びると100%死亡する。東電は、事故発生直後の三月十二日に行った1号機の格納容器から排気(ベント)した際、放射性物質が付着した可能性が高いとみている。

 東電は七月三十一日に排気筒周りのがれきの撤去を終え、放射線量がどれほど下がったかを確認するため、1、2号機の間にある配管の根元をガンマカメラと呼ばれる特殊なカメラで撮影。

 高い線量が確認されたため、東電の社員三人が一日午後二時半、現場から三メートルほど離れた場所から、棒の先に線量計を取り付けて測った。

 この線量計の測定上限は一万ミリシーベルトで、振り切れたため正確な数値は分からない。放射線量が一万ミリシーベルトを超えている可能性もある。作業員の被ばくは最高で四ミリシーベルトだった。

 東電は現場を鉄板で囲い、目印を置き立ち入り禁止にした。現時点で、排気筒からの放射性物質の漏れは確認されていないという。

 現場付近では、収束作業は予定されておらず、1号機を覆うカバーの設置も遠隔操作のクレーンで行うため、工程表への影響はないとみている。

 福島第一原発内では、これまでに検出された放射線量の最大値は毎時四〇〇〇ミリシーベルト。六月四日に1号機原子炉建屋一階の南東部で検出されていた。

◆揮発し内側付着か

 京都大原子炉実験所の山本俊弘准教授(原子炉物理)の話 揮発したセシウムなどの放射性物質が水蒸気などと一緒に排気筒を通るとき、筒に触れて冷やされると固体に戻り、内側にくっついたことが考えられる。その後の雨や水蒸気などで、筒内に付着していた放射性物質が流れ落ち、排気筒の根元にたまっている可能性があるのではないか。

◆作業員被ばく注意

 山口彰大阪大教授(原子炉安全工学)の話 ステップ1や2の工程に直接的に影響は及ぼさないだろうが、作業員の被ばくが増えないよう気を付けなければならない。こういった線量の高い場所が排気筒のほかにもあると考えられる。よりきめ細かなモニタリングが必要だ。

2011年

7月

31日

福島県 「脱原発を世界にアピール 福島で初の原水禁大会」

脱原発世界にアピール 世界で初の原水禁大会

「脱原発」を訴え、中心部を練り歩くデモ行進の参加者=31日、福島市内
「脱原発」を訴え、中心部を練り歩くデモ行進の参加者=31日、福島市内

河北新報110801】「脱原発」をテーマにした原水爆禁止世界大会が31日、福島市のホテルで開かれた。大会は例年、広島、長崎両市で原爆の日に合わせて開かれてきたが、福島第1原発事故を受け、福島市で初めて開催された。
 原水爆禁止日本国民会議(原水禁)などの主催。国内外から約850人が参加し、「豊かな自然と健やかな命を守るためにフクシマから声を上げよう」とするアピールを採択した。
 原水禁の川野浩一議長は「この66年間の活動で核兵器は廃絶への道を歩んできたが、福島で原発事故を招いてしまった。しかし、この事故を最後にしよう。『ノーモア・フクシマ』と叫ぼう」と呼び掛けた。
 長崎県平和運動センター被ばく者連絡協議会の奥村英二事務局長、ビキニ水爆実験で被ばくした「第五福竜丸」の元乗組員大石又七さん(77)、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故で被災したアントン・ブドビチェンコさん(34)が、それぞれの体験を発表。「再びヒバクシャをつくるな」とメッセージを発信した。
 大会に先立ち、福島県平和フォーラムは「原発のない福島を求める県民集会」を市中心部で開いた。子どもを県外に避難させている郡山市の女性会社員(49)らが、事故の早期収束などを訴えた。
 約1700人の参加者は「福島に原発はいらない」「すべての被害を補償しろ」とシュプレヒコールを上げながら、街頭をデモ行進した。伊達市の幼稚園教諭伊藤美恵子さん(53)は「子どもを守りたいという一心で、デモに初めて参加した。福島で大会が始まった意義は大きい」と語った。
 大会は8月6日の広島、9日の長崎の原爆の日に合わせて両市に移り、11日には沖縄で集会が開かれる。

2011年

7月

29日

千葉県 「原発事故風評被害 3次請求は15億円 29日、東電へ請求へ 県内JA」

原発事故風評被害 3次請求は15億円 29日、東電へ請求へ 県内JA

千葉日報110722】福島第1原発事故を受け、千葉県内のJAグループなど20団体でつくる原発事故農畜産物損害賠償対策千葉県協議会は21日、東京電力への第3次賠償請求分として、新たに3~5月末の風評被害による損害額約15億円を算定した。29日に東電に請求する。

 第3次請求では、これまで未請求だったJAを含む県内ほぼ全域の18JAが請求元となった。4601人分、約64品目の野菜の価格下落による損害額を算定した。各JAの未確定分や、使用自粛要請を受けていた牧草などについては、8月末に請求する方針。

 同協議会は先月までに、第1次、2次請求として、野菜の出荷制限・自粛と風評被害による損害額計約18億5千万円を請求している。このうち東電から仮払いされたのは、シュンギクなどの出荷制限を受けた旭市、香取市、多古町の農家に対する1億1800万円のみで、同協議会は引き続き早期の全額支払いを求めている。

2011年

7月

26日

基準値越え牛肉買い上げ 費用は東電負担

閣議に臨む鹿野農相(左)と菅首相=26日午前、国会
閣議に臨む鹿野農相(左)と菅首相=26日午前、国会

産経新聞110726】放射性セシウムで汚染された稲わらを食べた牛の肉が流通した問題で、農林水産省は26日、国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を超えたものを食肉流通団体が買い上げ焼却処分するなどの対応策を発表した。費用は、流通団体が東京電力に損害賠償請求する。

 同省は当初、国負担で買い上げる方針だったが農水産物などと同様、最終的に東電が賠償する形にした。ただ、汚染牛肉が流通したことを重視、買い上げで早急に市場から汚染牛肉をなくし消費者の信頼回復を狙う。

 買い上げ対象は基準値を超えた牛肉のうち、25日までに市場への流通が判明した23頭に加え、今後回収されるもの。流通を免れたものは対象外となる。汚染された稲わらを食べても基準値を下回ったものは冷凍保管して販売の機会を待ち、売れ残りは処分して東電に代金を請求する。

 食肉流通団体は、全国農業協同組合連合会などを想定。保管経費なども流通団体が補填(ほてん)し、流通団体が金融機関から融資を受ける際は、農水省の独立行政法人が利子を補給する。農水省は費用を最大20億円と試算している。

 また、出荷制限を受けるなどした畜産農家の資金繰り支援のため、1頭当たり5万円を食肉流通団体から立て替え払いし、東電に請求することも決めた。

 一方、細川律夫厚生労働相は26日の閣議後の会見で、「検査機器(の不足)やマンパワーの問題がある。物理的にすべての牛の検査をするのは不可能」と指摘しており、買い取りに不可欠な検査態勢の弱さに課題も残る。 

2011年

7月

25日

千葉県 「放射線量、千葉県が無料で検査 成績書発行し安全証明 県内企業の工業製品」

放射線量、千葉県が無料で検査 成績書発行し安全安全証明 県内企業の工業製品

千葉日報110725】福島第1原発事故の影響で、国内工業製品の輸出先の諸外国から製品の放射線量測定を求められるケースが相次いでいることを受け、千葉県は25日から、工業製品の放射線量検査を無料で行う。県内企業が対象で、本年12月28日まで実施する。工業製品については国の明確な基準はないが、県が検査結果成績書を発行することで検査を受けた製品であることを証明し、企業の安全対策を後押しする。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、原発事故を受け、米国やヨーロッパ諸国、中国、シンガポールなど14の国・地域が日本からの輸入品の放射線量検査などを実施。毎時0・2マイクロシーベルトを超える放射性物質が検出された場合は返品措置をとる国や検査に関する証明書を求める国もある。

 県産業振興課が震災後に実施した県内企業への調査では、工業製品については国単位で明確な基準がなく、輸出国に到着した船が製品を受け取ってもらえずに引き返したケースや、着岸を拒まれた事例もあったという。

 こうした県内企業の輸出を支援するため、県は5月補正予算に関連事業費600万円を計上。県産業支援技術研究所が放射線量を測定するサーベイメーターで検査する。

 問い合わせは県産業支援技術研究所プロジェクト推進室、電話043(231)4326。

2011年

7月

25日

福島県 「生活圏の線量測定「避難準備地域」解除・縮小へ」

生活圏の線量測定「避難準備地域」解除・縮小へ

福島民友110726】政府の原子力災害現地対策本部は25日、東京電力福島第1原発から20~30キロ圏の「緊急時避難準備区域」の解除・縮小の検討に向けた空間放射線量測定計画を発表した。計画では地元自治体の要望に沿って生活圏の学校や病院などを中心に詳細な測定を実施、8月上旬に測定結果を記した線量分布マップを作成し、必要に応じて除染など解除に向けた準備を進めるほか、同月中にも地元自治体と解除・縮小について調整に入る方針。
 計画によると、区域内にある学校などの公共施設や病院など計72カ所について、敷地内の0.5メートルと1メートルの高さでの空間線量を測定する。公共施設が配置された生活圏では、自動車を走行させながらの測定を実施する。中山間地域やハイキングコースなどの里山地域では無人ヘリコプターを使用、川内村と広野町の数カ所を試行的に測る予定。

2011年

7月

24日

福島県福島市 「官民一体で「地域所染」 不安解消へ“まず行動”」

官民一体で「地域除染」 不安解消へ“まず行動”

側溝の泥を取り除いたり雑草を取ったほか、通学路の洗浄などに汗を流した渡利地区の除染作業
側溝の泥を取り除いたり雑草を取ったほか、通学路の洗浄などに汗を流した渡利地区の除染作業

福島民友110725】福島市は24日、周辺地域と比べて放射線量が高い同市渡利地区で住民と行政が一体となって取り組む実験的除染をスタートさせた。27日まで行い地区全域を除染する。主な除染箇所は側溝、通学路、宅地。除染の効果だけでなく、行政がどこまで主導し、住民はどのような取り組みが可能か役割分担を探るのが狙い。この日の除染作業の参加者は官民合わせて3800人。地区の参加希望者は町会単位で募ったが、放射線量に対する不安感や「できることから始めるしかない」との意識を反映するかのように3400に上る住民が早朝、結集した。
 同地区は市が先月行った全市一斉の放射線量測定で、最大毎時3.83マイクロシーベルトを測定。8月上旬ごろに策定する市除染計画の参考にするため、除染の優先順位が高い同地区をモデルに実施した。住民たちは早朝から集まり、各町内会に分かれて作業。自粛が続いていた側溝の土砂上げや草刈り、歩道の掃き掃除を行った。
 熱心に除草していた主婦(73)は、「ここは子どもたちが毎日学校に通う道。これで安心とは言えないが、少しでも低くなれば渡利に住んでいられる」と話す。
 この日は、地区内の小学校2校の通学路のうち、放射線量が比較的高く、児童の利用頻度が高い通学路計約1.5キロを市と業者が、回転ブラシが付いた路面清掃車やブラシで洗浄した。

2011年

7月

23日

宮城県 「宮城でも住民健康調査へ 原発相、丸森町を視察し言及」

宮城でも住民健康調査へ 原発相、丸森町を視察し言及

河北新報110724】細野豪志原発事故担当相は23日、視察先の宮城県丸森町で、福島第1原発事故を受けた住民の健康調査について「福島県の内外で政策が変わることがないようにしたい」と述べ、宮城県での実施も検討する方針を示した。
 宮城県は近く国に対し、県南地域の住民らを対象にした健康調査の実施を要望することにしている。細野氏は「福島は態勢を構築できたと思うが、宮城も原発からの距離は近く、不安を訴える人は多い。対応できるところは対応する」と記者団に語った。調査の具体的な対象地域や時期には言及しなかった。
 視察では福島県に隣接する丸森町の最南端にある筆甫地区を訪れた。町内で比較的高い放射線量が測定されていた町筆甫小では、町が東北大と協力して7月上旬に実施した表土除染の状況を保科郷雄町長が説明した。
 町は除染への財政支援などを要望。細野氏は「独自に町が除染に踏み切らなければならなかった事情は理解できる。補助基準などの問題を整理、確認した上で、国として必要なサポートを行いたい」と話した。
 筆甫地区ではほかに、牧草から基準値を超える放射性セシウムが検出され、使用の自粛要請が続いている畜産農家の状況や、南相馬市から住民約30人が身を寄せている避難所も視察した。細野氏の宮城県入りは6月の就任後初めて。この後、相馬市玉野地区も訪れた。

