新建東日本大震災復興支援会議を設立しました
2011年4月5日、新建築家技術者集団は、建築とまちづくりの専門家集団である全国組織として、被災地(東北だけでなく関東や信越を含めた)の活動と協働して、その復興を支援することを目的に、全国常任幹事会に付属する新建東日本大震災復興支援会議(略称:新建復興支援会議)を設立しました。【設立趣意書】
「東日本大震災」 救援募金を呼びかけます
全国の新建会員の皆様へ
東日本大震災復興支援活動募金にご協力お願いします
2011年3月11日に起きた東日本大震災は、地震発生後の巨大津波、原発事故も併せて国内外に大きな衝撃を与えました。半年を過ぎても、被災者の生活再生、被災企業の再建は課題が山積みです。更に、放射能被害を受けた広範な地域では、長期展望が立てられず復興の道が見えていません。
全国の皆さんには、新建らしい復興支援のための活動と同時に、復興支援募金へのご協力をお願いしてきたところです。会員・建まち読者の皆様から、趣旨に賛同して頂き、募金に御協力頂きました。誠に有り難う御座いました。
この間、新建では、大震災直後の全国幹事会で第一次声明を採択し、支援組織(新建・東日本大震災復興支援会議)を立ち上げ、先遣隊を派遣し、被災地における新建会員をはじめとする専門家の活動への協力、全国の会員の後方支援活動と被災地とのパイプ役を果たし、被災地に宿泊拠点(サポートイン仙台)を設け、全国の多くの会員の利用に供してきました。また、HPを立ち上げて、諸団体の支援活動も発信してきました。一方、支援調査を通して現地での具体の相談活動も進めてきましたことなど、「建築とまちづくり」誌でご報告してきましたとおりです。
現地では、これまでにも増して建築とまちづくりの分野で私たちの専門性が求められており、現地活動を飛躍的に強めていく必要があります。こうした支援活動を強化していく上で、引き続き活動募金を呼び掛けることと致しました。
支援活動は、これまでと同様に基本的にはボランティアで進めますが、特に若い技術者の経済的負担が現地活動を難しくしている状況を改善するため、「復興支援活動助成制度」を設けて執行することにしました。
趣旨ご理解頂きまして、一層の御協力をお願い致します。
2011年9月 新建築家技術者集団全国幹事会
※「建築とまちづくり」誌上に支援活動報告を掲載していくほか、3ヶ月毎に収支明細も掲載して、皆様からお寄せ頂いた支援募金が活かされていることをご報告させて頂きます。
詳細は【こちら】です。
■■建築とまちづくり展2012■■
■■建築とまちづくり展2012■■
- テーマ:「あらためて生活の豊かさを問う」~地震・津波・原発災害を体験して~
- 日時:2012年10月28日(日)10:00~17:00
- 会場:コア・いけぶくろ(豊島区民センター)
- <1階ホール>
- ・パネル展示とショートトーク
- ・建築とまちづくり相談コーナー
- ・協賛企業パネル展示
- <4階会議室>
- 講演、ワークショップを開催
- 講師:室﨑益輝氏、片方信也氏、丸谷博男氏 他
8月24~26日 「2012建築とまちづくりセミナー」in仙台 開催!!
福島原発災害と大飯原発再稼動に関する見解
2012年4月26日
新建築家技術者集団
政府は,いま関西電力大飯原発3,4 号機を再稼働させようとしている.電力会社自身が行うストレステスト(耐性試験)一次評価を妥当とし,さらに新たに設けた安全基準も満たしたとして,再稼働を要請する方向に動いている.
わたしたちは,東京電力福島原発の災害の根本的な原因が何であるかを国民の前に明らかにせずに,大飯原発再稼働を容認しようとする政府の対応に対して不信の念を深めざるを得ない.まして,福島原発災害による地元自治体の住民の放射性物質による被曝の実態を正確に把握することや地域の汚染状態を科学的に解明することもほとんど進んでいない状態で,どうして再稼働へと舵を切ることができるのか.元をたどれば,今回の事故の原因をつくったといえる経済産業省,原子力安全・保安院が安全宣言できる資格があるのかも問われる.
