脱原発世界にアピール 世界で初の原水禁大会
【河北新報110801】「脱原発」をテーマにした原水爆禁止世界大会が31日、福島市のホテルで開かれた。大会は例年、広島、長崎両市で原爆の日に合わせて開かれてきたが、福島第1原発事故を受け、福島市で初めて開催された。
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)などの主催。国内外から約850人が参加し、「豊かな自然と健やかな命を守るためにフクシマから声を上げよう」とするアピールを採択した。
原水禁の川野浩一議長は「この66年間の活動で核兵器は廃絶への道を歩んできたが、福島で原発事故を招いてしまった。しかし、この事故を最後にしよう。『ノーモア・フクシマ』と叫ぼう」と呼び掛けた。
長崎県平和運動センター被ばく者連絡協議会の奥村英二事務局長、ビキニ水爆実験で被ばくした「第五福竜丸」の元乗組員大石又七さん(77)、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故で被災したアントン・ブドビチェンコさん(34)が、それぞれの体験を発表。「再びヒバクシャをつくるな」とメッセージを発信した。
大会に先立ち、福島県平和フォーラムは「原発のない福島を求める県民集会」を市中心部で開いた。子どもを県外に避難させている郡山市の女性会社員(49)らが、事故の早期収束などを訴えた。
約1700人の参加者は「福島に原発はいらない」「すべての被害を補償しろ」とシュプレヒコールを上げながら、街頭をデモ行進した。伊達市の幼稚園教諭伊藤美恵子さん(53)は「子どもを守りたいという一心で、デモに初めて参加した。福島で大会が始まった意義は大きい」と語った。
大会は8月6日の広島、9日の長崎の原爆の日に合わせて両市に移り、11日には沖縄で集会が開かれる。