2011年

7月

20日

宮城県 「原子力の信頼回復に全力 東北電力・海輪誠社長に聞く」

原子力の信頼回復に全力 東北電力・海輪誠社長に聞く

「原発の信頼回復に努めたい」と語る海輪社長
「原発の信頼回復に努めたい」と語る海輪社長

河北新報110721】東北電力の海輪誠社長は20日、河北新報社のインタビューに対し、東京電力福島第1原発事故によって失われた原子力発電への信頼回復に全力を挙げる考えを強調した。原子力を引き続き重要なエネルギーとして位置付け、脱原発を求める声の広がりに対しては「代替エネルギーや、原発立地地域の将来像の議論を抜きにした理想論ではいけない」と語った。
 ―経営環境は東日本大震災後に一変した。
 「『復興』がこれからの経営のキーワード。電力会社として、まずは(夏場の)電力需給ギャップの解消に努める。原発の信頼回復にも取り組むとともに、経営の安定化を図りたい」
 ―原発の信頼をどう回復させるか。
 「当社の女川原発(宮城県女川町、石巻市)と東通原発(青森県東通村)は震災後も(全基が)安全に停止している。原発のデータや安全対策の情報を公開することが重要。地元の方々に理解してもらうため、地道に説明するしかない」
 ―政府は原発の新たな安全評価方法としてストレステスト(耐性評価)導入の方針を示した。
 「(震災後の国の指示に基づく)緊急安全対策や過酷事故対策を実施することが、安全性を担保する条件と思っている。ただ、地域の人々がより安心感を得られるためにも(ストレステストに)適切に対処したい」
 ―女川、東通両原発の再稼働の見通しは。
 「東通原発1号機は震災の設備被害もほとんどなく、定期検査中で、起動するための準備を整えている。青森県が設置した(専門家による)検証委で安全対策への評価を得られていると、ある程度の感触は得ている。ストレステストの結果も適切に地元に説明していきたい」
 「女川原発は(震災の揺れが)設定した基準地震動を超えた部分があり、地震動を評価している。ストレステストにも時間が掛かり、(再稼働は)年内は難しいだろう」
 ―菅直人首相が私見として脱原発を表明した。
 「政府方針とは受け止めていない。ただ野党も含め原発を縮小し、代わりに自然エネルギーを増やすという議論の流れが基本線としてある」
 「いつまでに実施するのか、代替エネルギーをどうするかなどの具体的議論がないのは問題だ。代替の中心となる化石燃料は二酸化炭素排出の問題もある。東北の原発立地地域の将来をどうするかの議論も必要だ。経済や国民への影響を考えた議論をしてほしい」
 ―九州電力で原発再稼働をめぐる世論工作があった。
 「(同様事例の有無を調査するよう電力各社に)国から指示があり、当社でも現在調べている。現状では九州電力のような問題はないと思っている」

2011年

7月

18日

福島県伊達市 「避難期限など質問相次ぐ 伊達市で説明会」

避難期限など質問相次ぐ 伊達市で説明会

避難先の住居などについて相談する住民
避難先の住居などについて相談する住民

福島民報110719】東京電力福島第一原発事故に伴い、特定避難勧奨地点に指定された伊達市霊山町と月舘町の一部で避難を希望する世帯への個別相談会が18日、市霊山中央公民館で開かれた。席上、避難期限や避難後の除染などについての質問が相次いだ。

 市内霊山町の上小国と下小国、石田地区、月舘町相葭地区の4地区で指定された113世帯のうち、約70世帯110人が訪れた。

 市職員が市営・県営住宅、雇用促進住宅の他、県の借り上げ住宅について説明し、伊達市や福島市、県外など希望する住宅や学校、福祉、水道などについて個別に相談を受け付けた。

 市は今週中にも希望住宅を確定してもらい、早ければ今月中にも避難できるようにしたいとしている。

 住民からは「避難の期限が分からなければ、避難できない」「地区内の子どもたちを第一に考えてほしい。自分は指定されたが、子どものいる世帯に権利を譲りたい」などの意見が出された。

 

2011年

7月

18日

福島県 「「証拠」に基づき情報発信 福島医学会が緊急シンポ」

「証拠」に基づき情報発信 福島医学会が緊急シンポ

放射性物質の健康影響などについての医学的証拠を提示し、冷静な行動や判断を求めたシンポジウム
放射性物質の健康影響などについての医学的証拠を提示し、冷静な行動や判断を求めたシンポジウム

福島民報110719】福島医大を中心とした県内外の医師らでつくる福島医学会主催の緊急シンポジウムは18日、福島市のコラッセふくしまで「放射性物質の環境と健康への影響をエビデンス(医学的証拠)に基づいて評価する」をテーマに開かれた。県民の冷静な行動を促すため、研究成果やデータについて情報を発信した。

 県医師会、福島民報社、ラジオ福島の共催。会員の医師、教員、警察、消防、自衛隊関係者ら約400人が訪れた。福島医大の大戸斉医学部長が「これまで何が分かっているのか、分かっていないのか。どこまで安全で、どこから危険なのか。日本、世界で一級の研究者の話を聞き、理解を深めてほしい」とあいさつした。

 福島医大や福島大など県内外の大学などの研究者が登壇。長崎大大学院医歯薬学総合研究科付属原爆後障害医療研究施設の高村昇教授がチェルノブイリ原発事故による住民の被ばく状況などを報告。放射性ヨウ素による甲状腺がん発生増は確認できるが、放射性セシウムなどによる他のがん発生への影響は認められないとした。

 広島大原爆放射線医科学研究所ゲノム障害制御研究部門の神谷研二教授(福島医大副学長)は「年間100ミリシーベルト以下の放射線量の発がんリスクは小さすぎて、正確に捉えきれない」と説明。一方で「被ばく線量は、合理的に達成できる限り低くすべき」と主張し、住民と行政が密接に連携して取り組むことを求めた。

 風評被害の社会心理や、県内の放射線レベル分布マップなどの発表もあった。

2011年

7月

14日

福島県伊達市 「福島第1原発:伊達、地域ぐるみで除染」

福島第1原発:伊達、地域ぐるみで除染

プールにたまった水の除染作業。ゼオライトを入れたタンクに水を入れ、放射性物質を吸着させた=福島県伊達市保原町富沢の富成小で
プールにたまった水の除染作業。ゼオライトを入れたタンクに水を入れ、放射性物質を吸着させた=福島県伊達市保原町富沢の富成小で

毎日新聞110714】放射線量が局所的に高い「ホットスポット」を抱え、4地区113世帯が「特定避難勧奨地点」に指定された福島県伊達市で、地域ぐるみで市内全域を除染しようというプロジェクトが進んでいる。世帯単位で避難を指定する勧奨地点制度で「地域が分断される」と危機感を強める市民らが、自らの地域は自分たちの手で再生しようと立ち上がった。まずは子供たちが通う小学校の除染に挑戦している。

 約265平方キロの同市内にはホットスポット以外にも放射線量の高い地域が多く、同市は市内全域の除染を独自に行う方針を打ち出しており、6月27日に除染対策プロジェクトチーム(PT)を設置。アドバイザーに原子力委員会の田中俊一・前委員長代理を迎え、独立行政法人「日本原子力研究開発機構」(茨城県東海村)の技術支援を受ける。

 まず、今月初めから、市立富成小(保原町富沢、児童60人)で挑戦を始めた。屋外プールには、1キロあたり100~600ベクレルの放射性セシウムを含む水がたまっていたが、吸着作用のある鉱物「ゼオライト」を使って浄化し、海水浴場の安全基準50ベクレル以下の20ベクレルにまで低減させることに成功し、排水した。さらに電気カンナで敷地内のアスファルトの表面を削ったり、斜面の草刈りや表土除去で線量を10分の1程度に下げられることも確認できた。

 除染対策費約4億円を含む補正予算が市議会で成立したものの、予算に限りがあるため、11日から作業ボランティアを募り、16、17日には人海戦術で草刈りや表土除去を行い、除染完了を目指す。目標は18日のプール開き。仁志田昇司市長は「子供たちの歓声が戻ってくることで、まちの再生の足掛かりにしたい」と話している。

 16、17日の作業には約200人が必要で、ホームページ(http://www.fukushima.coop/)で登録を募っている。

2011年

7月

12日

全国知事会議:原発再開で対立「この夏乗り切れるか」「福島を収束させてから」

毎日新聞110713】全国知事会議が12日、秋田市のホテルで2日間の日程で始まった。会議では、東京電力福島第1原発事故への対応について「場当たり的な対応に終始し、国民の不信感はかつてなく高まっている」として、菅直人首相が事故の経緯について説明責任を果たすことなどを求める緊急提言を、近く政府に行うことが決まった。一方、原発のあり方を巡っては、知事の意見の違いも浮き彫りとなった。【中山裕司、野原寛史、坂本太郎】

 緊急提言は、原発事故の徹底した調査や検証に加え、原発の安全基準の見直しや防災対策重点地域(EPZ)の範囲拡大、事故に関する情報の開示などを求めた。また、再生可能エネルギー固定価格買い取り法案の早期成立など、代替エネルギーの開発にも速やかに取り組むよう求めた。

 会議では原発の再稼働を巡り、知事らの主張が対立した。九州電力玄海原発の再稼働を巡る政府内の混乱に翻弄(ほんろう)された佐賀県の古川康知事は「誰を信じていいのか分からない。菅首相がこの夏は再稼働なしで乗り切れるというなら、正面切って言えばいい」と怒りをあらわにした。石川県の谷本正憲知事も「ストレステスト(耐性試験)を導入するなら、首相自ら地元を説得する覚悟でやらなければ解決の道筋は見えない」と首相を批判した。一方、福島第1原発を抱える福島県の佐藤雄平知事は「福島第1原発をしっかり収束させてから再稼働の話が出るべきだ」と、早急な再稼働に不快感を示した。

 大阪府の橋下徹知事は「(再稼働を止めれば)壮大な社会実験ができる。この国は原発何基までで(電力供給が)耐えられるか、実証データを見ることが重要だ」と発言。古川知事が「再稼働してもいいのに『社会実験するから(再稼働を)止める判断をしろ』と言われるとつらい」と反論する場面もあった。

 再生可能エネルギーの推進など、中長期的なエネルギー政策に関しても活発な意見交換がなされた。山形県の吉村美栄子知事(欠席)と滋賀県の嘉田由紀子知事は共同で、原発への依存から卒業する「卒原発」を提唱。北海道の高橋はるみ知事も「自然エネルギー拡大のためにできることをするのは大賛成」と述べた。一方、四国電力伊方原発を抱える愛媛県の中村時広知事は「『卒原発』という新しい言葉に違和感がある」と発言。広島県の湯崎英彦知事は「菅首相は政局のために『脱原発』を打ち出すのではないか」と懸念を示した。

 知事会議では、全国知事会が震災に伴う被災者生活再建支援基金に342億円を拠出し、拠出額を使い切った場合に備えて通常災害に対する同基金にも538億円を積み立てることも了承された。

2011年

7月

09日

福島県 「福島原発「最終処理に数十年」菅首相が見通し」

福島原発「最終処理に数十年」菅首相が見通し

日本経済新聞110709】菅直人首相は9日午後、民主党本部で開いた全国幹事長・選挙責任者会議に出席し、東京電力福島第1原子力発電所の事故について「最終的には数十年単位の処理の時間がかかる見通しになっている」との認識を示した。原子力発電のあり方を巡り「リスクとメリットの考え方を根本から見直さざるを得ないところに来ている」とも強調した。

 全原発を対象に実施するストレステスト(耐性調査)に関する政府の統一見解については「週明けには方向性を示すことになっている」と述べた。

 首相は「エネルギー問題を政局のためにやっているとの報道があるが、私や内閣のすべてのメンバーの気持ちは全くちがう」と強調。退任時期に関しては、原発対応などに「一定のメド」がついた段階で辞任する考えに変わりはないと改めて表明した。

2011年

7月

07日

技術・技能者OB集団、先発隊を福島原発へ-9月にも収束作業開始

日刊工業新聞110707】福島第一原子力発電所事故の収束作業を志願している技術者・技能者OBのボランティア集団「福島原発行動隊」(発起人=山田恭暉氏)が10日、現地に向け出発する。
 住友金属工業のエンジニアだった山田氏や元東芝の原発プラント設計者ら5人が11日と12日の両日、先発隊として現場調査を行う。山田氏は「本格的な作業は9月にも始めたい」としており、現地調査後、本格作業に向けた政府・東京電力との調整に入る。
 同原発の収束作業は難航、高い放射線下での人手不足も深刻化している。「我々は年齢的にも放射線量の害も少ないし、自分たちは実際にプラントの設計や製造を経験している」と、懸命の復旧作業を続ける若者を見かねた山田氏の呼びかけで7月6日現在、60歳以上の技術者・技能者OBら430人が集まり、賛同者からの寄付も663万円に達した。

2011年

6月

26日

原発賠償特別法 明記せず 復興構想会議が提言 事故、国の責任で収束

福島民報110626】政府の東日本大震災復興構想会議(議長・五百旗頭真=いおきべ・まこと=防衛大学校長)は25日、「復興への提言」を決定し、菅直人首相に答申した。福島県が求めてきた、東京電力福島第一原発事故の損害賠償と地域再生に関する特別法制定は明確な形で打ち出されず、原発災害に絞った国と県の協議の場の設置が盛り込まれたのにとどまった。原発事故からの復興については内容の4分の1を割き、国の責任で収束させるよう明記した。県内での再生可能エネルギー関連の産業創出など原発事故からの復興策を示した。

 提言のうち原子力災害に対する本県意見の主な反映状況は【表】の通り。

 損害賠償と地域再生についての特別法は法整備を含め国が責任を持ち取り組むべきという内容となった。県は事故の被災者に対し広く、確実に賠償が行われることを狙い特別法にこだわった。しかし、要求が受け入れられず、設置される見通しとなった国との協議の場で引き続き特別法制定を求めていく。