わたしたちは,こうした深刻かつ緊急の事態に対処する方向について,国民が納得できるような説明がいまだに行われていないことに原発推進の科学技術のゆがみを見ないわけにはいかない.また,そうした技術に人間の未来社会をゆだねることはできない.原発と隣り合わせの生活環境のなかにあって,これまでたびたび起こっている事故によって高まってきた地域住民の日々の不安と苦悩を深く共有することなく,建築物とまちづくりにかかわるエネルギー供給のシステムを,利用するだけの立場であったことを深く反省するとともに,大飯原発の再稼働には反対の意志を表明する.
そもそも政府の事故調査・検証委員会の「中間報告」でも,地震動によって格納容器内に何が起こったかは解明されていない.原発事故の根本に関わるその点については,科学的な調査と検証がいつ実施できるかも見通しが立たない状態である.東日本大震災に次ぐ大規模な地震が予測されている地震国日本で,本当の原因解明を不問にすることは許されない.
内部被曝に関する問題でも,「中間報告」は人体への影響についてはそのメカニズムが十分明らかにされていないという立場をとっている.これでは被災者はもちろんのこと,国民全体の被曝に関する不安を除くことはできない.
再稼働の「政治判断」は,「中間報告」の最終報告も行われていない段階で下されようとしている.これでは災害の真の原因の科学的評価が政府内では不問に付されることになりかねなく,真の原因が闇に葬られる危険がある.これは科学の本来の可能性や人知の深化を封じ込める科学進歩の自滅行為につながる.
わたしたち建築技術者は,原発導入による国の地域開発政策が福島の今回の災害をもって完全に破綻したと考える.使用済み核燃料をはじめとする放射性物質の科学的な完全処理の技術を確立し得ていない原発は,地域生活空間とは共存できない施設であった.政官財の「原子力ムラ」体制が押し付けてきた原発は,地域住民の生活空間とは「水と油」の異質の伏魔殿であった.「安全神話」は,この矛盾を覆い隠すために振りまかれたのである.
以上のような認識に立って,わたしたちは,大飯原発の再稼働に反対し,同時に次のように意思表明する.
1.政府と電力会社はすべての原発を停止し,廃炉にすること.そうすることによって,政府は,
脱原発の社会を目指すという基本方針を国民に発すること.
2.政府は,福島原発災害による放射性物質の人体への影響とともに,生活環境,自然環境やすべての
生産・仕事の環境への影響を科学的に明らかにし,人々の被曝への不安の原因を取り除くよう,特別
の体制をもって継続的に対応すること.また,その原因を取り除くことによる地域生活空間の再生をど
のように進めることができるかを地域住民が納得できるまで説明を続け,具体策を講じること.
3.政府は,特別立法をもって,すべての原発立地の地域と自治体が,原発のない地域づくり,まちづくりを
進められるよう特別の施策を講じること.
4.原発を明確に放棄し,自然再生エネルギーの開発と供給を柱にして,現行の「エネルギー基本計画」を
ただちに抜本的に見直すこと.
5.わたしたちは建築技術者として,新建の活動の到達点を総括しつつその理念を高く掲げて,住み手・
使い手とともに真に自然環境に適応し,自然環境と共生できる建築創造とまちづくりに一層貢献する
決意である.
新建築家技術者集団 第28回全国大会記念~新建復興支援フォーラム~
ネルディスカッション:震災復興はどこまで進んでいるのか
――これからの建築家技術者の役割は――
日時 11月26日(土) 午後1時~3時15分
場所 横浜市従会館 4階ホール(横浜市西区宮崎町25 TEL 045-241-5866)
パネリスト 佐藤隆雄 東京支部 安全・安心な社会創造研究所
(敬称略) (独)防災科学技術研究所 客員研究員)
岩渕善弘 宮城支部 東北学院大学非常勤講師
黒田達雄 兵庫支部 黒田達雄建築研究所
山下千佳 東京支部 住まいとまちづくりコープ
進行 鎌田一夫 千葉支部 住まいの研究所
7月9日(土) 東日本大震災津波救援し復興岩手県民会議結成アピール(案)
本国(7月9日)、盛岡市内におしゝて「東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議」(略称 救援・復興岩手県民会議)を結成しました。結成総会は、東幹夫(日本科学者会議岩手支部代表幹事)・加藤善正(岩手県生活協同組合連合会会長理事)。中里長門(前陸前高田市長)・箱石勝見(岩手県保険医協会会長)。前||!慧一(釜石地域革新懇事務局長、東日本大震災被災者の生活再建めざす釜石。大槌の会代表)・渡辺喜代子(岩手県母親大会連絡会会長)の6氏の結成よびかけに応え、被災地を始め多くの方々の参加のもとで成功しました。
