大波、最大3.0マイクロシーベルト 県都で避難勧奨地点検討も
【福島民報110803】政府の原子力災害現地対策本部と県災害対策本部は3日、福島市東部の大波地区の370地点で放射線量を調べた結果、最大で毎時3・0マイクロシーベルト(地上50センチ)だったと発表した。
放射線量が局地的に高いホットスポットの特定避難勧奨地点指定に向けた調査の一環。大波地区は福島市中心部から東に5キロほどの山あいの地域。避難勧奨の対象となった伊達市の小国地区に隣接している。今回の結果で県庁所在地の福島市でも勧奨地点の指定が検討される可能性が出てきた。
調査は7月23~28日に県職員と日本原子力研究開発機構(JAEA)の職員計18人が9班に分かれ実施した。大波地区の民家の庭と玄関のそれぞれ地上1メートルと50センチで測定した。地点の中で毎時3・0マイクロシーベルトと最も高かったのが「城前・水戸内向」の1地点の地上50センチ。次いで「岩崎・冷田山・四条内」の1地点の地上50センチと1メートル、「入笠石・笠石」の1地点の地上50センチ。最も低かったのが「舘・水戸内」の1地点の地上50センチで毎時0・23マイクロシーベルトだった。
原子力災害現地対策本部は「今後の対応については福島市と協議していきたい」としている。
瀬戸孝則市長は「今回の調査で極端に線量の高い地点はなかったが、一部に高い地域もあると認識している。早急に結果を精査して国・県と協議し、住民の不安が払拭(ふっしょく)できるよう適切な対策を講じていきたい」とコメントした。