 さらに、県は全額、国庫負担による復旧・復興の基金造成、復興財源の確保も求めてきた。しかし、基金については県の財政負担に含みを持たせた。交付税は新たな制度の創設に踏み込まず、「増額する」との内容にとどまった。

 提言では、全4章のうち1章が本県と深く関わる原子力災害をテーマとしている。原発事故収束は国が責任を負うべきと明記。被災者や被災自治体への支援、放射線量に関する全国統一の方針・基準の確立、土壌汚染への対応、住民の健康維持施策の推進、復興に向けた取り組みの推進を盛り込んだ。さらに、放射性物質の除染を進め、医療産業や再生可能エネルギー関連産業を本県に集積するよう取り組みを促している。

 復興会議では当初、原発事故について会議の議題から外す方針が示された。しかし、本県が「原発事故の収束が復興の大前提」と強く主張してきた。

 県の野崎洋一企画調整部長は「復興に向けたスタートラインに立った。特別法制定、財政支援は不十分な点があり、引き続き国に要請する」と述べた。

2011年

6月

25日

九条科学者の会かながわ 第15回学習会

日時:2011年6月25日(土) 14時~17時

会場:鶴見大学会館 2階 研修室204

主催:日本科学者会議神奈川支部・九条科学者の会かながわ

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ニュースレター九条科学者(号外)
2011.06.3 発行/九条科学者の会事務局 【転送歓迎】
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「九条科学者の会かながわ」から学習会の案内がありましたので、
お知らせします。

◆「九条科学者の会かながわ」は、日本科学者会議神奈川支部と
 共催で、以下の要領で第15回学習会を開催します。福島第一原発は
 おさまる気配を見せず、放射能をまき散らしています。今回は、
 日本大学歯学部専任講師で放射線防護学の野口邦和氏に講師を
 お願いして、「原子力発電と放射能汚染」と題する講演をお願い
 しました。多数の皆様のご参加を呼びかけます。

「九条科学者の会かながわ」第15回学習会

日時:2011年6月25日(土)14時~17時   
会場:鶴見大学会館 2階 研修室204
交通:JR京浜東北線鶴見駅西口下車徒歩2分、
   京急線京急鶴見駅下車徒歩3分
資料代:200円

講師:野口邦和 氏(日本大学歯学部専任講師、放射線防護学)
演題:原子力発電と放射能汚染

講師紹介:1952年生まれ。東京教育大学理学部化学科卒業。理学博士。
   現在、日本大学歯学部専任講師、放射線防護学。
   日本科学者会議エネルギー・原子力問題研究委員長。
   著書に、『山と空と放射線』(1996、リベルタ出版)、
   『放射能事件ファイル』(1998、新日本出版社)、
   『放射能のはなし』(2001、新日本出版社)、
   『放射能汚染食品を科学する』(共著、1988、合同出版)、
   『原発・放射能はなぜこわい』(共著、1989、学習の友社)、
   『徹底解明東海村臨界事故』(共著、2000、新日本出版社)、
   『臨界事故の衝撃』(共著、2000、リベルタ出版)、
   『どうするプルトニウム』(共著、2007、リベルタ出版)がある。

主  催:日本科学者会議神奈川支部・九条科学者の会かながわ

九条科学者の会かながわ事務局
〒247-0008 横浜市栄区本郷台2-12-2
電話・Fax: 045-894-1052
後藤仁敏 GOTO Masatoshi


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2011年

6月

24日

福島県 「県議会も「脱原発」 復興ビジョン報告書に反映へ」

県議会も「脱原発」 復興ビジョン報告書に反映へ

福島民報110624県議会の自民、民主両党は23日、それぞれ議員会を開き、今後は原子力発電を推進しない立場を明確にすることを申し合わせた。公明、共産、社民も同様の立場で、復興ビジョンの策定に向け来月、県に提出される県議会の報告書に「脱原発」の考えが盛り込まれる見通しになった。
 自民の会議では、原発を再生可能エネルギーに転換することや、関連産業の育成を県に求めることで一致した。民主は脱原発の方針を盛り込んだ今年の運動方針を、7月16日に開く定期大会に提案することで全員が了承した。公明県議団は、脱原発の方針で所属議員の意見がまとまっており、エネルギー政策の転換を求める。3党はこれまで、原発推進の立場だった。
 原発事故以前から脱原発を打ち出していた社民は、自然エネルギーの利用拡大を訴える。県内の原発の廃炉を求めてきた共産県議団は、脱原発を復興ビジョンに明記するよう要望する。
 県議会の東日本大震災復旧復興対策特別委員会は4日、理事会を開く。原発問題を含めた各会派の意見を集約し、県の復興ビジョン策定に向けた中間報告書案を作る。6日の特別委員会で決定し、同日中に県に提言する。
 県議会が「脱原発」の方向にまとまる見通しになったことで、県の復興ビジョンには原子力に依存しない地域社会づくりの考えが盛り込まれることは、ほぼ確実だ。
 野崎洋一県企画調整部長は「県民を代表する県議会の意思が脱原発の方向となれば、非常に重い」と語った。今後は、原発との「共生」を前提とする総合計画とビジョンの整合性をいかに図るかが課題となる。

2011年

6月

23日

京都・まちづくり市民会議 「公開学習会&まちづくり市民会議第17回総会」 を開催

日時:2011年6月23日(木) 午後6:30~

会場:かもがわ 2階大会議室(京都市河原町竹屋町東入る)

主催:京都・まちづくり市民会議

110623まちづくり市民会議第17回総会・原発学習会_案内.pdf
PDFファイル 19.4 KB

(2011/06/12 23:30), vdori.m@nifty.com wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0446] 6/23京都/学習会「福島原発事故と今後の課題」

> みなさま
>
> 京都支部の榎田です。
>
> 京都支部が事務局団体として参加している「京都・まちづくり市民会議」が総会
> にあわせて原発問題の学習会を開催します。
>
> 講師には以前から原発の実態的な発電コストを算出し、政府資産とは大きく異
> なった高コスト構造になることを明らかにしてきた大島堅一さん(立命館大学国
> 際関係学部教授)をお招きします。
>
> ----------------------------------------------------------------------
> ◆公開学習会&まちづくり市民会議第17回総会◆
>
> とき: 6月23日(木) 午後6時30分~
> ところ: かもがわ 2階大会議室 
>      (河原町竹屋町東入る)
>      http://www.kyotocity-kouseikai.jp/kamogawa/
>
> 福島第一原発事故は日本の社会に大きな問題を投げかけています。原子力発電の
> 「安全神話」は崩れ、現在も福島第一原子力発電所の危機が続いています。その
> ため、原子力発電にたよらずに、自然エネルギーへの転換を急速に進めようとの
> 声が高まっています。
>
> まちづくり市民会議は、5月28日に諸団体との共催で「原発を考える」学習会を
> 開催しましたが、まちづくり市民会議の総会に合わせて、「再生可能エネルギー
> の政治経済学」(東洋経済新報社)などの環境経済学で知られた大島堅一教授を
> 招いて公開学習会を開催します。
>
> どなたでもご参加できます。多くのみなさんのご参加をよびかけます。
>
> ●公開学習会
> 「福島原発事故と今後の課題」(仮題)
>  講師:大島堅一氏(立命館大学教授)
>
> ●まちづくり市民会議第17回総会
> まちづくり市民会議は、この1年あまり梅小路公園への水族館建設問題、嵐山で
> の乱開発問題、岡崎再整備問題などに関するとりくみをしてきました。この1年
> 間のとりくみをふまえ、住民・市民運動の交流と今後のとりくみについて意見交
> 換をします。
>
> 主催:京都・まちづくり市民会議
> ----------------------------------------------------------------------
>
> 2011/06/12
> ━━━━━━━━━━━━━━━
> 榎田基明 ENOKIDA Motoaki
> ━━━━━━━━━━━━━━━

2011年

6月

22日

福島県 「東京電力・西沢常務「国が掲げれば脱原発も」」

東京電力・西沢常務「国が掲げれば脱原発も」

福島民友110622】東京電力の新社長に就く西沢俊夫常務は、県復興ビジョン検討委員会が「脱原発」を掲げたことについて「脱原発をコメントする立場にない」としながら、「福島県民の意見を踏まえて国として政策を決めれば受け入れるしかない。しかるべき場で国民の声を聞きながら、冷静なしっかりした議論で決めてほしい」と国民的議論で国が方針を決定した場合には脱原発を受け入れる考えを示した。
 また「日本は資源がない国。どのエネルギーをいかに組み合わせると顧客のメリットになるか、具体的なデータを踏まえ安定供給、経済性の面から検証しないとならない」と述べた。

2011年

6月

20日

日本都市計画学会 東日本大震災 連続まちづくり懇話会 第7回 「(仮)新エネルギーの現状と課題」 を開催

日時:2011年5月~6月の月曜日 18:00~20:00

会場:NSRIホール(千代田区飯田橋2-7-5 明治安田生命飯田橋ビル2階)

主催:日本都市計画学会

協賛:都市計画コンサルタント協会・日本都市計画家協会

最新情報は日本都市計画学会の【HP】をご覧下さい。

konwakai-leaflet1-3.pdf
PDFファイル 211.7 KB

2011年

6月

16日

discussion 福島県復興ビジョン・脱原発を明記

(2011/06/16 0:47), wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0470] 福島県復興ビジョン・脱原発

> みなさま
>
> 京都支部の榎田です。
>
> 15日に開かれた福島県復興ビジョン検討委員会で「脱原発」を基本理念とするこ
> とになったとのことです。
>
> ----------------------------------------------------------------------
> http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110615/dst11061519090016-n1.htm
> 産経新聞 msn産経ニュース 2011年6月15日
>
> ■福島県の復興ビジョンに「脱原発」
>
> (2011.6.15 19:07)
>
>  学識経験者による福島県の「復興ビジョン検討委員会」は15日、県内におけ
> る「脱原発」を基本理念として打ち出すことを決めた。7月末に正式決定し、県
> が年末にまとめる復興計画への反映を求めていく。福島第1原発事故の収束後、
> 焦点となる福島第2原発の再稼働の可否に大きな影響を与えそうだ。
>  基本理念では、「『脱原発』の考え方のもと、原子力への依存から脱却」と明
> 記。再生可能エネルギー産業を新たに集積し、「環境との共生と経済的な活力が
> 両立するモデル」を目指すとしている。
>  鈴木浩座長(福島大名誉教授)は「原発への立場を決めないと復興は進められ
> ない」とした上で「(原発に依存した)雇用などの新たな受け皿は短期間に論じ
> られない。県が復興計画で検討してほしい」と述べた。
>
> ----------------------------------------------------------------------
> http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110616k0000m040077000c.html
> 毎日新聞 毎日.jp 2011年6月16日
>
> ■福島復興計画:「脱原発」姿勢明確に…県のビジョン検討委
>
>  福島第1原発の事故を受けた「福島県復興ビジョン検討委員会」(座長、鈴木
> 浩・福島大名誉教授)は15日、復興に向けた基本理念のたたき台をまとめた。
> 「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を柱に掲
> げ、「脱原発」の姿勢を示した。
>
>  たたき台にはこのほか、「省エネ、リサイクルの推進」「環境と経済が共生す
> るモデル」などを盛り込んだ。
>
>  検討委は鈴木座長ら有識者12人がメンバーで、7月末に最終案をまとめる。
> この提言を踏まえ、県は復興計画を年内に取りまとめる方針。
>
>  検討委は5月に発足。これまでの会合で「原子力から自然エネルギーへの転換
> を図るべきだ」「福島第1原発事故の教訓から脱原発を明確にしてほしい」との
> 意見が相次いでいた。【種市房子】
>
> (毎日新聞 2011年6月15日 20時15分)
>
> ----------------------------------------------------------------------
>
> 2011/06/16
> ━━━━━━━━━━━━━━━
> 榎田基明 ENOKIDA Motoaki
> ━━━━━━━━━━━━━━━

(2011/06/16 5:17), 丸谷 博男  wrote:
Subject: 曇天夏蒸

> 北から南から通信
>
> 昨夜は月食だったのですね。気がついた時にはもう明るくなっていました。
> でも、東京は曇り空でしたね。
> さて、大震災の復興構想が各自治体から出始めました。
>
> 福島県では、6月15日の福島県復興ビジョン検討委員会で以下のような資料がありまし
> た。
> 「脱原発」の方向で意見がまとまるようです。
> http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=11916
>
> 【修正点(6月10日の第3回検討委員会の意見を踏まえ、下記について修正しました。)】
> ○基本理念について
>
> ・(※1)「オールふくしまによる復興」を「ふくしまを愛する人すべての力を結集した
> 復興」とした。
>
> ・(※2)「原子力災害による影響・不安の払拭」を「原子力災害の克服」とした。
>
> ○主要施策について
>
> ・(※3)施策の時間軸や本県の災害の特徴を捉え、主要施策を、「緊急的対応」、「ふ
> くしまの未来を見据えた対応」、「原子力災害対応」の3つの柱に分類した。
>
> ・(※4)「地域のきずなの維持・再生・発展」を「地域のきずなの再生・発展と未来を
> 担う人づくり」とし、維持に関わる部分は、「応急的復旧・生活再建支援」に位置づ
> け、「未来の子どもたちのための新生ふくしまづくり」のうち、子どもたちの育成に
> 関わる部分を「未来を担う人づくり」に位置付けた。
>
> ・(※5)新たな時代を切り開く産業づくりについて、グローバルに発展させるとともに、
> 一方では、地域内での経済循環も重視した
> 産業構造をイメージし、「新たな時代をリードする産業づくり」とした。
>
> ・(※6)再生可能エネルギーに関する施策を、「再生可能エネルギーの飛躍的推進によ
> る新たな社会づくり」とし、ふくしまの未来
> を見据えた対応の主要施策に位置付けた。

