発行月 | 通算 | 特集 |
11/12月号 | No.350 | 建築とまちづくりの将来と課題-新建に求められる役割 |
10月号 | No.349 | 東京都市再生その後-住民主体のまちづくりを展望する |
9月号 | No.348 | 登録文化財の活用とまちづくり |
8月号 | No.347 | 私たちの設計術 |
7月号 | No.346 | ストックの時代その3 |
6月号 | No.345 | マンションの健全化 |
5月号 | No.344 | 超高層住宅は住み続けられるか |
4月号 | No.343 | ストックの時代その2 建築ストック活用に求められる思想と技術 |
3月号 | No.342 | 設計事務所は生き残れるか??住まいづくりにかかわる建築家のあり方を問う |
2月号 | No.341 | 道路拡幅と界隈性 |
1月号 | No.340 | ストックの時代 その1 住み続けたくなる住まい・まちづくり |
2006年11・12月号(No.350)
特集 建築とまちづくりの将来と課題-新建に求められる役割
■特集
・《巻頭言》これからの新建の活動方向 /三沢 浩
・国土形成計画と都市・居住地の再生 /片方 信也
・減少社会――住宅とまちの現状と展望 /鎌田 一夫
・建築デザインと技術の課題 /小林 良雄
・建築界と建築運動 /本多 昭一
・断想「住生活基本法と建築技術者」 /中島 明子
・人びとの要求に応えること /加瀬澤 文芳
・まちづくりにゴールはない、さらに住み良いまちへの努力は続けられる /三浦 史郎
・住民主体のまちづくりの視点から /岸岡 のり子
・北海道での建築運動 /大橋 周二
・静岡なりにやっていこう /本多 ゆかり
・黒部市大黒町公民館の建設運動 /高松 利久
・施設づくりは景観・まちづくり /黒田 達雄
・《座談会》 建築運動の現状と展望を語る
本多昭一+小野誠一黒崎匠+桜井郁子+竹山清明+田村宏明+林工+水野久枝
+山本厚生+横田都志子(司会・今村彰宏)
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・忙中閑 この国の歴史に残る官吏の堕落 /新井 英明
・エコロジィの周辺8 剛なる空間 /吉田 桂二
・面白かった本・気になる本 誰のための、何のための『建築創造か』、『集合住宅の時間』
・新建のひろば
2005年10月号(No.349)
特集 東京都市再生その後-住民主体のまちづくりを展望する
本誌では2002年10月号で「『都市再生』を斬る――2003年からの深刻」を特集し、小泉政権下で展開されていた東京における「都市再生」の危険性を指摘しました。その後4年が経過しましたが、大義名分を得た無秩序な都市開発は今も進行中です。
都心の商業地ではミニバブルともいえる建設ラッシュですが、その主体は大規模跡地利用で超高層ビルが中心です。住環境や防災性に問題を抱えた密集住宅地の整備は進んでいません。相変わらず開発効率のよいところに集中しており、歪んだ都市構造がますます助長されています。行政のコントロールはまったく不十分で、場当たり的な規制緩和で乱開発を後押ししている状態です。
こうした状況の中でも、住民の運動は粘り強く続けられています。開発をストップさせ、住民主体のまちづくりを考えるステップに進んだところも出てきました。直接権利者ではない周辺住民にも訴訟が認められたことも前進です。
本特集では、各地での住民運動の現状を紹介して都市再生の歪みを明らかにするとともに、住民主体のまちづくりの可能性を展望したいと思います。
(特集担当編集委員/松木康高)
■特集
・市民による「都市再生」を /福川 裕一
・警大跡地の開発問題 /山本 典子
・都市緑地破壊の愚行―三井グランドの開発を問う /太田 候一
・行政も結託するマンション建設―「桃園まちづくりを考える会」の活動について /蝋山 道雄+鵜飼 聡
・小名木川貨物駅跡地問題 /森田 克己
・国内最大規模の再開発―小松川のまち /西田 實
・住民無視の二子玉川再開発 /飯岡 三和子
・近代歴史文化を破壊して何かと代替できるのだろうか―東京都文京区元町公園の場合
/ぱぱっと会議@元町公園
・東京問題研究会の取り組み /松木 康高