未曾有の災害発生から4か月近くが経過しました。県内の被災地では応急仮設住宅への移行とともに、「結露、湿気がひどしヽJなど住みやすい住宅を求める声が出ています。県立高田高校が全壊するなど小中・高校の学校施設が甚大な被害を受けたために、スク ールバスによる仮校舎や他校での分散授業となるなど厳しい教育環境が続いています。また、福島原発事故による放射能汚染も県内の牧草地まで広がり、その影響に対する不安が広がつています。しかしながら、こうした被災地がたいへんな事態に置かれているにもかかわらず、松本龍復興担当相が自らの資格が問われる暴言により就任9日目に辞任するなど政府対応への怒りは高まる一方です。
私たち救援・復興岩手県民会議は「被災地の声が届いていない」という現状を直視し、何よりも被災者・被災地本位の復1日・復興づくりをめざす運動を被災者一人ひとりの苦難に寄り添つてすすめます。破壊された生活と生業(なりわい)の基盤回復のために国が責任を果たすことを求めます。岩手 県の「復興基本計画(案)」には被災した高田0大槌・山田の3県立病院の再建が明記されていない問題や、三陸縦貫道など従来型の大型開発優先など看過できない問題点もあります
こうした立場から、結成後に以下の取り組みをすすめます。
① 被災者の生活と生業(なりわい)の基盤の早期回復を最大の課題とし、復興のすすめ方は被災地を無視した上からの青写真押し付けは許されないという立場で復旧・復興をめざします。
② 岩手県が公表した「復興基本計画(案)」のパブリックコメント(7月末まで)への取り組みをよびかけるとともに、被災者・被災地の要求にもとづいて県要請を行います。
③ 被災地へのポランティア活動など支援の取り組みについて連携をはかりながら強めていくとともに、学習・交流会、シンポジウムなどを開催します。また、被災地における実態調査をすすめる取り組みにも協力を行うなど提言づくりに参加します。
④ 宮城県、福島県の復興支援・共同センターなど、被災3県の連携をはかりながら住民が主人公の復興、地域医療・福祉・教育、経済の再生をめざし取り組みます。
⑤ 福島原発事故の早期収束と東電や国からの金面賠償、放射能汚染問題への対応を求めます。原発からのすみやかな撤退と自然エネルギーの本格的導入をめざし運動します。
救援・復興の一点にもとづく幅広い結集をめざすとともに、被災者に希望が見える真の復興をめざして運動をすすめましよう。
2011年7月9日
東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議結成総会
7月9日(土) 東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議設立総会報告
岩手支部 小笠原浩次
7月9日、被災者の立場に立った復興をめざそうと「東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議」(略称 救援・復興県民会議)の設立総会の様子をお知らせします。
盛岡市で開かれた総会には、約200名が参加しました。往復4時間以上かかる被災地からの参加者も多く、県民会議によせる期待の大きさを感じました。
被災地からの報告では、陸前高田の藤倉市議は「戸羽市長の2千戸の公営住宅構想を紹介」、大船渡市漁協理事の新沼氏は「全資材流失救済のため、国の全面支援でカキ養殖の復興を」、釜石革新懇の前川氏の「雨漏れ・結露・ハエの大量侵入のプレ協仮設住宅の現状と改善の訴え」、大槌町の阿部町議が「九死に一生を得た自身の体験と、復興には憲法25条(生存権)の保障の訴え」、山田町の大杉さん(食堂『三陸味処』経営)は「4年前に6千万円をかけて拡張、全てを流されたが、再開に向けて頑張る決意」を語りました。また、県医労中野委員長は、県の復興計画案には高田・大槌・山田の被災地の県立病院の再建が明記されていないと指摘し、「県立病院を元に戻すためにともに頑張りたい」と決意表明。
開会冒頭の佐藤隆雄先生の記念講演「東日本大震災の応急対応から復旧・復興を考える」のなかで、「復興の原則・基本は『医・職・住』!」と「被災地ごとに復興まちづくり協議会の設立を!」の重要性を、発言からも学ぶことが出来ました。