(2011/06/16 8:01), Miura wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0471] 福島県復興ビジョン・脱原発を明記

> 皆様
>
> お早うございます。嬉しいニュースです。
> 第1報は京都の榎田さんから発信されましたが、
> 当会議のメンバーの鈴木浩先生が座長を務める
> 「福島県復興ビジョン検討委員会」は、「脱原発」
> を基本理念とすることを、昨日記者会見で発表し、
> 意見を集めて7月中に知事に答申すると言うこと
> です。
> 福島県はIT産業などが存在することで、県民所得
> が18位(平成19年)にあるということですが、原発
> 依存の町もあり、多くの意見が寄せられることと思
> います。何よりも福島県を放射線物質廃棄物の最
> 終処分場化しようと狙う勢力からの圧力も考えら
> れます。
> 原発関連用地の更地での返還を堂々と主張して、
> 復興を地域の主権で実現出来るように応援したい
> と思います。             三浦史郎

(2011/06/16 10:30), 谷守正康 wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0472] Re: 福島県復興ビジョン・脱原発を明記

> 兵庫・谷守です
>
> 脱原発の方向との報道です
> 原発外の原子力関係についてはどのように検討されて行くのでしょうかね?
> 放射能については、原子の性質なので、コントロールする事は科学的に不可能なので
> しょうかね?
> 原子力関係の科学者等、物理学者の見解はどのようなものなのでしょうかね?
> 放射能については、原子力エンジン、原爆実験によって、今までに福島原発事故どこ
> ろではない放射能の量が地球上にばらまかれて来、現在もばらまかれているのではな
> いかと思えます
>
> 株式会社 谷守建築設計事務所

 

(2011/06/16 10:33), wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0473] Re: 福島県復興ビジョン・脱原発を明記

> 本多です。
>
> 「福島県復興ビジョン検討委員会」すごいですね。
> この検討委員会の記録(各回の資料、議事録)を読み進んでいたところでした。
> 検討委員のみなさんの真剣・真摯な発言、鈴木座長の適切なさばきかたに感心しています。

2011年

6月

15日

福島県 「福島県の復興ビジョンに「脱原発」」

福島県の復興ビジョンに「脱原発」

「脱原発」の姿勢を打ち出した福島県の有識者会議「復興ビジョン検討委員会」=15日午後、福島県庁
「脱原発」の姿勢を打ち出した福島県の有識者会議「復興ビジョン検討委員会」=15日午後、福島県庁

産経新聞110615】学識経験者による福島県の「復興ビジョン検討委員会」は15日、県内における「脱原発」を基本理念として打ち出すことを決めた。7月末に正式決定し、県が年末にまとめる復興計画への反映を求めていく。福島第1原発事故の収束後、焦点となる福島第2原発の再稼働の可否に大きな影響を与えそうだ。

 基本理念では、「『脱原発』の考え方のもと、原子力への依存から脱却」と明記。再生可能エネルギー産業を新たに集積し、「環境との共生と経済的な活力が両立するモデル」を目指すとしている。

 鈴木浩座長(福島大名誉教授)は「原発への立場を決めないと復興は進められない」とした上で「(原発に依存した)雇用などの新たな受け皿は短期間に論じられない。県が復興計画で検討してほしい」と述べた。

 

福島復興計画:「脱原発」姿勢明確に…県のビジョン検討委

毎日新聞110616】福島第1原発の事故を受けた「福島県復興ビジョン検討委員会」(座長、鈴木浩・福島大名誉教授)は15日、復興に向けた基本理念のたたき台をまとめた。「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を柱に掲げ、「脱原発」の姿勢を示した。

 たたき台にはこのほか、「省エネ、リサイクルの推進」「環境と経済が共生するモデル」などを盛り込んだ。

 検討委は鈴木座長ら有識者12人がメンバーで、7月末に最終案をまとめる。この提言を踏まえ、県は復興計画を年内に取りまとめる方針。

 検討委は5月に発足。これまでの会合で「原子力から自然エネルギーへの転換を図るべきだ」「福島第1原発事故の教訓から脱原発を明確にしてほしい」との意見が相次いでいた。【種市房子】

毎日新聞 2011年6月15日 20時15分

福島復興基本方針に「脱原発」

朝日新聞110616】●再生へ決別の姿勢

 「脱原発」が福島復興の基本方針(素案)に掲げられた。県復興ビジョン検討委員会(座長・鈴木浩福島大名誉教授)が決断した背景には、原発事故の長期化で県外避難者が戻るきっかけをつかめず、農作物などへの風評被害が収まらない現状への焦りがある。原発と決別する姿勢は、地域再生に最低限必要な土台になるとの判断だ。

 

 ◎最低限必要な土台に

 15日の検討委で示された基本方針は3項目からなり「脱原発」が筆頭に明記された=表。前回の9日に県が提示した「たたき台」には、「原子力災害の克服」とだけ書かれただけだったため、複数の委員から反論が相次いでいた。

 検討委が懸念したのは、1万人規模の子どもたちが県外に避難しているなど、原発事故後の人口流出や、県内産の農作物、工業製品への風評被害だ。いずれも原発事故の収束に見通しがつかないことが背景にあり、原発と決別する姿勢を県外だけではなく、世界に発信する必要があった。

 検討委の山川充夫福島大教授は「基本方針に脱原発を掲げないと、廃炉に当たる福島第一原発の作業員らも誇りをもって仕事ができない」とも指摘。廃炉という日の当たりにくい工程が、県の目標と合致していると示すことで、作業員の士気を高めたいとの意向を示した。

 検討委は15日、基本方針を異論なく了承した。ただ、どのように復興を進めるか、具体的な主要施策の議論に移ると、「賠償問題はあるものの、東京電力が福島に投資してきたビジネスの関係も絶っていいのか」(福井邦顕・日本全薬工業会長)という疑問も上がった。

 市町村の復興支援や、新産業の創出、若者や子どもたちの育成など話し合う項目が多岐にわたり、ビジョン全体の意見集約も次回の7月2日に持ち越された。

 検討委終了後に記者会見した鈴木座長は「日本中が『脱原発』に向かうかどうかはわからないが、福島に限っては脱する道を歩もうと確認した。パブリックコメント(一般からの意見募集)では、たくさんの人から反応をもらいたい」と語った。(大月規義)

 

 ■県復興ビジョンの基本方針(素案の要旨)

《原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり》

 ・「脱原発」という考え方の下、原子力への依存から脱却し、再生可能エネルギーを飛躍的に、省エネルギーやリサイクルなどを強力に推進し、環境との共生を図る

 ・地域でエネルギーの自立を図る多極分散型モデルや、環境との共生と経済的な活力が両立するモデルを世界に先駆けて提示

 ・子どもから高齢者まで、すべての県民が安全で安心に暮らせる社会をめざす

《ふくしまを愛し、心を寄せるすべての人々の力を結集した復興》

 ・浜通りを中通りや会津が支えるなどして「ふくしま」全体で復興を進める

 ・県民、企業、民間団体、市町村、県や国内外でふくしまに心を寄せるすべての力を合わせる

《誇りあるふるさと再生の実現》

 ・避難を余儀なくされた県民がふるさとに戻れた日にふくしまの復興が達成される、との思いを共有

 ・子どもたちが福島県に誇りを持てるような再生を図る

 

2011年

6月

14日

福島県 「原子炉建屋にカバー設置へ 福島第一、9月末までに」

原子炉建屋にカバー設置へ 福島第一、9月末までに

朝日新聞110614】東京電力は14日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉建屋を覆うカバーの設置工事を27日から始めると発表し、模型を公開した。1号機は水素爆発によって屋根が抜け落ちており、大気中に放射性物質が飛び散るのを防ぐための対策。9月末までに完成させる。

 カバーの大きさは縦47メートル、横42メートル、高さ54メートル。ポリエステル繊維に樹脂を塗ったパネルを鉄骨の骨組みにはめる構造だ。あくまで仮設のもので、数年後には建屋全体をコンクリートの建屋で覆うことにしている。カバーでどのくらい放射性物質が減らせるかは、これから評価するという。

 作業員の被曝(ひばく)を減らす目的で作業現場に人が立ち入らずに作業するため、クレーンによる遠隔操作で組み立てる。

記者会見で公開された福島第一原発1号機の原子炉建屋を覆うカバーの模型=14日午後8時15分、東京都千代田区の東京電力本店、日吉健吾撮影
記者会見で公開された福島第一原発1号機の原子炉建屋を覆うカバーの模型=14日午後8時15分、東京都千代田区の東京電力本店、日吉健吾撮影
記者会見で公開された福島第一原発1号機と原子炉建屋を覆うカバーの模型=14日午後6時11分、東京都千代田区の東京電力本店、日吉健吾撮影
記者会見で公開された福島第一原発1号機と原子炉建屋を覆うカバーの模型=14日午後6時11分、東京都千代田区の東京電力本店、日吉健吾撮影

2011年

6月

13日

日本都市計画学会 東日本大震災 連続まちづくり懇話会 第6回 「(仮)太陽光発電の現状と課題」 を開催

日時:2011年5月~6月の月曜日 18:00~20:00

会場:NSRIホール(千代田区飯田橋2-7-5 明治安田生命飯田橋ビル2階)

主催:日本都市計画学会

協賛:都市計画コンサルタント協会・日本都市計画家協会

最新情報は日本都市計画学会の【HP】をご覧下さい。

konwakai-leaflet1-3.pdf
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2011年

6月

13日

discussion 原発推進堅持/首相「エネルギー政策白紙から見直す」はどこへ?(榎田)

(2011/06/13 13:49), wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0456] 原発推進堅持/首相「エネルギー政策白紙から見直す」はどこへ?