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・忙中閑 内なる力を緒集する語り合い /新井 英明
・エコロジィの周辺7 粋なる空間 /吉田 桂二
・居住の貧困と都市住宅#11 サポーティブハウジングその2―北米で見た新しい居住支援 /大崎 元
・主張 耐震改修か、建て替えか /大槻 博司
・面白かった本・気になる本 『市民参加と合意形成』、『住環境リテラシーを育む』
・新建のひろば
2006年9月号(No.348)
特集 登録文化財の活用とまちづくり
選ばれた少数の文化財を厳密に管理するだけでなく、活用しながらゆるやかに価値あるものを守っていこうとする登録文化財の制度が始まって、丸10年が経とうとしています。2006年6月16日の文化財審議会答申をもって、登録数は5600件に届こうとしています。
制度発足当初は、表層だけの保存をすすめるのではないか、連続する良さが残せないのではないかなど、さまざまな不安の声も聞かれていましたが、一方で、手続きが簡略で取り組みやすいこと、建物にとって、まちにとって大切ものとは何かを見つめ直すよい機会になるのではとの期待もありました。実際、まちぐるみで登録文化財の登録を進めようと取り組んでいるところもあります。
この10年で見えてきた課題やこれからの展望、行政の対応、所有者としての思いなどを、各地のこれまでの取り組みの中から、単体に終わることのない、まちづくりの中での登録文化財の可能性を探っていきたいと思います。
(特集担当編集委員/桜井郁子)
■特集
・人々に愛され地域と共に生きる登録文化財建造物 /苅谷 勇雅
・登録土木遺産の現状と歴史遺産を生かしたまちづくり /伊東 孝
・産業遺産を文化の発信拠点に―下山芸術の森「発電所美術館」 /米田 正秀
・登録文化財建造物と地域ポテンシャル―大阪府の場合 /林 義久
・老朽木造長屋の再生と採算性―寺西家阿倍野長屋体験談 /寺西 興一
・登録文化財制度の現況と課題/『建築とまちづくり』編集局
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・忙中閑 豊かな国の廃棄物と生き残り策 /新井 英明
・エコロジィの周辺6 和なる空間 /吉田 桂二
・居住の貧困と都市住宅#11 サポーティブハウジングその2――北米で見た新しい居住支援 /大崎 元
・主張 建築家がオールマイティとする安藤忠雄の建築観 /竹山 清明
・新建のひろば
2006年8月号(No.347)
特集 私たちの設計術
これまで建築設計論においては、モデュールやパタン・ランゲージ、発見的方法やワークショップなど、さまざまな設計方法論が考え出されてきました。そうした方法論は個々人の設計作業を通じて、具体的な建築や空間、ディテールなどに具現化していきます。では、そうした方法論と実現化した建築との間をつなぐ「設計術」にはどんなものがあるのでしょう。そうした素朴な疑問から、今回の特集は「私たちの設計術」を集めてみようと考えました。
設計者が何を考え、その時その場にとって何を重要だと考えたのか。そうした課題にどのような技術や技法を用いて対処しようとしたのか。「設計術」は設定した課題と技術的解法の組み合わせとして、建築の様々な場面に布置されていきます。そして、「設計術」を施された建築や空間は、人の生活の深層にまで関わっているのではないでしょうか。
今回は、課題と解法の組み合わせを一対一に対応しつつ、「私たち」がどのような「設計術」を実現していったかについて考えます。
(特集担当編集委員/大崎元)
■特集
・温かく暮らす
・涼しく暮らす
・湿気と付き合う
・省エネで暮らす
・灯りを考える
・ワーク&ワークに見る「設計術」 /『建築とまちづくり』編集委員会
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・忙中閑 自然を活かし天爵を修める /新井 英明
・エコロジィの周辺5 爽なる空間 /吉田 桂二
・居住の貧困と都市住宅#11 サポーティブハウジングその1―北米で見た新しい居住支援 /大崎 元
・主張 第25回全国研究集会を迎えて /高橋 偉之
・面白かった本・気になる本 『コーポラティブハウスのつくり方』、『こども環境学研究』
・新建築家技術者集団第25回全国研究集会(横浜)お知らせ
・新建のひろば
2006年7月号(No.346)