さらに、ボランティア参加の青年を含む12人が発言。最後に結成アピールを採択し閉幕、予定を30分もオーバーする熱気のある総会となりました
当日までの加入団体は22団体で、その中でも、科学者会議岩手支部・保険医協会・母親大会連絡会・自由法曹団岩手支部・婦人民主クラブ盛岡支部・農民連・岩手農民大学・国民救援会・一関生活と健康を守る会など、今までに無い参加団体で、広さと層の厚さを期待される「県民会議」発足となりました
新建岩手支部の団体加入もその意味では新鮮で、冨岡支部代表を世話人に出すことになりました。支部からも4人が参加し、これからの支部の役割を確認する絶好の機会になりました。
【終了】9月8日(木) 「東日本大震災の現状と課題」 ・・・被災地から見えてくる復興まちづくりとこれからの防災計画のあり方 を開催します
「東日本大震災の現状と課題」
・・・被災地から見えてくる復興まちづくりと
これからの防災計画のあり方
9月8日(木)18時~21時
場所:千葉市文化センター 5階 セミナー室
報告:東北地方の被災地の状況
鎌田一夫 復興支援会議事務局長
講演:「東日本大震災の現状と課題」
・・・被災地から見えてくる復興まちづくりと
これからの防災計画のあり方
鈴木 浩 福島大学名誉教授
(福島県復興ビジョン検討委員会座長、
宮城県女川町復興計画策定委員会会長)
参加費:一人1,000円(資料代含む)
問合せ:新建千葉支部事務局
申込み (株)ゆま空間設計 加瀬澤文芳
TEL:043-253-8801 FAX:043-253-8806
URL: http://www5e.biglobe.ne.jp/~shinken/chiba/
【終了】9月3日(土) ”「日本の明日を考える」原発に依存しない復興を”を開催します
「日本の明日を考える」原発に依存しない復興を
9月3日(土)13時30分~17時
場所:エデュカス東京 地下会議室
講演:「原子力に依存しない
安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」
鈴木 浩氏
(新建東日本大震災復興支援会議メンバー) (福島県復興ビジョン検討委員会座長/福島大名誉教授)
<問合先> 防災問題を考える首都圏懇談会
事務局:千代崎一夫/山下千佳
TEL 03-5986-1630 FAX 03-5986-1629
【終了】7月9日(土)東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議 「結成総会」 を開催します 【岩手】
東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議/結成総会
日 時:2011年7月9日(土) 13時30分~16時頃
会 場:盛岡市勤労福祉会館大ホール(福岡市紺屋町2-9)
第一部:記念後援 佐藤隆雄氏(大船渡市出身)
安全・安心な社会創造研究所 代表
災害復興まちづくり支援機構 事務局次長
関西学院大学復興制度研究所 客員研究員
第二部:結成総会
問合先:岩手研労働組合連合会(いわて労連)
TEL019-625-9191 FAX019-654-5092
詳細は【こちら】をご覧下さい。
【終了】 4月28日(木) 被災地復興支援先遣隊報告会 を開催します
約50名の参加で開催されました。詳細及び当日の配付資料・記録は【こちら】に掲載します。
【終了】 5月7日(土) 東日本大震災チャリティージャズライブ を後援します
約130名の参加で開催されました。詳細及び当日の様子は【こちら】をご覧下さい。
【終了】 5月8日(日) 名取市閖上地区日和山 「鎮魂と連帯の響き」 を後援します
詳細及び当日の様子は【こちら】をご覧下さい。
【終了】 5月12日(木) 液状化についての研究会(千葉) を開催します
約80名の参加で開催されました。詳細及び当日の様子は【こちら】をご覧下さい。
【終了】 5月13日(金) 現地調査(2011.5.3~5.6)報告会 in 福岡 を開催します
詳細及び当日の様子は【こちら】に掲載します。
【終了】 5月28日(土) 東日本大震災学習会(京都) を開催します
約40名の参加で開催されました。詳細及び当日の様子は【こちら】をご覧下さい。
【終了】 5月29日(日) みやぎ県民センター設立のつどい を開催します
約400名の参加で開催されました。詳細及び当日の様子は【こちら】をご覧下さい。