> みなさま
>
> 京都支部の榎田です。
>
> 福島第一原発事故を受けて、菅首相は「エネルギー政策を白紙から見直す」と
> し、見直し作業を従来の経済産業省ではなく政府の国家戦略室で行うことにな
> り、6月9日に開かれた第9回新成長戦略実現会議で論点や検討体制が提示されま
> した。それによると新成長戦略実現会議の中に「エネルギー・環境会議」を設置
> し、「革新的エネルギー・環境戦略」の検討を行うとのことです。
>
> と、ここまでは良いのですが、肝心の原子力発電については、「安全性への挑
> 戦」として、
>  ・原子力事故・安全の徹底検証
>  ・最高度の原子力安全の実現
> を掲げ、原子力発電の縮小や撤退は検討課題にも入っていません。
>
> 自然(再生可能)エネルギーの実用化や発電・送電の分離などの論点も入っては
> いますが、これだけの事態を起こしておきながら全く何も変わっていないのは一
> 体どういうことでしょう。
>
> また、先週からドイツ・ボンで開催されている気候変動枠組み条約の特別作業部
> 会で、日本政府が温暖化対策として従来どおり原発重視の発言をしたため、環境
> NGOから「化石賞」(会期中、交渉で後ろ向きな発言をした国に毎日贈られる不
> 名誉な賞)が贈られたそうです。
>
>
> ■国家戦略室 新成長戦略実現会議
> http://www.npu.go.jp/policy/policy04/archive02.html
> *第9回会議の配布資料を参照
>
>
> これに対して「eシフト」や「環境エネルギー政策研究所」から意見が出されて
> います。
>
> ■eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会))
> 「勝手に密室で決めるのはやめてください! ~ エネルギー政策の中身はこれま
> での延長!?~」
> http://e-shift.org/wp/wp-content/uploads/2011/06/PressRelease10June2011.pdf(PDFファイル)
>
> ■環境エネルギー政策研究所
> 「国民の国民による国民のための原子力・エネルギー政策へ 『エネルギー・環
> 境会議』への『12の提言』」
> http://www.isep.or.jp/images/press/110611ISEPpress.pdf(PDFファイル)
>
>
> ----------------------------------------------------------------------
> http://www.asahi.com/politics/update/0605/TKY201106040549.html
> 朝日新聞 asahi.com 2011年6月5日
>
> ■原発推進姿勢を堅持 国家戦略室のエネルギー戦略素案
>
> (2011年6月5日1時38分)
>
>  政府の国家戦略室がまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」の素案が明らか
> になった。東京電力福島第一原発の事故を受けた今後の政府のエネルギー政策の
> 方向性を表したものだが、「重要戦略」の一つに原子力を明記。事実上、原発推
> 進路線を堅持する姿勢を示した。
>  菅直人首相は、原発事故をきっかけにエネルギー政策を「白紙から見直す」こ
> とを表明。見直し作業は、エネルギー政策を担当する経済産業省ではなく、国家
> 戦略室が事務局の「新成長戦略実現会議」に移した。この会議のもと、国家戦略
> 相を議長とする「エネルギー・環境会議」を近く発足させる。ここには、民主党
> からは党成長戦略・経済対策プロジェクトチーム座長の直嶋正行元経産相が加わる。
>  国家戦略室がまとめた素案によると、福島第一原発事故を受け、「エネル
> ギー・環境会議」が「踏まえるべき基本方針は何か」としたうえで、重要戦略
> に、省エネルギー、再生可能エネルギー、電力システム、原子力など六つを列挙
> した。
>
> ----------------------------------------------------------------------
> http://jp.reuters.com/article/jp_quake/idJPJAPAN-21575920110607
> REUTERS 2011年6月7日
>
> ■発送電分離などエネルギー6分野で7月めどに論点整理=新成長戦略実現会議
>
> (2011年 06月 7日 22:10 JST)
>
>  [東京 7日 ロイター] 政府は7日に開催した新成長戦略実現会議で、新し
> いエネルギー政策の策定に向けた議論を開始した。
>  発送電分離を含む電力事業形態のあり方や省エネルギー推進など6つの論点に
> ついて、今年7月をめどに基本原則と優先課題を設定する論点整理を行い、年末
> をめどに基本方針を打ち出す。玄葉光一郎国家戦略担当相が議長を務める「エネ
> ルギー・環境会議」を分科会として設置し、具体策の議論を進めることも決めた。
>  この日の会議では「革新的エネルギー・環境戦略」の基本方針として、1)省
> エネルギー、2)自然エネルギー(再生可能エネルギー)、3)化石燃料の効率
> 的利用など資源・燃料、4)安全検証などを含む原子力、5)発送電分離など電
> 力システム、6)雇用創造などエネルギー・環境産業、の6つを重要論点と位置
> づけ、原子力発電所事故の発生以前から課題となっていた省エネと自然エネル
> ギー、資源・燃料などの効率化利用について、優先的に議論を進めることを決めた。
>  原子力と電力システム、エネルギー・環境産業の3つは、政府がこの日初会合
> を開催した原発事故調査・検証委員会の議論を踏まえつつ検討を進めるが、7月
> をめどにまとめる中間整理では「基本的に主な論点を整理し、政策の優先順位を
> 決める。その中で(発送電分離を含む)電力システムもある程度、課題整理だが
> 何らかの形で触れることになる」(平野達男内閣府副大臣)という。
>
> ----------------------------------------------------------------------
> http://mainichi.jp/select/biz/news/20110608ddm008010042000c.html
> 毎日新聞 毎日.jp 2011年6月8日
>
> ■新成長戦略実現会議:原発依存見直し着手 年末までに方針
>
>  政府は7日の新成長戦略実現会議(議長=菅直人首相)で、今後のエネルギー
> 政策を議論する「エネルギー・環境会議」の新設を決めた。東京電力福島第1原
> 発の事故を教訓に、原発に依存する現行政策の抜本的な改変に着手。電力会社の
> 地域独占の見直しや、発電部門と送電部門を分離する「発送電分離」、太陽光発
> 電など再生可能エネルギーの拡大策などを検討し、年末までに基本方針をまとめる。
>
>  菅首相は7日の会議で「エネルギーのパラダイム転換を実現する」と強調。玄
> 葉光一郎・国家戦略担当相を新設する会議の議長に決めた。今後の議論では、首
> 相が提唱する太陽光・風力など再生可能エネルギーの具体的な利用拡大策や、発
> 送電分離など電力供給体制の抜本的見直しまで踏み込めるかが焦点。
>
>  「発送電分離」は家庭や企業などに電力を送り届ける送電網を電力会社以外の
> 新規電力事業者に開放する意味があり、競争の活発化で、海外に比べて割高な電
> 気料金の引き下げにつながるとの期待もある。ただ、電力大手各社は組織解体に
> つながる「発送電分離」に強く抵抗しており、議論の行方が注目される。
>
>  また、原発依存の見直しに絡んでは、海江田万里経済産業相がこの日の会議
> で、全国の原発が定期検査後も全面停止し、すべてを火力で代替した場合、燃料
> 費が今年度で約2・4兆円、来年度以降は年間3兆円超増えるとの試算を報告。
> 「国民負担増加につながる」と、脱原発に慎重な考えを示した。経済同友会の長
> 谷川閑史代表幹事も「原発が全面停止したら、電力供給をどう確保するのか」
> と、急激なエネルギー政策の転換に懸念を表明した。【宮島寛、野原大輔】
>
> (毎日新聞 2011年6月8日 東京朝刊)
>
> ----------------------------------------------------------------------
>
> 2011/06/13
> ━━━━━━━━━━━━━━━
> 榎田基明 ENOKIDA Motoaki
>             vdori.m@nifty.com
> ━━━━━━━━━━━━━━━

2011年

6月

12日

京都伏見から 学習会資料 「原発問題の正確な理解のために」 が届きました

京都伏見の物理教師、市川章人さんから原発事故の理解のための学習会資料が寄せられました。

新しいバージョンと市川章人さんのプロフィールが届きましたので掲載します。ご活用下さい。

市川章人です.pdf
PDFファイル 106.0 KB
v9+γ 原発問題の正確な理解のために 110612.pdf
PDFファイル 5.8 MB
v8+β教育 原発事故の理解のために 110530.pdf
PDFファイル 3.6 MB
v7+β教育 原発事故の理解のために 110521.pdf
PDFファイル 4.9 MB
改訂新版v4 原発事故の理解のために カラー110506.pdf
PDFファイル 4.3 MB

(2011/05/06 17:26), 久守 一敏 wrote:
Subject: Fw: 原発資料の送付

 

> 復興会議の皆様、丸谷様
> 新建京都支部の皆様
>
> 今晩、丸谷さんたちと入れ替わりのように仙台に向かって出発します。
> 関西ブロックからの調査です。報告で皆さんに返したいと思います。
>
> さて、添付の資料は私の知人が各所の学習会などのためにつくったレジメです。原発問
> 題がわかりやすく解説されています。是非ご利用下さい。
> (府立)「非公開」 高校の物理の非常勤講師をされています。
>
> ----- Original Message -----
>> From: "Akito Ichikawa"
>> To:
>> Subject: 原発資料の送付
>> Date: Fri, 6 May 2011 15:45:18 +0900
>>
>> 伏見の市川章人です。いつもお世話になっています
>>  原発問題は国民の目から真実がかくされてきた重要問題でもあり、すべての人が問
>> 題の本質を理解していただくことが大変重要だと物理の教師になって以来ずっと思っ
>> てきました。今回の災害は深刻ですが、原発そのものはもちろん、24時間型・大量浪
>> 費社会をも変える転機にしなければならないと思います。つたない資料ですが、皆さ
>> んのお役にたてば幸いです。
>>  いろいろなところで直接話をするように頼まれ、年齢・職業を問わず、国民の関心
>> の高さをひしひしと感じます。必要ならば、声をかけていただけば時間が許す限り出
>> 向かせていただきます。高校の非常勤講師ですから気軽に呼んでください。

(2011/05/07 13:08), 風土計画 大坪 wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0213] Re: Fwd: Fw: 原発資料の送付

> 丸山さま
>
> 新建福岡 大坪克也と申します。
> ご紹介戴いた「原発事故の正確な理解のために」の充実度の高さに感激していま
> す。原発が抱える多面的な問題が的確に整理され、本質的な理解を促す素晴らし
> い学習資料だと思います。フクシマ以降、目を醒ましつつある多くの市民のため
> のテキストとしても相応しいと思います。
>
> よろしければ下記お許しください。
>   ①複数のグループへこの資料を紹介すること。
>   ②添付がやや重いので、新建・復興会議のHPから直接ダウンロードすること
> を薦めること。
>
> それから、不勉強で申し訳ありません。
>   ③差し支えのない範囲で文責者、市川章人さまのプロフィールをお教えくだ
> さい。
>
> 遅ればせながら菅政権が中電に対し浜岡ストップの要請をしました。2年を目途
> ですから本気度は疑問です。断末魔の免罪符かも知れません。
> 官僚の本音は↓のようですから。
> http://jp.reuters.com/article/jp_quake/idJP2011050601000826
>
> 一方ではこの体たらく(恥ずかしい)↓
> 武田邦彦氏のブログ/外人は来ない保安院・東電の会見
> http://takedanet.com/2011/04/post_3a50.html
>
> 福岡、九州電力の玄海原発は既にMOXを燃やしていますが、日本の最西端に位置
> するという意味で特別の危機感があります。
> 明日5/8「脱原発サウンドデモ10000人」、5/18九電交渉。九電前座り込みも17日
> 目に入ります。
> http://nonukefukuoka.web.fc2.com/index.html
> 御声援ください。
>
> _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
>   (^O^) 考えよう!美しい地球と子どもたちの未来 (^o^)丿
>          風土計画一級建築士事務所
> 代表 大坪克也
>  tel092-737-3633 fax092-737-3636
> http://www.fuudo.com
> _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

(2011/05/07 14:33), 丸山 豊 wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0213] Re: Fwd: Fw: 原発資料の送付

> 大坪さま
>
> 感激していただけて、MLの管理者冥利につきます。
> 実は私はいまのところメールを転送したまででまだ良く読めていません。
> 大坪さんの熱に背中を押されて読んでみたいと思います。
>
> さて、今回のメールは京都支部の久守さん発信になります。
> ①は構わないと思いますし、②は構いませんので、どうぞ拡げて下さい。
> ③の市川さんのプロフィールについては良く存じ上げていません。
>
> 久守さん、
> 可能な範囲でメーリングリストに流していただけると助かります。
> (今東北視察中と思いますので、お帰りになったらお願いします)
>
> ということで、よろしくお願いします。
>
> 神野さんにもよろしくお伝え下さい。
> 日本中で原発のいらない暮らしを実践していきましょう。

(2011/05/09 16:58), 久守 一敏 wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0227] 原発資料の文責者について

> 皆さん有難うございます。
> 市川さんに伝えさせていただきました。本人も喜んでおられます。
> 市川章人さんは、私の知人でもありクライアントでもあります。
> これまでに、小中学校の科学の先生たちの教える仕事をされていました。
> また、現在複数の高校で物理専任の非常勤講師を勤められています。
> 私の住んでいる京都市伏見区の革新懇や京建労伏見支部の定期総会での講師をお願いし
> ています。これまでの経験を元に最新版としてつくっていただいたものですので大いに
> ご利用下さい。
>
> 以下、市川さんからのメール添付しておきます。
>
> 久守さま、伏見の市川章人です。いつもお世話になっています
>  原発問題は国民の目から真実がかくされてきた重要問題でもあり、すべての人が問
> 題の本質を理解していただくことが大変重要だと物理の教師になって以来ずっと思っ
> てきました。今回の災害は深刻ですが、原発そのものはもちろん、24時間型・大量浪
> 費社会をも変える転機にしなければならないと思います。つたない資料ですが、皆さ
> んのお役にたてば幸いです。
>  いろいろなところで直接話をするように頼まれ、年齢・職業を問わず、国民の関心
> の高さをひしひしと感じます。必要ならば、声をかけていただけば時間が許す限り出
> 向かせていただきます。高校の非常勤講師ですから気軽に呼んでください。

2011年

6月

11日

震災3ヶ月、各地で脱原発デモ 福島・新宿・フランス・・・

朝日新聞110611】東日本大震災から3カ月の11日、「脱原発」を訴えるデモやイベントが全国各地で開かれた。

 東京・新宿では、インターネットでの呼びかけなどで集まった多くの人たちが午後3時すぎから行進。ロックやちんどん屋の生演奏を先頭に、休日の繁華街を約3キロ歩いた。主催者によると約2万人が参加したという。

 都内の会社員、斎藤誠さん(43)は、妻と2人の息子と参加した。こうしたデモ行進は初めて。「子どもの将来が何より気になる。原発は即停止しかないだろう」と話した。

 百貨店で買い物をしていた都内の杉本則子さん(60)は飛び入りで加わった。「原発がないと生活ができないでしょ、と問われても、今までは返す言葉がなかった。その答えを真剣に考える責任があると思う」

 

 福島県内の各地でもデモや集会があった。郡山市では約200人が「ノーモア・フクシマ」「ふる里をかえせ!」などと手書きしたプラカードを掲げながら歩いた。

 

福島第一原発の事故の影響で、郡山市内の放射線量は今でも、東京の20倍以上。同県須賀川市の主婦橋本円香(まどか)さん(36)はマスクに「深呼吸も出来やしねえ」とのメッセージを貼りつけて歩いた。「本当はデモなんかしたくない。でも、地元から、原発反対の声を上げないといけないと思いました」

 この日の行動は、福島第一原発の事故が起きてから東京都内でデモを主催していた環境保護団体「グリーンピース」やリサイクルショップ「素人の乱」の関係者らが話し合い、「6・11脱原発100万人アクション」と題して世界各国にも呼びかけて実施した。

 

