百年、三百年の教えを学び、百年後、三百年後に何を残すのか。
それがテーマと気づき始めました。そのように問うと答えにたどり着きそうに思えます。しばらく、この問いを忘れていました。
一昨年の2020年は、1920年(T9)の分離派建築会宣言から始まる日本近代建築運動100年、1970年(S45)に創立して以来「住む人使う人の立場に立った建築活動」を継続してきた新建運動50年という節目でした。この節目にあたり、改めて今、建築人に求められている課題、生き方を皆様にお伝えします。ここで言う「建築人」とは、建築家、建築技術者、建築関連研究者・市民活動家など建築や町を愛し、それらのより良いあり方を求めている人々を意味しています。また、「新建」とは新建築家技術者集団の略称であり、日本近代建築運動100年の道を引き継いでいる活動団体です。
一番大切なことは一言で言えます。「〇〇に入れば仕事がある。技術を身につけ、業界から信頼される、そして使い手からつくり手(職人・工務店)、設計者(設計士、インテリアデザイナー、インテリアコーディネーター)までのトータルな人材・業界の運動には未来社会への展望が期待できる。」そのような建築活動を目指して!
これらすべてのキーワードは、下記の言葉に帰結します。
「日本の木で木の建築・まちをつくる」
そして、木の国日本は、それ自身が観光資源なのです。豊富な森林は豊富な水資源を生み出します。そのお陰で美しい山谷があり、渓谷を生み出し、なだらかに広がる平野を作り出します。山のミネラルは豊かな海洋資源を作り出し、山海の珍味を生み出すのです。縄文人一万年の足跡は黒ボクにありました。これも気付きです。
つまり、総合的な生業として日本には観光があるのです。観光とは、究極の伝統文化・芸能・食・祭事の総合芸術表現です。私たちの暮らしそのものなのです。
地球視野・世界視野での価値と確信します。木造建築の街並みはさらに美しい日本を生み出していくことでしょう。
地球温暖化の最大の防御は、木で建築とまちを作ることに帰結します。
<文責:丸谷博男 編集:山口>