特集 ストックの時代その3 セルフビルドと職人のいる町の共存へ
持続する社会が叫ばれて久しい。その主旨はどこにあったのか。
一義的には地球環境の保全に対する低エネルギー・低消費社会への指向という視点だった。しかしよく考えてみるとそれは、安定した文化的経済的継続性が生み出す、確かで信頼できる社会への必須条件であったことにあらためて気づく。
旧市街から郊外への人口移動は土地の高騰に起因していたが、それは同時に中心部と郊外両方のコミュニティの同時破壊でもあった。住宅と個人商店の結びつき、まちの人同士のつながりも激烈に破壊され、まちまちの生活基盤を奪ってしまっている。社会の経済性指向からの強大な圧力がそこにあった。
まちを構成するひとつひとつの住まい。住まいの維持管理という川下の視点から眺め、「持続する家とまち」に焦点をあて、サステイナブル社会の必要条件を「セルフビルド」と「職人」に探る。
(特集担当編集委員/丸谷博男)
■特集
・生業の生態系を保全する /三井所 清典
・家の価値を保ち続けるアメリカ人―北米ウィスコンシン州グリーンベイでの見聞録 /丸谷 博男
・金沢―戦災で焼けなかった伝統の町と職人学校 /武藤 清秀
・青森―北国の家づくり /飯田 善之
・長浜―黒壁のまちと家づくり /稲川 洋一
・近自然型森林利用としての建築を求めて /山田 純
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・忙中閑 日本の自然の発見 /新井 英明
・エコロジィの周辺4 動なる空間/吉田 桂二
・居住の貧困と都市住宅#10 女性の場――ジェンダーと施設保護 /大崎 元
・主張 自由に発言できる新建の強み ―その主張をしっかり相手に伝える /鎌田 一夫
・面白かった本・気になる本 『コーポラティブハウスのつくり方』、『こども環境学研究』
・新建築家技術者集団第25回全国研究集会(横浜)お知らせ
・新建のひろば
2006年6月号(No.345)
特集 マンション健全化
商品化され市場に流れていた「建売マンション」が、昨秋から今春にかけて、ユーザーにとっては衝撃的な形でその課題と問題点が露呈された。
耐震性の欠陥という言ってみれば“ありふれた現象”が、正の資産を負のそれへと突然にしかも急速に追いやってしまったこと。開発業者・建設業者の製造責任があまりにもあいまいであること。購入者としてのユーザー自身も住まいとしての品質に対してほとんど無関心であったこと。震災のたびに問題化されてきた区分所有に由来した建替えと除却の困難さ――。
マンションはこれからいったいどうなっていくのか。資産価値が下がるばかりと悲観される中、住民の居住に対する不安感は増している。
本特集では、これらの問題と建築界の反省、そして今後のマンションの課題を探り出し、日本の集合住宅の健全化という課題を考えていく。
(特集担当編集委員/千代崎一夫)
■特集
・健全なマンションとは―構造計算書偽装事件から考える /梶浦 恒男
・郊外マンションの変貌 /松本 恭治
・日本における互助型住宅セクターの可能性 /早田 宰
・製造責任と欠陥マンション /榎本 武光
・「集合住宅デモクラシー」はマンションを救えるか―自治なるイリュージョンを超えて /竹井 隆人
・改修工事で住み続けられるマンションへ /千代崎 一夫
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・忙中閑 住めば都は幻か /新井 英明
・エコロジィの周辺3 艶なる空間 /吉田 桂二
・居住の貧困と都市住宅#9 ニューヨーク―居住貧困の存続 /大崎 元
・主張 一級建築士受験の中で思うこと /甫立 浩一
・建築とまちづくりセミナーin犬山 お知らせ
・新建のひろば
2006年5月号(No.344)
特集 超高層住宅は住み続けられるか
バブルがはじけて久しい。大きな社会的マイナス作用を及ぼしたバブル経済以後、ではその経済的混乱、まちづくりの混乱を修正する方向で事態は進行しているかと言えば、とてもそうとは思えないと、すべての人が感じているに違いない。
近年、東京や大阪などの都心域や近郊の駅前地区などでは、法人所有の遊休・低利用地の売却や産業の空洞化による工場地の放出、密集解消を名目にした駅前再開発などを背景に、超高層マンションが各地で林立している。都心至近の駅前一等地、屋上にはヘリポートもあり安全・便利だというふれこみで、上層階を有産高齢者が購入しているという。
