静岡県住宅振興協議会主催の3回連続講座(2021-22)ご報告

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1月24日は  静岡県住宅振興協議会主催の3回連続講座の最終講座でした。

第1回 令和3年8月27日金曜日14~16h 

 

・今と昔の家づくりのは変遷、何が昔と異なるのか(地域の流通から世界商社の流通へ、自分のために作っていたも のから大規模な工場と商流+マスメディアによる広告宣伝を必要とする商品へ) ・世界遺産となった職人の手によるものから工業製品工場生産へ(戦後の復興住宅はいつ終わる?すでに住宅は過剰 となっている)

・何故、美しい町並みが生まれないのか? ・「便利さ」「快適さ」が生み出した設備過剰の現代住生活(原則を守れば快適な住宅は今でも変わらず可能、それ は健康住宅でもある)
・現代に「作る」、商品ではない家、健康な家とは
・現代に「作る」、商品ではない街並みとは
・SDGs は全ての出発点であり全ての結果でもある それ以上に人類の叡智でもある
・静岡県で取り組んだ事例1 春野建設事業協同組合会館
・静岡県で取り組んだ事例2 空気集熱式ソーラーハウス
・静岡県で取り組んだ事例3 エアコンを使わない「そらどまの家」

第2回 令和3年10月25日月曜日14~16h  

・省エネルギーと健康とは少し違っている
・現代版の省エネルギー住宅とは? 日々実践している建築技術者の国から与えられた「定規」

外皮計算+一次エネルギー消費+健康+古民家の知恵から考えた「そらどまの家」はウィルスにも強かった!その理由は「呼吸する壁」(新型ウィルスでは肺胞の ガス交換機能が損なわれ酸素吸入が必要となった、そこから学ぶ「家のガス交換」) ・改めて健康とは、それを実現する家の作り方・家の原理
・静岡県で取り組んだ事例 浜松市の住宅
・静岡県で取り組んだ事例 静岡市の福祉施設
・隣の愛知県で取り組んだ事例 長久手市の住宅

第3回 令和4年1月24日月曜日14~16h  videoはこれから編集し公開の予定

「国土を守るために地域の針葉樹の特性を知り活用する~針葉樹活用が導く省エネ と健康~」

・日本の経済成長と日本の山林「山崩れ」「土砂災害」「育林」「水源滋養林」
・森の民日本人 縄文時代から現代へ 登呂遺跡は杉剤を使用していた
・江戸時代には 200 種以上の木材を使い分けていた「木材の工藝的利用」(明治期における木材利用の知恵百科事 典) https://kinomemocho.com/tie_kougei.html
・広葉樹と針葉樹の使い分け
・木と塗装
・針葉樹と建具職人・家具職人
・木を大切に使うことが豊かな暮らしにつながる
・木を扱う知恵と技術は世界遺産
・針葉樹で作るインテリア事例紹介
・今、取り組み始めた「国産針葉樹活用プロジェクト 21」建築士会から始まっている

このようなお話をしてみて、思ったことは、江戸時代後半から現代までの300年、これを概観すると、これからの300年の国作りはどのようにあったら良いのか。わたくしたちは10代後の子孫に何を残したら良いのか。そして、そのために今、何をすべきなのか。自問しています。
3万年前には旧石器時代があり、その遺跡は赤土から出てきます。火山灰です。
その後1万年前から始まる縄文人たちは、その火山灰を一万年かけて黒ボクにします。
私たちは、その黒ボクのおかげで、火山国でありながら豊かな実りを享受して居ます。
その私たちが作っているのは二酸化炭素であり、膨大なプラスチックに代表されるゴミです。
美しい町は300年前に作られた木造の民家・集落です。これが観光資源となっています。
商品化された住宅群は巨大なゴミでしかありません。
だから、「日本の木で建築・まちを作る」これが私たちのやるべき仕事。お金儲けではありません。投資するのはお金ではありません。未来へのプレゼントのために、山を健康にし、畑から化学肥料という毒を無くし、多様な微生物が造る土から山や米・野菜を作ることです。その結果、体内菌の豊かな健康人体を取り戻すのです。

昨年は、建築運動百年の計。これがキーワードでした。しかし、これも近視眼的な取り組みでした。その学びの先には、百年後に我々は何を残すのか。それが本当のキーワードであり、さらに見渡すと、300年の日本の歩みと、300年後の日本を作る今。が必要だと理解できるのです。健康であれば、人生百年、30歳で子供を作ると10代後の子孫に残すプレゼントを考えることです。
山づくり、川づくり、里づくり、これらは300年単位で考えることになります。それを30回続けると1万年弱です。縄文人へとつながります。100回続ければ旧石器時代からの人間の歩みとなります。

<文責:丸谷博男 編集:山口>

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