現状分析
多くの建築関連団体の会員数が激減している傾向は、若年世代の組織嫌いということだけではなく、建築とまちづくりに対する関心と意欲が薄れ、さらに働く場としてのイメージが薄弱なものとなっています。
身近に関連職業人がいる高校生では、「建築物が後世に残る」「地域社会や人の役に立つ」等、ポジティブなイメージを持つようですが、身近にそのような人材がない場合には、「肉体労働、汚れ作業等が多い」「危険作業や事故が多い」等のイメージが多くもたれています。
また、離職者の理由では、「労働時間・休日・休暇の条件がよくない」等が3割に達しています。完全週休二日制の導入状況では、全産業がほぼ5割に対して、建設業は3割となっています。その結果離職率も高い傾向が明白です。
私たちが取り組むべきこと
こうした状況下で、私たちが取り組むべきことは、明らかです。全産業平均を超える雇用条件と雇用環境を作らなければなりません。また、高校生に向けた取り組みを実施すべきではないのでしょうか。まずは、オンラインで仕事の内容を伝えることが肝心です。スマフォで簡単にアクセスできるyoutubeなどの活用を考えたいものです。
既職者に対しては、同じように新建活動の案内、あるいは共通する悩みを出し合い、どのように解決していくのかなど課題を知りし、交流することの大切さを伝えることが重要なことと思います。また、ジェンダーの視点からの何らかのムーブメントをキャンペーンしていくことも大切なきっかけとなっていくのではないでしょうか。
「高気密高断熱」でどうも建築の面白さが減少しています。無味乾燥な建築の側面はほんの少しの側面であり、文化芸術という側面、また暮らしと成長に対する深い造詣、民族の歴史と生活風土など、感動的で重要な側面をしっかりと伝え、そのための活動、創造があることも伝えていかなければなりません。
改めて、新建活動の幅広い豊かさを私たち自身が求めていくことも重要です。
キャンペーンの重要性
全体的なことですが、
活動方針に、キャンペーン的な言葉があると、運動化しやすいのではないでしょうか。
平坦な活動方針はあって良いのですが、会員だけではなく、外から見たときに
「今、新建が取り組んでいることがわかるキャンペーンwords」を作るのが良いのではないでしょうか。
例えば
私たち新建東京支部は、持続可能な東京の暮らしを創造します。
水源にある山の暮らしと産業、海岸にある下町の暮らしと生業・産業、そしてその中間にある里山の暮らし・郊外住宅地の暮らし、これらを立体的に概観し、新しい東京、を創造していこうと思います。
森の民、海の民、里の民、その総合が都民と実感できるように。
そのために私たちは建築に取り組み、まちづくりに取り組んでいます。
また力を合わせて、間近に押し寄せている大規模地震災害に備えていきます。
灼熱のコンクリートジャングルから豊かで心地よい森と木の建築に囲まれた暮らしを実現していきます。
と思っています。
<文責:丸谷博男 編集:山口>