【終了】 6月11日(土) 住まいは人権デー・市民集会 を開催します
詳細及び当日の様子は【こちら】をご覧下さい。
最新情報 新建の取り組み
2018年
9月
12日
水
災害復興支援カンパの重ねてのお願い【全国・復興支援会議】
9月6日未明に北海道胆振東部地震が発災し、甚大な被害が出ています。西日本豪雨災害から2ヵ月の間に台風21号災害に続いて列島騒然です。被災地の復旧・復興支援に会員のカンパを重ねて訴えるものです。是非ご協力のほどお願い致します。現地に足を運べなくても出来る支援です。
添付「災害復興支援カンパのお願い」にご賛同頂くと同時に近くの会員にも周知の上、賛同を募って頂きたくお願い申し上げます。
2018年9月12日
災害復興支援会議事務局長 新井隆夫
全国事務局長 三浦史郎
2017年
9月
25日
月
避難指示解除後の福島県浪江町:現地視察【復興支援会議】
日 時:2017年6月25日(月)~26日(火)
訪問先:福島県浪江町
主 催:新建東日本大震災復興支援会議
『現地視察報告書』を掲載しました。
視察行程<予定>
9/25(月)
*視察団福島着
*間野マイカーで二本松に移動 *昼食(安達道の駅or石内団地浪江レストラン)
■視察1)①安達運動場仮設住宅、②石内復興公営住宅団地、③新町なみえ住宅開発
■ヒアリング1)15:00浪江町商工会長・新町なみえ 原田雄一氏 at新町なみえ事務所
*福島に移動 ホテルで一服
*浪江町職員懇親会(金山、近野氏)18:30<未定>
9/26(火)
*ホテル発08:30 *R114通過
■視察2)帰還困難区域 下津島(立ち寄り)
■ヒアリング2)10:30 浪江町行政区長会会長・権現堂行政区長会会長佐藤秀三氏 at佐藤氏自宅
■視察3)イノシシ被害宅(?)など中心市街地
*昼食:まち・なみマルシェ(仮設商業施設)
■ヒアリング3)13:30浪江町役場 企画財政課 野村佳祐氏 at 役場
■視察4)15:00中心部(災害公営住宅他)~請戸
*浪江発~福島発(解散)
『避難指示解除後の福島県浪江町の現地報告書』
もくじ
はじめに 鎌田一夫 … 5
1. 浪江町の被害と復興
浪江町の被災とこれまでの動き 浅井義泰 … 6
本格復興期に入った浪江町の現状を概観する 三浦史郎 … 8
2. 帰還に向けた町内の取組み
中心市街地の状況 浅井義泰 … 11
町内の再建を目指して 佐藤隆雄 … 13
町内での居住地の形成 渡辺政利 … 16
津波被災地の復興/計画と現状、そして将来 鎌田一夫 … 18
町民の思い 帰還できる条件を整え、人が住んで再生を進める 浅井義泰 … 20
3. 町外での暮らしを支える
安達運動場仮設住宅と被災者の現状 浅井義泰・鎌田一夫 … 21
町外での居住地の形成 新井隆夫 … 23
商業の復興と町外コミュニティ 乾 康代 … 25
案内役より、新建への期待を込めて 間野 博 … 28
おわりに 乾 康代 ….29
はじめに
このレポートは、新建築家技術者集団・災害復興支援会議(旧称:東日本大震災復興支援会議)が2017年9月25・26日に行った福島被災地(浪江町)の視察報告です。
新建の復興支援会議は東日本大震災直後に設立され、専門家による支援活動の活性化を目的とし、全国の新建会員や建築家技術者と被災地を結ぶ活動をしています。その活動の一環として、支援団や視察団を組織して東北の多くの被災地を訪れてきました。福島に関しては、2012年の「建まちセミナー/仙台」では、浪江町を主対象として<原発事故で何が起きているか>をディスカッションし、深刻な事態を共有しました。さらに、2015年には「建まちセミナー/福島」を開催。一般には入れない原発事故被曝地の現実を、多くの会員が目の当たりにするという貴重な現地視察を行いました。
このように新建は被災地福島に注目し、何が支援できるかを考えてきました。そのなかで、今年3月の準備区域の全面避難指示解除は注目すべき動向です。予想された通り、ほとんどの人が戻れない、戻らないという状況での避難指示解除は何をもたらしているのか。何はともあれ、現地で直接見聞しようというのがこの視察の「出発点」です。
災害とは、地震や津波、洪水といった天変地異を原因とし、人間社会の被害を結果とするものです。2011年に東日本を襲った天変地異は千年に一度といわれる巨大なものでした。それでも、条件や対応によって被害に差が出てきます。その差に学び、被害を抑えようというのが防災や減災です。一方、天変地異の程度に比べ被害が余りに大きいと、人的な原因による人災に近くなります。災害の中に存在する人災を峻別するのは難しいところもありますが、原因と責任を明確にすることは被害の抑制につながります。
