放射線量、千葉県が無料で検査 成績書発行し安全安全証明 県内企業の工業製品
【千葉日報110725】福島第1原発事故の影響で、国内工業製品の輸出先の諸外国から製品の放射線量測定を求められるケースが相次いでいることを受け、千葉県は25日から、工業製品の放射線量検査を無料で行う。県内企業が対象で、本年12月28日まで実施する。工業製品については国の明確な基準はないが、県が検査結果成績書を発行することで検査を受けた製品であることを証明し、企業の安全対策を後押しする。
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、原発事故を受け、米国やヨーロッパ諸国、中国、シンガポールなど14の国・地域が日本からの輸入品の放射線量検査などを実施。毎時0・2マイクロシーベルトを超える放射性物質が検出された場合は返品措置をとる国や検査に関する証明書を求める国もある。
県産業振興課が震災後に実施した県内企業への調査では、工業製品については国単位で明確な基準がなく、輸出国に到着した船が製品を受け取ってもらえずに引き返したケースや、着岸を拒まれた事例もあったという。
こうした県内企業の輸出を支援するため、県は5月補正予算に関連事業費600万円を計上。県産業支援技術研究所が放射線量を測定するサーベイメーターで検査する。
問い合わせは県産業支援技術研究所プロジェクト推進室、電話043(231)4326。