 世界有数の原発大国フランス・パリや豪メルボルン、香港、台北などでもこの日、集会やデモがあった。

 パリでは、中心部の市庁舎前に数千人が集まり、脱原発を訴える日本の人々との連帯を表明。脱原発の方針を打ち出したヨーロッパエコロジー・緑の党をはじめ、原発を推進する姿勢を崩さないサルコジ政権と対立する野党各党の議員らが次々に演説した。

 主催したNGOメンバーのシャルロット・ミジョンさんは「各国は原発の安全性検査を実施すると言うが、原発を続けるための言い訳に使われかねない」と指摘した。

 

「脱原発」を訴え郡山駅周辺をデモ行進する人たち=11日午後1時16分、福島県郡山市、相場郁朗撮影
「脱原発」を訴え郡山駅周辺をデモ行進する人たち=11日午後1時16分、福島県郡山市、相場郁朗撮影
反原発を訴えデモ行進する人たち=11日午後2時53分、東京都新宿区、遠藤啓生撮影
反原発を訴えデモ行進する人たち=11日午後2時53分、東京都新宿区、遠藤啓生撮影
トラクターを先頭に名鉄岐阜駅前をパレードする市民ら=岐阜市、青瀬健撮影
トラクターを先頭に名鉄岐阜駅前をパレードする市民ら=岐阜市、青瀬健撮影
11日、パリで行われた反原発デモ=ロイター
11日、パリで行われた反原発デモ=ロイター
「さよなら原発」と書かれた横断幕を掲げ、アーケード街を行進する市民ら=11日午後3時すぎ、熊本市
「さよなら原発」と書かれた横断幕を掲げ、アーケード街を行進する市民ら=11日午後3時すぎ、熊本市
脱原発を訴え、デモ行進をする人たち=11日午後2時51分、福岡・天神、関田航撮影
脱原発を訴え、デモ行進をする人たち=11日午後2時51分、福岡・天神、関田航撮影
脱原発を訴え、原爆ドーム前を行進する参加者たち=11日午後2時29分、広島市中区、高橋正徳撮影
脱原発を訴え、原爆ドーム前を行進する参加者たち=11日午後2時29分、広島市中区、高橋正徳撮影

2011年

6月

04日

建築ネットワークセンター 「東日本大震災被災地視察報告 津波・原発・液状化を考えるつどい」 を開催

日 時:2011年6月4日(土) 午後1時30分会場 2時開会 4時30分閉会予定

会 場:大久保地域センター3階A会議室(東京都新宿区2-12-7)

主 催:NPO法人建築ネットワークセンター

会 費:500円(資料代)

110604大震災報告会_NWS.pdf
PDFファイル 190.0 KB

2011年

6月

04日

discussion 「HOT SHARE & COOL SHARE」(丸谷)

(2011/06/04 10:57), 丸谷 博男  wrote:
Subject: [shinken-zenkoku][05168] 丸谷です。

> 新建の皆様
>
> 「NPOmotherboard2011日本の道」の近況報告です

> ■仕事を通して発見
>
> 多摩美大のゼミで、大震災に対して学生が発案しアクションを起こしはじめた事があ
> りました。
> 「cool share」という運動です。
> この動きに賛同し、私が企画デザインをしていた7~9月のイベント(フランス大使館後
> 援、ジャパンインポートシステム主催)に盛り込むことにしました。
> そのコンセプトは、下記の通りです。
>
> フランス産ラム酒で心は熱く、気持ちは涼しく
>
> HOT SHARE & COOL SHARE
>
> 世田谷の喫茶店の店主 「昼間の家庭で主婦が一人クーラーをかけるのは止めて、お
> 店にいらっしゃい!そうすれば、節電になります。読書もいいし、お友達とおしゃべり
> もいいし。いいアイデアでしょう。」
>
> 銀座のバーテンダー「独身の人、お子さんがいないご夫婦、仕事の帰りに内の店にお
> 寄りなさい。節電になります。」
>
> 一家団欒で、個室から出て居間で何でもやりましょう。これも節電になり、家族の交
> 流ができます。これも節電です。」
>
> そして、お店では、一客来店につき50円の「HOT SHARE&  COOL SHARE 基金」に寄付で
> きます。東日本大震災への支援金となります。
>
> HOTに楽しんで、COOLを節約し、支援ができる仕組みです。
>
> この企画は、7月中旬からから9月4日まで有楽町駅前の交通会館の1階のカフェをお借
> りして共同企画で行ないます。
> 銀座有楽町東京の町おこしを意識しています。
> 現在参加表明していただいている銀座のバー20件ほど、その他丸の内の飲食店などに
> 募金箱を置き、東日本大震災への支援金としていきます。この募金箱の管理を「日本
> の道」で行ないます。
> これは、全国に広げることができ、「HOT SHARE&  COOL SHARE」と言ってお店に入る
> と募金箱に50円が入る仕掛けです。
> 賛同していただけるお店を見つけましょう。簡単なチラシと募金箱に貼るシートを作
> 成します。

(2011/06/06 10:27), 丸谷 博男  wrote:
Subject: [nuae_tokyo_m:2580] 一歩一歩

> 北から南から通信
>
> 「hot share&  cool share」を最近仕事でお付合いしている魚介料理「海」(埼玉県鶴
> ケ島市富士見)のご主人方にお話ししましたら、快く賛同してくださいました。
> この呼びかけは、広がる可能性を感じました。
> http://japanroad.exblog.jp/i49

2011年

6月

02日

NHK総合 爆笑問題 「まちがいだらけのエネルギー選び」 を放送

FILE146:「間違いだらけのエネルギー選び」 2011年6月2日放送

6月7日(火)午前1:30~<総合>(月曜深夜)再放送予定です。

ニュースや特別番組等の影響で、放送時間変更や休止の場合もございます。ご了承ください。

NHKオンデマンドで6月3日(金)午後6時~配信予定です。

 

(2011/06/02 20:40), 丸谷 博男  wrote:
Subject: [shinken-zenkoku][05163] こんばんは!テレビ番組のお知らせです。

> 丸谷よりお知らせします。
>
> 飯田哲也さんは、原発に頼らないエネルギー政策を具体的に提案されていた方です。
> お時間ありましたら、ご覧下さい。
>
> 【番組紹介】爆笑問題「間違いだらけのエネルギー選び」ゲスト飯田哲也(環境
> エネルギー政策研究所所長)ほか
> 6月2日(木)夜10:50~11:25 NHK総合 
> http://www.nhk.or.jp/bakumon/nexttime/

(2011/06/03 12:20), 谷守正康 wrote:
Subject: RE: [shinken-zenkoku][05164] こんばんは!テレビ番組のお知らせです。

> 丸谷さん
>
> 谷守です
> ご活躍、ご苦労様です
> 福永さんのご提案など実を結んで良かったですね
> 又いつも貴重な情報、有難うございます
> ●飯田哲也氏について
> ・HPによると6/7(火)1:30NHK総合で再放送との事
> ・又、NHKオンデマンドで6/3(金)18:00配信予定との事
> ・当方は氏について存じあげないのですが、飯田氏の提案はどのようなものなので
> しょうね?
> ・原発に頼らないエネルギー政策をお考え済みでしたら、国会議員は、氏のお話を聞
> き物になると判断すれば、予算・予定表まで作って法案を国会に提出するべく、国会
> 議員の業務である立法作成業務を開始するべきだと思います
> ●飯田哲也氏は
> ・現在進行中の原発事故に対する対処法についてはご提案はないのでしょうかね?
> ・原発事故に対しては、政府(行政)の長である菅首相の「収拾するまで務める」と
> の表明以外、光明が見えないので
>
> 株式会社 谷守建築設計事務所
> 〒651-0097 神戸市中央区布引町2-3-5 不二建物ビル204
> 電話078-252-2296  FAX078-252-1186  
> ホームページ http://www.k3.dion.ne.jp/~tanimori

(2011/06/03 14:27), 丸谷 博男  wrote:
Subject: Re: [shinken-zenkoku][05165] こんばんは!

> 谷守さん
>
> 飯田さんは沢山しゃべって書いています。
> 下記をご覧下さい。
> http://smc-japan.org/?p=1657
>
> 丸谷

(2011/06/03 15:33), kurashino_kk wrote:
Subject: Re: [shinken-zenkoku][05166] こんばんは!テレビ番組のお知らせです。

 

> 谷守様
> 飯田哲也氏の主張については、3/25に東京支部の高田桂子さんが知らせてく
> れた「無計画停電」から「戦略エネルギーシフト」へという小論文がとても簡潔
> でわかりやすいと思いました。ダウンロードしてみてください。URLは
> http://www.isep.or.jpです。
>                 
>                            渡辺政利

(2011/06/03 15:39), 谷守正康 wrote:
Subject: RE: [shinken-zenkoku][05167] こんばんは!

> 丸谷さん
>
> 谷守です
> ご教示、有難うございました
> 早速ご教示のhttp、見させていただきました
> 以下の通りでした
>
> ・原発事故の出口提案がされている
> ・方向性としてはチェルノブイリの石棺
> ・但し、熱処理が困難
>
> 以上でした
> 方向性のご提案しかありませんが、しかしこのような日本の原子力の専門家の英知が
> 検討されなければならないと思います
> 原発事故は最大の緊急時であるので、国会がその機能を果たせない以上、行政立法と
> して政府が英知の声を聞いて対策を取るしか方法がないか?と思います
> しかし、飯田氏も指摘していたかと思いますが、行政も混乱している
> 行政が混乱しているのは、法の想定外だったからですが(法の想定内であれば、行政
> は粛々と業務を執行できた訳ですが)
> 法の想定外の事が起こったのに、法の作成者(国会)が有効な手立てを立てられず、
> 行政に求めるばかり
> 行政の長である首相が、立法資格のある政治団体=政党の自公に助けを何回か求めた
> が、あまりにも自覚の無い議員の方々には事の重大性が分からず、自らの職務の認識
> もなく、ただいつもの通り野党として与党にお断りするだけという状況
> 原発事故に対して立法府が自覚無し、行政は出口見えず(管首相はこの件に関しては
> 見えるまで務めると言ったのは一条の救いであるが)、このような状況下では国民自
> ら有効な方法を提案して国会に立法化させる事が求められていると思われる
> して見ると、国民が立ち上がらなければならない
> どのように立ち上がればよいのだろうか?
>
> 株式会社 谷守建築設計事務所
> 〒651-0097 神戸市中央区布引町2-3-5 不二建物ビル204
> 電話078-252-2296  FAX078-252-1186  
> ホームページ http://www.k3.dion.ne.jp/~tanimori

2011年

5月

31日

原発事故処理に5.7~20兆円 民間研究機関が推計

朝日新聞110531】民間シンクタンクの日本経済研究センター(東京都)の岩田一政理事長は31日、東京電力の福島第一原子力発電所の事故処理費用について、農漁業の補償を除いた最も楽観的なケースでも10年間で5.7兆円、条件によって20兆円以上になるとの推計を、内閣府の原子力委員会で報告した。

 土壌汚染の処理費が不明なため、福島第一原発から半径20キロ圏内の土地を一律で東電や国が買い上げるとの極端な条件で計算した。

 この場合、土地の買い上げ費用が公示地価から4兆3千億円、立ち退きを強いられる人への所得補償は平均所得から6300億円と計算。

 さらに、原発の廃炉費用は、米スリーマイル島原発事故を参考にすると10年で6兆円弱、旧ソ連チェルノブイリ原発事故を参考にすると約20兆円かかる計算になるという。汚染水や土壌の処理費、農漁業への補償は含んでいない。

2011年

5月

29日

滋賀民医連 健康まつり 「チェルノブイリの歌姫」 ナターシャ・グジー

(2011/05/31 15:32), wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0399] ナターシャ・グジーを迎えて健康まつり

> 本多です。
>
> 29日(日)に、滋賀民医連主催の「健康まつり」があり、孫たちを連れて参加してきました。
>
> あいにくの雨だったが、「チェルノブイリの歌姫」ことナターシャ・グジーが来てくれるということもあって盛会だった。
>
> 最初に、東日本大震災の被災地へ救援に行ってきた民医連メンバーが演壇から一人ずつ報告と感想を話した。滋賀には診療所が2つあるが、そのなかからこんなに多数が行ってくれたのかと思うほど(やく半数)の、医師・看護師・技師・事務員らが、それぞれ体験を報告し、会場から盛んな拍手を受けました。
> 会場ではもちろん支援カンパを行いました。
>
> 歌姫ナターシャ・グジーが登場する頃は超満員。(野外の予定だったが雨のため屋内になったのが残念。)
>
> バンドゥーラというウクライナの民俗楽器を演奏しながらの歌。
> この楽器は、日本の琵琶に似ているが弦が63本もある大型弦楽器。
>
> プログラムは
> *ママ・マリア  *深い井戸  *眠りたくないの  *いつも何度でも
> *秋桜(コスモス) *防人の歌  *幸せをありがとう  *アヴェマリア (カッチーニ)
>
>
> 秋桜や防人の歌は、日本人聴衆が好きだろうと考えてサービスしたというより、本人が好きな歌らしい。彼女が「ふるさとは死にますか~」(防人の歌)と悲しそうに歌うと、チェルノブイリの家とふるさとを全て喪失した彼女自身の悲しみが伝わってくるようだ。 
>
> しかし、眠りたくないの のような陽気な恋歌もいい。透き通ったきれいな歌声です。
>
>
>   彼女は歌の合間に、6歳のときのチェルノブイリ原発事故と、その後のいきさつを淡々と語り、「この誤りを繰り返さないで・・・」と訴える。
> (彼女は、福島の事故より以前から演奏会ごとに原発事故の誤りを繰り返さないように訴えている。)
>
> そしてアンコールの際には、選曲の理由を話すのだが、その中で「早く日本が平和になりますように、この歌(見上げてごらん夜の星を) を歌います」と言って、歌ってくれる。
>
> 自分が平和ボケしているせいか「平和になりますように」などと言われると一瞬「えっ?」と驚くが、彼女としては、福島原発事故が「収束」して被災者が自宅=ふるさとに帰れなければ平和とは言えないのだろう。
>
> 最後は全員で「ふるさと」を歌ったのですが、これは、会場に人々が知っているからという選曲でなく、彼女自身が原発事故でふるさとを喪失した悲しみ、チェルノブイリ被災者全体の悲しみを考えて、同時に「福島の人々がふるさとへ帰れるように」という願いを込めて選ばれたようです。
>
> 孫たちもナターシャが気に入ったようでした。

