保安院長「原発事故、人災の要素」県議会全員協議会
【福島民友110914】経済産業省原子力安全・保安院の深野弘行院長は13日、県議会の全員協議会(全協)に出席し、東京電力福島第1原発の事故が人災で引き起こされたのではないかとの議員の指摘に、「人間の要素を除いては(事故は)考えられない」と答弁、自然災害への認識の甘さと事故の初動の不備を認め、規制当局として役割を果たすことができなかったことを陳謝した。
深野院長は全協後、報道陣に「人の要素と自然の要素を切り離すのは難しい」としながらも、「未然に防ぐことができたか、仮に起きた場合でも、いろいろな備えによってここまで深刻にならないで済む方法があったかをよく検証する必要がある。そのような意味で人の要素があったと思う」と述べた。
全協では、住民避難などの前線基地の役割を担うべき大熊町のオフサイトセンターが地震被害を受け、機能不全になったことを批判する質問が相次いだ。深野院長ら保安院側は「通信状況が悪く十分対応できなかった」と釈明。緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の観測結果の県への通報が不十分だったとの指摘には、深野院長が「心が及ばなかった」と述べた。保安院幹部の県議会出席は事故後初めて。