241201全国研究集会in奈良-分科会

12月1日(日):分科会   会場:奈良女子大学
09:00 分科会・午前 
13:30 分科会・午後 
17:00 全体会
19:00 夕食・交流会   宿泊:亀の井ホテル奈良
第33回全国研究集会 全体の情報と参加申込は→  https://nu-ae.com/33ks-nara/

目次

1. すまいづくり

家族と住まい、地域で暮らす、民家再生・伝統工法、多様な集住形態、福祉と住まい、集まって暮らす

今回の住まいづくり分科会は、これまでの研究集会での住まいづくりに関わる四つの分科会「住む人によりそう住まいづくり」「集まって住む様々なかたち」「民家再生及び伝統技術の継承」「リフォーム・リノベーション」の分科会をまとめたものとして行います。
午前と午後で二つのテーマを設定します。一つ目は「「暮らしのニーズに対応した住まいづくりと住まい方」として、近年の少子化、高齢化や単身居住の増加など家族のあり方の変化の中での住まいや暮らし方のニーズにどのように応えていくのか、またコミュニティや地域の居場所、施設との関係の中での住まいづくりについて、実践報告をもとにした話し合いをします。また、コーポラティブハウスやコレクティブハウス、シェアハウスなど集まって暮らす住まい方についての議論もしたい思います。
二つ目のテーマは「長く住まう・使い続ける住まい」とします。空き家が増加している中でリフォームやリノベーションによって、生活の変化に対応した住まいづくりが増えています。この中には民家保全や伝統工法による改修、耐震改修補強などの取り組みもあります。また、環境やエネルギーを考慮した住まいなど、長く住み続けられるための住まいづくりについて話をします。

2. 生活と福祉

子ども(保育園・学童保育)、高齢者・障害者、地域コミュニティ、施設の複合化、地域で暮らす

これまでこの分科会では、子どもの育つ環境や、高齢期を安心して暮らすための施設や住まいづくり、障害者の生活を支える施設や取り組みなど、主に生活施設づくりを軸に事例を出し合い話し合ってきました。その中で、いわゆる”脱施設”の実践があちこちで生まれている事がわかってきました。分野の垣根を超えたもっとごちゃまぜな場所や空間づくり、過疎や高齢化のような地域課題とリンクした地域コミュニティやケアの実践、学童保育の空間づくりに子ども自身が関わる仕組みづくりなどです。こうした事例を持ち寄りながら、これからの私たちの「生活(暮らし)と、福祉(well-being)」のあり方について話し合える場にできたらと考えています。また、その前提となる国や自治体の制度や基準の変化やそのものの課題、あるいは行政を動かした事例などについても情報交換をしながら考察を深めていきたいと考えています。

3. まちづくり

地域コミュニティ、持続可能なまちづくり、まちづくり市民運動、観光とまちづくり、居場所づくり、地域の交通、まちづくり市民運動、まちなみ、景観

人口減少に入った日本では、戦後の高度成長期につくられた建物が老朽化し、成長を前提としたシステムや仕組みが破綻してきています。これから30年、50年を生きていく世代は、縮小社会の中でも人間が活き活きと暮らせるまちをつくっていく発想の転換(マインドセット)が求められています。しかし相変わらず、成長を目標に掲げ、周辺住民の住環境の悪化を顧みず、目先の利益を優先する大規模開発がいたるところで推進されています。
これらの社会状況を踏まえ、今回のまちづくり分科会は、午前A:大規模再開発に抗う住民運動、午後B:縮小社会の中での持続可能なまちづくり、の2つの大テーマを設定し、それに関連する発表と、質疑応答や意見交換の時間をしっかり取って、議論を深める場にしたいと考えています。

4. 環境

気候変動、原発と再エネ、地元の木、省エネルギー、公園・緑、伝統工法、気候風土

プレ環境分科会
8/26月 19:00-21:00 ①話題提供:大原紀子さん(大阪支部)「花の咲く時期がおかしい~身近に感じる気候危機」
9/10火 19:00-21:00 ② 話題提供:由田昭治さん(福井支部)「生活の中での自然エネルギー」
9/23月 15:30-17:30 ③話題提供:藤本昌也さん(代表幹事)「田中棟梁語録から読み取る建築とまちづくりのこれから」

5. 防災・災害復興

災害に強い建築まちづくり、復興まちづくり、能登半島地震からの復興、災害時の専門家の役割、耐震補強

担当:新井隆夫(群馬支部)・山下千佳(東京支部) 
連絡先メール  fukkoushien@nu-ae.com

6. 職能・仕事づくり

地域の生産・地元産材、協働による建築まちづくり、工務店経営、職人の育成、大学教育

会員の様々な活動もそのほとんどが「しごと」の結果です。特に設計者、施工者は「しごと」を通して、報酬を得なければ、新建活動を継続することはできません。「しごと」を得るために知識と経験を積み、また様々な創意工夫で依頼者や協働者と関係を作っています。設計事務所では、独自のヒアリング方法や設計要件のまとめ方、協働手法によって、多くの実践例を残している事務所があります。工務店では、若手大工の養成や協力業者との良好な関係を築きながら、住まい手・使い手に喜ばれる建物を作り続けているところもあります。
その一方で、本当は住まい手やまちづくりにとってより良い仕事がしたいと思いながら、満足な仕事環境や報酬が得られず、苦悩している設計者も多くいます。また、ゼネコンやハウスメーカーの歯車の一部なることしか将来の展望が見えない学生たちは、新建の存在すら知りません。建築士制度が大きく変わり、建築士試験の予備校化している大学教育にも大きな問題があります。そういった建築界の状況の中で、新建活動の基盤となる「しごとづくり」の実践例を研究し共有する分科会が必要だと思います。

7. マンション・団地

維持管理改修、耐震改修、区分所有法改定、団地再編・再生、管理組合運営、第三者管理、コミュニティづくり

テーマ:100年くらす 快適マンションへのサポート
マンションは全国で700万戸を超え、国民の1割が住む居住形態として、定着してきている。特に都市部での割合は高い。東京の千代田区では建設されるマンションによって、全国的には人口が減る中で、16年間で61%増という新たな矛盾を引き起こしている。 
超高層マンションも全国で一つもないのは9県のみと記事が出るほどで、県庁所在地を中心に建てられている。超高層マンションでは一般マンションより問題が出やすく、また解決しにくいと考えられている。
区分所有法改定や第三者管理、耐震改修、省エネ改修、また先ごろ公表されたマンション総合調査結果などでは課題も浮かんでくる。
新建の会員ではマンションへのサポートは40年を越した経験がある。活動としては「マンションサポート研究会」も続けている。降りかかる諸問題を解決しながら、集合住宅の歴史の長い欧米やコンクリート造の近代建築などからも学んできている。
第2次マンションブーム時に建てられた40年を超すマンションは100万戸を超えた。政府や業界は相変わらず、建物の長く使おうとせずに建替え時に容積率特例を付与するなど建替え促進に傾いている。しかしそのようなマンションでも建物の耐震性や設備工事の向上など通じて、安心して快適に暮らす技術は進んできている。
マンションなどのサポートができる専門家を増やし、多面的でお互いの質も高められる分科会としたい。

担当:佐伯和彦(東京支部)・千代崎一夫(東京支部) 
連絡先メール  sumaigood@sumaimachi.net

よかったらシェアしてください
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次