(2011/05/31 17:14), dffnq316@yahoo.co.jp wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0400] Re: ナターシャ・グジーを迎えて健康まつり

> 奈良支部の川本です。
>
> 私も5年程まえ、大和郡山市民会館でナターシャさんの歌を聴きました。
>
> 単に声がきれいで歌が上手というだけでなく、彼女の体験をもとにした原発をなくしたいという姿勢に感銘を受けたのを思い出しました。
>
> その時は、正直言って、まさか日本でこのような原発事故が起こるとは思っていませんでした。しかし、これを機会に私たち一人ひとりが真剣に原子力発電の危険性や大量消費の生活パターンについて考えていく必要がある、と思います。
>
> 経済効率優先で様々な道理ある警告を無視した東電に対する怒りとともに、日夜を問わず、現地で奮闘されている方々に頭が下がる思いです。

2011年

5月

28日

ETV特集 「福島原発から2か月-放射能汚染地図-科学者の調査記録」 再再放送(5月28日午後3時~NHK)

(2011/05/23 12:02), wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0324] Re: 放送問題を考える関西フォーラムと

ETV特集再再放送のお知らせ

 

> 本多です。
> 谷守さん、紹介ありがとうございます。
> 皆さん、谷守さんが紹介しているメールにある
> ETV特集「福島原発から2か月ー放射能汚染地図ー科学者の調査記録」
> は私も見ましたが、非常に重要な内容です。
> この調査をした科学者たちの多くは、以前から原発反対であるためか大学で差別
> され助手(助教)からの昇進を止められていた人たちです。
> 5月28日午後3時~NHKで再再放送されます。
>
> --- On *Mon, 2011/5/23, 谷守正康 wrote:
>
>
>     新建復興支援会議の皆様
>
>     兵庫・谷守です
>
>     下記の通り、テレビの案内が来ました
>
>     お時間ある方、ご覧下さい
>
>     株式会社 谷守建築設計事務所
>
>     〒651-0097 神戸市中央区布引町2-3-5 不二建物ビル204
>
>     電話078-252-2296  FAX078-252-1186  
>
>     メールtanimori@m7.dion.ne.jp
>
>     ホームページ http://www.k3.dion.ne.jp/~tanimori
>
>     *From:*nishikawa [mailto: ]
>     *Sent:* Monday, May 23, 2011 12:53 AM
>     *To:* nishikawa
>     *Subject:* 放送問題を考える関西フォーラムとETV特集再再放送のお知らせ
>
>     講演:Ⅰでは、今中哲二さん(京都大学原子炉実験所 助教)が「福島原発
>     で何が起こっているのか?」と題して話されました。
>
>     講演:Ⅱでは、醍醐聰さんの「震災報道とNHKの役割」でした。
>
>     立ち見が出るほど、この問題への市民の関心の高さが感じられました。次回
>     はもっと広い会場をという要望が出されています。
>
>     お2人の講師から、もっと、もっとたくさんの話が聞きたかった、というご
>     意見や質問が感想文の中に出されました。
>
>     時間の制限上、ご要望に十分お答えできませんでしたが、震災・原発報道と
>     メディアの在り方に視野を広げる企画になったと思います。
>
>     ちなみに、今中哲二さんも調査され、映像に出ているETV特集「福島原発か
>     ら2か月ー放射能汚染地図ー科学者の調査記録」が、5月28日午後3時~NHKで
>     再再放送されます。
>
>     放射能汚染の実態がよくわかる番組です。見逃した方はぜひ、ご覧ください。
>
>     また、NHK問題を考える会(兵庫)は、【メディアを考える市民のつどい】
>     「「震災・原発事故とメディアを問う」を行います。
>
>      日時:7月17日(日)1:30~  会場:兵庫県農業会館
>
>      講師:中川益夫さん(元京都大学原子炉実験所 講師)「原発問題とエネ
>     ルギー政策」 
>
>      講師:野中章弘さん(ジャーナリスト)「震災・原発報道をどう読むか」
>
>     予定日が近づいたらまた、ご案内します。「NHK問題を考える会(兵庫)」
>     西川 幸

2011年

5月

28日

京都支部ほか 「東日本大震災学習会」 を開催

日 時:2011年5月28日(土) 午後1時30分~4時30分

会 場:生協会館 4階 第1会議室(京都市中京区烏丸夷川東入 西九軒町291)

主 催:まちづくり市民会議、日本科学者会議京都支部、国土問題研究会、新建築家技術者集団京都支部

東日本大震災学習会・案内.pdf
PDFファイル 232.5 KB

当日資料

深尾正之:原発を考える.pdf
PDFファイル 2.7 MB
深尾正之:福島原発事故とエネルギー危機 ver142.pdf
PDFファイル 3.5 MB
松木康高:新建震災復興支援会議からの報告.pdf
PDFファイル 6.4 MB
別紙1:新建復興支援会議の今後の活動.pdf
PDFファイル 115.0 KB
別紙2:東日本大震災の現地状況と石巻市十三浜地区の結による復興の芽生え.pdf
PDFファイル 65.3 KB
別紙3:災害対策マニュアル・案内.pdf
PDFファイル 909.0 KB
まちづくり市民会議第17回総会・案内.pdf
PDFファイル 19.8 KB

当日の様子

(2011/05/29 23:10), wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0381] 東日本大震災学習会(京都)

> 本多です。
> 昨日(5・28)京都で開催された「東日本大震災学習会」の簡単な報告です。
>
> この集会は、新建京都支部とまちづくり市民会議、日本科学者会議京都支部、国土問題研究会の共催で開催されました。
>
> 地域の他の専門家団体と共催で、ある集会に取り組むことは、その集会自体も多様な参加者があって「ふくらみ」を持つことはもちろん、今後の活動にも大きなプラスがあると思います。
>
> 司会は新建の片方さん。
>
> 0:初めに、主催者を代表して「まちづくり市民会議」の中島晃弁護士が挨拶を行いました。
> 短い挨拶ですが、非常に重要な指摘でした。
>
>  簡単に紹介します。題して「大逆事件100年と福島原発事故」
>   この事故は1911年の大逆事件に始まった日本社会の構造的なゆがみから、ひきおこされた人為的な災害である。戦前の治安維持法の、国策に反対する言論を封じ込めようとする体制は戦後も継続してきた。その結果が、原発事故である。
>
> 1:主報告の前半は日本科学者会議の深尾正之さん「原発を考える」
>
> 原子炉の停止後の崩壊熱の話をはじめ、今回の原発事故の原因・背景・解決方向など詳しくて明快な報告でした。
>  今後の方向として、電力の「送電」と「発電」を(企業)分離して、「発電」は自由競争にすればよい、そうすれば原発をやる会社はない、(当然60サイクルに統一すること)と提案しました。
>
> 2:主報告の後半は新建復興支援会議の事務局次長・松木康高さんによる「新建・復興支援会議からの報告」
>
> この報告の内容は、皆さんがご存知のことですが、
> (1)新建の取り組み
> (2)被災地の状況と支援の動き
> (3)復旧・復興についての政策等の動き
> (4)自分たちに何ができるか
>
> 以上の4章に分けて、手際よく報告しました。とくに、被災地に実際に行ってきたスライドと報告が皆さんの関心を集めました。
>
> 3、質疑・討論
>
> 報告が予定時間どおりに済んだので、質疑討論の時間がかなり取れました。会場からの質問はやはり原発問題が多かったのですが、その中に、次の質問(意見)がありました。
>
> 「日本科学者会議は当初から原発の危険を指摘されてきたが、なぜ今回のような大事故が起きてしまったのか。国民に広く訴えて運動して、もっと前になんとかできなかったのか。論客は多いが行動は・・・」(科学者会議に批判的という感じでなく、善意の質問らしかった。)
>
> これは民主的な運動団体に対する、かなり本質的な質問で科学者会議の深尾先生も返答に窮したような様子だったが、同じ性格の問題は、建築とまちづくり専門家団体である私たちにも向けられたように感じた。
>
> <もっとたくさんの質問と返答は長くなるので、ひとまず報告はここまでとします。他の参加者から続報をお願いします。>

(2011/05/31 14:42), wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0397] Re: 東日本大震災学習会(京都)の資料

> 本多です。
> 榎田さん、学習会の準備、お疲れさま。
> 資料も全部、アップしていただいたので、参加できなかった皆さんにも内容がよく伝わると思います。
>
> 最初の中島弁護士の開会挨拶は(資料にはないので)、あらためて紹介します。
>
> (全文でなく要約です。)
>
> 中島晃:「大逆事件100年と福島原発事故」
>
>
> 今年は大逆事件で幸徳秋水ら24人に死刑判決がくだされてから丁度100年になる。100年後に原発事故が起こったことは決して偶然ではない。
>
> 国策に反対する思想や言論を封じ込めようとする体制は戦後も継続した。刑罰による弾圧は影を潜めたものの、非常に陰湿な形で、異論や批判を封じ込めようとするやり方がとられていた。
>
> 東京大学などでは原発を批判する研究者に教授ポストを与えなかった。教授ポストは原発政策を推進する”御用学者”に占められてきた。
>
> 原発推進を批判する者を敵視し、その行動を日常的に監視し、村八分にする異常な体制下で、「安全神話」が作られ、事故は起こるべくして起こり、起こった事故への対応まで歪めている。・・・
>
> 異論や批判を徹底的に排除するという、日本社会の歪んだ構造が根本的に改められない限り、福島原発事故に見られる不幸な厄災は、これから何度もふりかかることになろう。
>
>
> この文章が載っている(自由法曹団通信2011・5・11)のコピーが配布された。

(2011/05/31 18:26), wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0402] 汚染水の計算(Re: 学習会(京都)の資料