今回の原発事故は明らかに人災です。地震や津波で原子炉そのものが破壊された訳ではありません。外部電源や予備電源が作動せず、電源に依らない注水に失敗し、炉の温度制御が出来なくなったからです。想定外だったのは地震や津波ではなく、核分裂のコントロールだったのです。スリーマイル、チェルノブイリ、福島――引き金が人為ミスでも天変地異でも、制御不能に陥る未熟な技術なのです。
東北各地の被災者の方々は、何でこんな目に合うのだという気持ちを押し殺して再生に向かっています。そこには、少しオーバーですが、天変地異をもたらす大自然と向き合う小さな人間の大きな意志を感じます。しかし、原発事故被災者の方は人災なるが故に、何でこんな事にという悔しさを抑え切れないでしょう。加えて、廃炉処理での事故や高線量地に隣接しているため、追加被曝の危険が付きまといます。
被災者が、住み慣れた土地でそれまでに築いた基盤を基に生活と生業を再建したいと願うのは当たり前のことですが、原発事故被災地では元の地に戻るということ自体が困難なのです。住民の考え方も様々で、行政に対する評価・反応にも差異が生じます。原発事故の処理(原因解明、責任と賠償、原発政策の転換)をないがしろにしたまま早期帰還を促す国の方針に振り回され、現地では深刻な問題に直面していると言われています。短期間の視察ですが、その問題をどこまで掘り下げ得るかがこの視察の「目標点」です。
今回見聞してきたことを参加者が分担してこのレポートをつくりました。多くの人達と福島の厳しい状況を共有するのが目的ですが、この視察でお世話になった方々、丁寧に対応して頂いた住民や役場に方々への感謝とお礼の印でもあります。とりわけ、福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任教授の間野博さんには対象地の選定や行程、ヒアリング相手の調整まで全て手配して頂きました。心より感謝申し上げます。また、先年の「建まちセミナー」では、福島大名誉教授の鈴木浩さんにご尽力頂きました。
支援会議の活動にご協力下さった方々に、改めてお礼申し上げます。
新建災害復興支援会議 鎌田一夫
資料 空間線量図、まちづくりイメージ鳥観図(クリックで拡大)
2016年
12月
10日
土
復興応援 暖暖まつり 「炊き出し&なんでも相談会」 【宮城災対連】
日時:2016年11月10日(土) 11:00~13:00
会場:女川町 町民野球場仮設住宅(テント下)
主催:宮城災対連・東日本大震災共同支援センター
2016年
11月
04日
金
災害対策全国交流集会2016 inふくしま 【全国交流集会2016inふくしま実行委員会】
日時:2016年11月4日(金)~5日(土)
会場:いわき市新舞子ハイツ
主催:全国交流集会2016inふくしま実行委員会
※新建は、実行委員会の構成団体である全国災対連の構成団体のひとつです。
2016年
8月
09日
火
第2回 防災実践報告会 「熊本地震報告-教訓を生かした地震対策を!」 【復興支援会議・新建東京支部】
日時:2016年8月9日(火) 18:30~
会場:都市住宅とまちづくり研究会(千代田区神田東松下町33 COMS HOUSE 2階)
主催:新建東日本大震災復興支援会議
過去の「新建の取り組み」はこちら
最新情報 諸団体/個人の取り組み
2019年
6月
08日
土
県民センター設立8周年記念シンポジウム 【東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター】
日時:2019年6月8日(土) 13:30~17:00
会場:仙台市戦災復興記念ホール
主催:東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター
2019年
1月
09日
水
第143回 ふくしま復興支援フォーラム「川内村とむらの大学」【よびかけ人】
日時:2019年1月9日(水) 18:30~20:30
報告:小島 彰 氏(福島大学 人間発達文化学類 教授)
会場:福島市アクティブシニアセンター「AOZ(アオウゼ)」 大活動室1
MAXふくしま 4F(福島市曾根田町1-18)*入場無料、予約不要
主催:よびかけ人
2018年
6月