住戸販売価格を見ると、上層階から下階に下がるにしたがって価格も低くなる。その差はときに、数千万円から一億円に達する。大きな所得格差のある階層が一つの空間に生活することになるが、管理組合運営、コミュニティ形成などについて問題はないのか。
阪神淡路の震災ではライフラインの断絶などで芦屋浜の超高層住宅の居住環境が脅かされたが、それは克服されているのか。
国土交通省は、住宅供給を「量」から「質」に転換し、耐震化の向上やバリアフリー化、省エネ化に力点を移したいという。はたしてその答えが超高層居住であるのか。量的にも質的にも良好な住空間を形成する器になりうるのか。生活する器は、住空間の単なる実験材料や研究のテーマ、フィールドではないはずである。
本当に住み続けられる空間形成に向けて、超高層住宅はどのような位置づけができるのか、検証したい。
(特集担当編集委員/進士善啓)
■特集
・超高層住宅の防犯 /瀬渡 章子
・超高層住宅とこどもの健康 /織田 正昭
・超高層住宅は、何故おかしいのか /西村 一朗
・大阪谷町・超高層マンションレポート /編集委員会
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・忙中閑 人口減少時代の都市再生 /新井 英明
・エコロジィの周辺2 無なる空間 /吉田 桂二
・居住の貧困と都市住宅#8 “シェルター”という公共施策 /大崎 元
・主張 身近な市民活動こそがよいまちをつくる /永井 幸
・面白かった本・気になる本 『おもろい町人』、『新伝統木構法の展開』
・建築とまちづくりセミナーin犬山 お知らせ
・新建のひろば
2006年4月号(No.343)
特集 ストックの時代その2 建築ストック活用に求められる思想と技術
ストックの時代といわれて久しいが、日本では住宅や建築のストックが時代に即して活用されているとは言い難い。その原因には、ストック建築の質が高くない、ストックを活かす技術蓄積が弱い、実は建て替えたいという業界の本音、などがある。しかし、これから私たちは人口減少の“縮む社会”において、戦後の膨大な建築ストックを前にして建築行為を行っていくのであり、ストック活用は避けて通れない。そして、耐震強度偽造問題で人々が不安を抱いている建築の安全性確保をはじめ、環境への配慮、経済的合理性、文化の持続といったことを考えれば、ストック活用はより積極的な意味のある建築の課題である。
本特集では、ストック建築に対する認識を再確認しながら、その活用技術について実例も交えて考えていきたい。
(特集担当編集委員/鎌田一夫)
■特集
・残す意味のある建築と都市 /和田 章
・戦後住宅ストックと今後の住宅事情予測 /三宅 醇
・まちの熟成―建築のコンバージョンとビル連結 /安藤 正雄
・ストック活用の建築経済学―英国のストック活用を例に /中城 康彦
・木造耐震改修技術の現状 /樫原 健一
・ドイツ連邦共和国議会議事堂のリノベーション /小林 良雄
・リファイン建築におけるストック活用の手法 /青木 茂
・旧東独ライネフェルデ団地再生―減築デザインによるストック再生手法 /澁谷 昭
・公営住宅の大規模改修 /門脇 耕三
・賃貸老朽ビルをいきいきと活用するための実験 /吉原 勝己
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・忙中閑 カップルの春 /高橋 偉之
・エコロジィの周辺1 美なる空間 /吉田 桂二
・居住の貧困と都市住宅#7 「福祉」がまちを変貌させる―大阪「釜が崎」の希望と苦悩 /大崎 元
・主張 専門性の安売りでは職能など確立されない /三浦 史郎
・面白かった本・気になる本 『都市の針治療』『人間都市クリチバ』、『安全・安心なまちを子ども達へ』
・新建のひろば
2006年3月号(No.342)
特集 設計事務所は生き残れるか
-住まいづくりにかかわる建築家のあり方を問う
最近マスコミ等が取り上げる機会も増え、建築家の存在が住まい手に浸透しつつあります。
デザイナーズハウスと称する分譲住宅や、リノベーション、コンバージョンでの建築家の係わりも増えてきています。