> 本多です。
>
> 京都での学習会で、科学者会議の深尾先生から「崩壊熱」の量の話などを聞いていたので、今日の国会中継の「汚染水」の差し引き計算のトンチンカンさが分かって面白かったです。
>
> 深尾先生の話は、復興支援会議HPにアップされるそうですから、それを見たほうが正確にわかりますが、ここでは、私のメモから。
>
> 原発について(深尾先生の話)*本多感想
>
> ・原発の特殊性
> (1)  火力発電では燃料供給を止めれば発電は安全に停止。原発では、制御棒で核分裂連鎖反応は止まるが、炉内の燃料は熱と放射線を出し続ける。この熱と放射線を止めることはできない。
> (2)  原発では、事故などで発電を停止しても、炉内に大量の(まだ使用中の)核燃料が残っている。これが危険だが、事故の場合は取り出しが困難。
> (3)  使用済みの核燃料に大量の放射性物資(死の灰)が含まれているが、その処分方法がない。(原子炉建家の中に大量の使用済み燃料が貯蔵してあるのは建前は「一時的」ということだが、実は廃棄場所がないからである。)
> *なるほど、それで停止中の原発(4号機)にも大量の使用済み各燃料があったのか。
>
> ・炉停止後の崩壊熱
> 「崩壊熱」は長期間、出続ける。(燃料が高温だから、それに水をかけて冷却すればよい、ということでなく、熱が出続ける。)その熱量は、福島第一の1機(2号~5号)で、停止後100日後でも3,80㎥/h(1時間に3,8トンの水を蒸発させてしまう熱。1日にすれば、91,2トンである。つまり、1機に1日に90トンの水をかけても全部蒸発してしまう熱量を出している。)冷却しなければすぐ高温になる。
>  燃料の水面から出た部分は1039,7℃になる。
> *この説明はわかりやすかった。90トンの水を蒸発させる熱量とは、大変なものだ。
>
> ・放射線被爆の曖昧さと難しさ
> 放射線はある量以上浴びると誰でも(全員が)死ぬ、あるいは重症になる。これはわかりやすい。しかし、低い量の被爆では、確率で(発癌などの)被害が出る。
> たとえば発症率0,0025%とすると、100人の工場での被爆ならば1人の患者が出る確率が0,25%だから、まず「影響なし」と言える。しかし東京圏(1500万人)が被爆したら375人の患者が出る。これは無視できない。しかも、癌患者を診察しても放射線の影響か、他の原因か区別できない。事故の10~20年後、統計で癌の発症率上昇は確実にわかるが、どの患者に(事故責任者が)補償すべきか特定できない。
>  放射線被爆には、ALARA(As Low As Reasonably Achievable=合理的に達成できる範囲で、できるだけ低く)という考え方が世界的に合意されている。とはいえ具体的許容基準も必要ということで1mSv/年とされている。
>
> ・今回の事故の経過について
> (これにも、マスコミ報道とは違う、いろいろな問題があった。ここでは省略)
>
> ・将来のエネルギーについて
> EUの多くの国は、原発はやむを得ず使っているが可能な限り自然エネルギーに還ることを公表している。日本だけが飛び抜けて自然エネルギーに無関心である。
>  菅首相も言う「送電」と「発電」の分離はぜひ実現すべきである。発電は市場原理で効率化を図る。熱を使う企業が、まず発電して、その廃熱を(事業に)使えば、効率は高まる。
>
> ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
>
> 以上は深尾先生の話のメモですが、上の方にある「崩壊熱」のところに、
> 事故から100日後で1日90トンの水を蒸発させる熱量とありますね。
>  
> これは100日後の発熱量で、
> 事故直後はもっと大量でした。
> 深尾先生の表では、1日後は26,58㎥/h(1日で638㎥の水を蒸発させる熱)
> 10日後は11,39㎥/h(1日で273㎥)
> 30日後は 6,83㎥/h(1日で153㎥)
>
> 現在、事故後80日なので、以上を計算すると(面倒なので10日までは少なめに10日後の量で計算して、273x10=2730㎥(トン)
>
> 11日目から(30日後を挟んで)50日目までの40日間は、
> 153x40=6120トン
>
> 51日目から80日目までは、少なめに100日後の量を使って、
> 90x30=2700トン
>
> 以上を合計すると、少なめに見て、11550トンの水を蒸発させるだけの崩壊熱が出たはずである。
>
> ■以上の知識をもとに、今日の国会の野党質問を見る。
>
> 浅尾慶一郎(みんなの党)が、3号機を例にして当初からあった水と、注水した量、排出した量などを差し引き計算すると「4270トンの水が行方不明である。
> これは汚染された水だ。こんな大量の水が行方不明とは、政府は何も把握していないのか?」と質問し、追求した。
> 政府側は、明快に返答できずあれこれ言っていたが、質問者も「そういう点もきちんとしてくれ」くらいのところで次の質問に移った。
>
> 上の計算で(少なく見積もっても)これまでに1機で1万トン以上の水を蒸発させているはずなのである。差し引き計算で4000トン少ないなどは、おかしくない、というより「計算がおかしい」程度の話である。
>
> どうやら、質問者も答弁者も、核燃料の崩壊熱の量を全然わかっていないらしい。
>
> 共産党の不破さんが、以前、原発問題で政府を追求して、一番困ったのは「政府側があまりにも原発のことを知らないことだ。」と書いているが、そういうことか。

2011年

5月

28日

兵庫県震災復興研究センター 「原発震災&被災者の生活住宅再建を考える」 を開催

日時:2011年5月28日(日) 午後1:30~5:00

会場:たちばな職員研修センター 3階研修室(兵庫県神戸市中央区橘通3丁目4-2)

主催:兵庫県震災復興研究センター

110528「原発震災&被災者の生活住宅再建を考える」チラシ.pdf
PDFファイル 209.2 KB

2011年

5月

28日

文部科学省 「年1ミリシーベルト以下目指す 国が福島学童の放射線で」

年1ミリシーベルト以下目指す 国が福島学童の放射線で

共同通信110528】文部科学省は27日、福島第1原発事故に伴い、福島県内の児童生徒が学校で受ける放射線量に関して「年間1ミリシーベルト以下を目指す」とする目標を示した。文科省は4月、校庭の利用制限の基準を毎時3・8マイクロシーベルト、年換算で20ミリシーベルトと通知し ていた。

 国際放射線防護委員会(ICRP)は非常事態の収束後の目安として年1~20ミリシーベルトを示しており、今回の目標はこの下限を参考にしたという。

 また、福島県内の小中学校などの校庭で毎時1マイクロシーベルト以上の放射線量が測定された場合、表土を除去する工事費用を国が補助すると発表した。

 高木義明文科相は「子どもや保護者に安心感を持ってもらえる措置を取った」と述べた。

 文科省によると、補助の対象は公私立の全ての幼稚園や小中高校などで、公立はほぼ全額、私立は半額。6月から順次、校庭の線量を計測する。自治体が独自の判断で既に実施している工事も対象とする。

 先行実施した自治体で、毎時1マイクロシーベルト以上の場合に放射線量の低減効果が大きいことが分かったため、今回の基準にした。

 補助するのは、文科省が5月に有効な線量低減策として提示した(1)表土を削って下層の土と入れ替える「上下置換方式」(2)削った表土を袋詰めにして深く掘った穴にまとめて埋める「穴埋め方式」―の二つを想定している。

 表土除去をめぐっては、国の費用負担や基準の明示を求める福島県内の自治体が相次いでいた。

 文科省はこれまで毎時3・8マイクロシーベルト以下の場合「表土除去は必要ない」としていた。しかし、5月17日に政府が示した福島第1原発の事故対応の工程表に土壌対策への早急な対応が明記されたため、検討を進めていた。

2011/05/28 00:29  【共同通信】

学校 1ミリシーベルト以下目指す

NHK110527】東京電力福島第一原子力発電所の事故で子どもたちの被ばくをいかに減らすかが課題となるなか、文部科学省 は、福島県内の学校で子どもたちが受ける放射線量を、今年度は、当面、年間1ミリシーベルト以下を目指すと発表しました。一定の放射線量を超えた学校につ いては、校庭の表面の土を取り除く費用のほぼ全額を国が負担するとしています。

福島第一原発の事故では、子どもたちが受ける放射線の被ばく量を減らそうと、文部科学省は先月、学 校での屋外の活動を制限する目安の放射線量を、年間の積算で20ミリシーベルト未満とし、できるだけ減らしていくという考え方を示しています。しかし、保 護者の中から目安の値が高すぎるといった不安の声が出ているほか、学校によっては、目安の放射線量を下回っても屋外活動を制限するなどの対応を取るところ も出ています。こうしたことも踏まえて、文部科学省は、福島県内の学校で子どもたちが受ける放射線量を、今年度は、当面、年間1ミリシーベルト以下を目指 すという目標を示しました。そのうえで、1時間当たり1マイクロシーベルトを超えた学校については、土を取り除くことで放射線量を下げる効果が見込まれる などとして、これらの処理費用のほぼ全額を国が負担するとしています。土の除去を巡っては、文部科学省が今月11日に、校庭の表面の土を下のほうと入れ替 える方法や、穴を掘ってまとめて地下に埋める方法が有効だとする報告書をまとめ、福島県内の一部の学校では土の除去が行われています。文部科学省は、来週 以降、福島県側と調整し、改めて福島県内の学校で放射線量の測定を行い、費用負担の対象とする学校を決めたいとしています。

 

(2011/05/28 11:40), gwjwk515@ybb.ne.jp wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0370] 学校では年間1ミリシーベルト以下に(文部科学大臣)

 

> 本多です。
>
> 年間20ミリシーベルトは高すぎる、ひどい!との抗議が高まっていた放射線量
> の問題で、文部科学大臣が「学校では年間1ミリシーベルト以下を目指す」とい
> う方針を発表した。
>
> http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110527/k10013148711000.html
>
> これはお母さんたちの声が届いたということなのか?私たちも署名運動に参加し
> たりしたので「努力の甲斐があった」と考えてよいのか。
> 「学校では」という意味は、通学路などでの被爆は別として、という意味か。
> すこしわかりにくい。

2011年

5月

26日

菅首相 「菅首相 「1000万戸に太陽光パネル」 30年までに設置」

菅首相「1000万戸に太陽光パネル」30年までに設置

日経新聞110526】【パリ=永井央紀】菅直人首相は25日夕(日本時間26日未明)、パリ市内で開いた経済協力開発機構(OECD)設立50周年記念行事で講演した。今後のエネルギー政策について、原子力や化石燃料に加えて自然エネルギーも重視する方針を表明。「太陽電池の発電コストを2030年に現在の6分の1に引き下げ、日本中の設置可能な1000万戸の屋根に太陽光パネルを設置することを目指す」との構想を明らかにした。

 現行のエネルギー基本計画は「基本的に見直す」と明言。発電電力量に占める自然エネルギーの比率を現在の9%から「20年代のできるだけ早い時期に20%を超える水準となるよう大胆な技術革新に取り組む」と強調した。現行計画の目標は「30年に20%」で、前倒しを打ち出した格好だ。

 首相は東日本大震災からの復興では「国際社会に開かれた復興を目指し、世界の繁栄と発展のために国際貢献を続けていきたい」との意向を表明した。


2011年

5月

26日

海水注入、実は原発・吉田所長が独断で継続

読売新聞110526東京電力福島第一原子力発電所1号機の炉心を冷やす海水の注入が、東日本大震災の発生翌日に一時中断していたとされる問題で、東電は26日、「実際には海水注入は継続していた」と発表した。

 同原発の吉田昌郎(まさお)所長が、事態の悪化を防ぐため必要と判断し、東電本店の意向に反して独断で継続したという。この問題をめぐっては、政府・東電統合対策室が中断の根拠として示した班目(まだらめ)春樹・内閣府原子力安全委員長の発言内容が訂正されたばかり。政府・東電の情報発信のあり方が改めて問われそうだ。

 統合対策室は21日、海水注入中断の経緯を公表。その中で、東電は3月12日午後7時4分に海水の試験注入を始めた後、原子炉の再臨界を懸念した官邸の意向に配慮し、7時25分に独断で注入を中断。その後、首相の指示を受け、8時20分に再開し、55分間の中断が起きていたとしていた。しかし、実際には、官邸詰の東電社員から「首相の了解が得られていない」との連絡を受け、東電は東電本店と第一原発を結んだテレビ会議で中断を決定。吉田所長は、この場で反論はしなかったが、独断で注水を継続した。

 午後8時20分に注水を再開したとの連絡が、吉田所長名で入ったため、東電は中断が起きたと判断した。東電は今月24、25の両日、吉田所長らに聞き取り調査を実施。吉田所長は事実を明かした理由について「国際原子力機関(IAEA)の調査もあり、正しい事実に基づき評価が行われるべきだと考えた」と説明したという。吉田所長は1979年入社。昨年6月から所長を務めている。

 東電の松本純一・原子力立地本部長代理は「最初に公表した調査結果は、本店の関係者と、本店に残っているメモだけを基にした」と調査が不十分なまま公表したことを認めた。


2011年

5月

25日

福島第1原発:「土壌汚染600平方キロ」推計値を報告

福島第1原発:「土壌汚染600平方キロ」推計値を報告

セシウム137が1平方メートル当たり148万ベクレル以上と算定された地域
セシウム137が1平方メートル当たり148万ベクレル以上と算定された地域

毎日新聞110524】東京電力福島第1原発事故で、原子力発電環境整備機構(NUMO)の河田東海夫(とみお)フェローは24日、内閣府原子力委員会(近藤駿介委員長)の定例会で、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)で居住禁止となった区域と同レベルの土壌汚染が、福島県内で約600平方キロにわたって広がっているとの推計値を報告した。河田氏は「大規模な土壌改良が不可欠だ」との見解を示した。

 チェルノブイリ原発事故では、1平方メートル当たり148万ベクレル以上の土壌汚染地域約3100平方キロを居住禁止、同55万~148万ベクレルの汚染地域約7200平方キロを農業禁止区域とした。

 河田氏は、文部科学省が作成した大気中の放射線量地図を基に、福島県内で土壌中の放射性物質「セシウム137(半減期30年)」の蓄積量を算定した。その結果、1平方メートル当たり148万ベクレル以上の地域は、東京23区の面積に相当する約600平方キロ、同55万~148万ベクレルの地域は約700平方キロあり、それぞれ複数の自治体にまたがっている。

 チェルノブイリ事故では年間5ミリシーベルトの被ばくを居住禁止の基準とした。自然に被ばくする線量は世界平均で年間2.4ミリシーベルト、ブラジルやイランの一部地域では同10ミリシーベルトに達していることを考慮すると厳しかった。今回の事故で政府は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を基に空間線量年間20ミリシーベルトを避難地域の基準にしている。河田氏は「福島では土の上下を入れ替えるなど、対応をしっかりすれば避難者は戻ることが可能」と冷静な対応を呼びかけている。【比嘉洋】

 

2011年

5月

23日

参議院 参議院参考人質疑・動画(脱原発への道)

(2011/05/28 11:41), gwjwk515@yahoo.co.jp wrote:
Subject: [fukkoushien_nuae:0371] 参議院参考人質疑・動画(原発問題)

> 本多です。
> 参議院の参考人質疑で、原発問題に関して非常に重要な発言がありましたが、TV
> ニュースなどに出なかったものです。知人から紹介されました。(少し長いです
> が、特に最初の小出さんの発言はいいです。)

>

> USTREAMに脱原発の興味深い動画が載ってました。
> http://www.ustream.tv/recorded/14906087