宮城でも住民健康調査へ 原発相、丸森町を視察し言及
【河北新報110724】細野豪志原発事故担当相は23日、視察先の宮城県丸森町で、福島第1原発事故を受けた住民の健康調査について「福島県の内外で政策が変わることがないようにしたい」と述べ、宮城県での実施も検討する方針を示した。
宮城県は近く国に対し、県南地域の住民らを対象にした健康調査の実施を要望することにしている。細野氏は「福島は態勢を構築できたと思うが、宮城も原発からの距離は近く、不安を訴える人は多い。対応できるところは対応する」と記者団に語った。調査の具体的な対象地域や時期には言及しなかった。
視察では福島県に隣接する丸森町の最南端にある筆甫地区を訪れた。町内で比較的高い放射線量が測定されていた町筆甫小では、町が東北大と協力して7月上旬に実施した表土除染の状況を保科郷雄町長が説明した。
町は除染への財政支援などを要望。細野氏は「独自に町が除染に踏み切らなければならなかった事情は理解できる。補助基準などの問題を整理、確認した上で、国として必要なサポートを行いたい」と話した。
筆甫地区ではほかに、牧草から基準値を超える放射性セシウムが検出され、使用の自粛要請が続いている畜産農家の状況や、南相馬市から住民約30人が身を寄せている避難所も視察した。細野氏の宮城県入りは6月の就任後初めて。この後、相馬市玉野地区も訪れた。