「脱原発を」福島の親子らが訴え
【毎日新聞110821】北海道電力泊原発3号機(泊村)の営業運転再開に抗議するデモが21日、札幌市中央区で行われ、福島県から市民団体に招待され道内に滞在していた親子ら約50人も参加した。「原発はいらない」などと訴え市中心部を練り歩いた。
デモは道労連と札幌市の市民団体「SHUT泊」の呼びかけで実施された。約300人の参加者は横断幕などを手に、高橋はるみ知事が17日に泊3号機の営業運転再開に同意したことについて「道民は承知していない」などと訴えた。
福島県の約50人はこの日、北海道を離れた。子供3人と7月末から滞在した福島市の保険外交員、斎藤夕香さん(39)は「福島ではもう放射能や原発のことを『考えたくない』と言って話題にしない人も多い。同じ悲劇を繰り返さないために、あきらめず脱原発を進めてほしい」と語気を強めた。
同県川俣町から家族5人で訪れていた会社員、佐々木智美さん(27)は道内滞在中に子供から「この花に触ってもいいの?」と聞かれたことが忘れられない。「すんなり営業運転が再開してがっかりした。北海道は人が優しく自然も素晴らしい。福島のようになってほしくない」と話した。