07日
木
第129回 ふくしま復興支援フォーラム「福島県の森林林業の現状と課題について」【よびかけ人】
日時:2018年6月7日(木) 18:30~20:30
報告:松本 秀樹 氏(福島県森林組合連合会 代表理事専務)
会場:福島市アクティブシニアセンター「AOZ(アオウゼ)」 大活動室1
MAXふくしま 4F(福島市曾根田町1-18)*入場無料、予約不要
主催:よびかけ人
2018年
5月
22日
火
第128回 ふくしま復興支援フォーラム「災害記録の後世への伝承とその諸問題-震災記録誌編纂と災害資料収集の現場から-」【よびかけ人】
日時:2018年5月22日(火) 18:30~20:30
報告:瀬戸 真之 氏(福島大学うつくしまふくしま未来支援センター 特任准教授)
会場:福島市アクティブシニアセンター「AOZ(アオウゼ)」 大活動室1
MAXふくしま 4F(福島市曾根田町1-18)*入場無料、予約不要
主催:よびかけ人
2018年
5月
08日
火
原発事故から7年 福島の現状と課題【新建災害復興支援会・東京災対連・防災問題を考える首都圏懇談会】
日時:2018年5月8日(火) 18:30~20:30
講師:斎藤 富春 氏(ふくしま復興支援センター代表委員)
会場:文京区民区民センター3A(文京区本郷4-15-14)
共催:新建築家技術者集団災害復興支援会議、東京災対連、防災門暖を感が寝る首都圏懇談会
2018年
4月
15日
日
熊本地震発生から2年 被災者に寄りそった復興をめざすメモリアル集会【いのち・平和ネット被災者支援共同センター、NPOくまもと地域自治体研究所】
日時:2018年4月15日(日) 13:30~16:00
会場:益城町保健福祉センターはぴねす「多目的室1・2」
主催:いのち・平和ネット被災者支援共同センター、NPOくまもと地域自治体研究所
2018年
4月
12日
木
第126回 ふくしま復興支援フォーラム「トリチウム汚染水問題~住民目線から海洋放出案と水蒸気放出案の是非を問う~」【よびかけ人】
日時:2018年4月12日(木) 18:30~20:30
講師:野中 俊吉 氏(コープふくしま専務理事(経産省 汚染水処理対策委員会 トリチウム水タスクフォース委員))
会場:福島市アクティブシニアセンター「AOZ(アオウゼ)」 大活動室1
MAXふくしま 4F(福島市曾根田町1-18)*入場無料、予約不要
主催:よびかけ人
2018年
3月
27日
火
第125回 ふくしま復興支援フォーラム「被災地からの脱却を目指して」【よびかけ人】
日時:2018年3月27日(火) 18:30~20:30
講師:遠藤 雄幸(川内村長)
会場:福島市アクティブシニアセンター「AOZ(アオウゼ)」 大活動室1
MAXふくしま 4F(福島市曾根田町1-18)*入場無料、予約不要
主催:よびかけ人
2018年
3月
25日
日
第57回 炊き出し&なんでも相談会 【宮城災対連】
日時:2018年3月25日(日) 11:00~13:00
会場:吉野町復興住宅/集会所前(石巻市吉野町1丁目7)
主催:宮城災対連・東日本大震災共同支援センター
2018年
3月
18日
日
第2回 弁護士による「鬼怒川水害」被害者への説明会【弁護士】
日時:2018年3月18日(日) 13:30~16:30
会場:常総市役所内「市民ホール」(常総氏水街道諏訪町3222-3)
問合せ:坂本博之法律事務所 坂本博之
過去の「諸団体/個人の取り組み」はこちら
救援ボランティアについて
専門家ボランティアについて
現在、被災地支部と連絡を取り合いながら、建築ボランティア、まちづくりボランティア等の派遣について準備を行っています。また、会員のみなさんが被災地で支援活動を行う際の拠点となる宿泊所を宮城支部のご協力で仙台市内に用意しました。現地での相談活動に備えて、一人でも多くのみなさんに実際に被災地に足を運び、被災地の現状と思いを肌で感じて欲しいと考えています。詳細は【こちら】をご覧下さい。
- 4月13日全国災対連第4回緊急世話人会において、専門家集団である新建築家技術者集団に対して、1)家屋の被害認定作業の開始に対応した家屋診断ボランティアの派遣準備、の要請がなされています。また、被災地における「制度活用と"何でも相談"活動」の準備として、2)組織の特徴を生かした対応マニュアルなどの準備と作成、および、3)相談ボランティア派遣等の検討、の要請がなされています。(次回世話人会:5月26日予定)