そんな中で2005年11月に発覚した耐震強度偽装事件は、一建築士の起こした犯罪に留まらず建築業界全体への不信を生みました。
住まいづくりにかかわる建築家の現状を見てみると、例えば建築主を紹介するプロデュース業に多くの建築家が登録して提案の場が増えてきています。その一方では、審査基準が不明確で無報酬のコンペを数人から十数人の設計者にさせたり、お金の流れが不明確のものも多く見られます。
そこで、住み手と建築家を結ぶ活動を日頃どのように進めているのか、依頼者との信頼関係をどう創っているのか等を紹介していただき、建築家の存在価値を探っていきます。
(特集担当編集委員/横関正人)
■特集
・じっくりと、「安心できる家づくりシステム」をつくる /桑原 あきら
・「自分らしい家」を実現させる建築家の価値―OZONE家づくりサポートという考え方 /川島 晴夫
・建築家の専門性とインターフェイス /来馬 輝順
・設計注文を何処から取るか /丸谷 博男
・建築家探しをサポートする―JIA近畿支部「JACSS」の取り組み /青砥 聖逸
・中小事務所と協同体―設計協同フォーラムの実践から /高本 明生
・建築家とホームビルダーとの新しい関係 /栗山 立己
・施工者との協働の取り組み―「結の家」の実践から /光田 康宏
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・忙中閑 飢えし日の /高橋 偉之
・グリーンツーリズム よりよい生活に向けての旅立ち 11
農家民泊―農家に泊まるということ /井原 満明
・居住の貧困と都市住宅#6 公営改良住宅―島団地の挑戦2 /大崎 元
・主張 学ぶことから始まる運動論 /丸谷博男
・新建のひろば
2006年2月号(No.341)
特集 道路拡幅と界隈性
公共事業としての道路建設が岐路に立っています。
国の公共事業縮減のかけ声とは別次元のところで、基礎自治体による数十年前に都市計画決定された道路がある日突然着工されるという構図は、今も続いています。しかし、近年では地域とのあつれきが表面化し、たとえば2005年10月静岡県伊東市、同じ05年10月千葉県袖ケ浦市などで、裁判や住民投票などに訴える事例が出てきています。都市計画決定という枠にとどまることなく、異議申し立てがなされるようになってきました。
都市計画道路が都市の町並みや界隈性を壊してきたという事実は現前としてあり、その爪痕は都市の至る所に見ることができます。その一方で、相次ぐ震災などの災害救援においては、国道、地方道といった都市の基幹道路の重要性が改めてクローズアップされています。計画道路が豊かな景観を生み出している事例も、決してないわけではありません。
都市の論理と「まち」の論理のズレが、都市の道路に端的に現れているようです。
ここでは、都市レベルの道路と「まち」との関係を再検討し、再構築するための議論を生み出したいと思います。そのため、単なる問題指摘ではなく、地域住民と都市計画道路が直接対面しながらも、「まち」の論理と道路の論理の関係を再構築する動き、「まち」と道路との新たな関係を探ろうとする視点をいくつかの事例に沿って見ていきます。
(特集担当編集委員/大崎元)
■特集 ・道路の公共性と界隈性 /高野公男
・犬山―城下町が生き続けるまちづくり /田芳弘
・狛江―地域が見える道 /吉田清明
・川越―守り続ける城下町の秩序と新たな界隈性 /市川均
・下北沢―歩くまちと都市計画道路 /小林正美+青木仁+二瓶正史+木村和穂
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・忙中閑 七十路の雪かき /高橋 偉之
・グリーンツーリズム よりよい生活に向けての旅立ち 10
日本におけるグリーンツーリズムの台頭 /井原 満明
・居住の貧困と都市住宅 #5 公営改良住宅―島団地の挑戦1 /大崎 元
・主張 東横イン不正改造にみるユニバーサルデザインへの無理解 /加瀬澤文芳
・面白かった本・気になる本 『人と縁をはぐくむまち育て』、『利用者に喜ばれる高齢者施設づくり』
・新建のひろば
2006年1月号(No.340)
特集 ストックの時代 その1 住み続けたくなる住まい・まちづくり
時代の変遷はとても著しい。この半世紀の動きを思い出してみるだけでも驚いてしまいます。 アメリカナイズの時代。「何でもアメリカ」が「戦後民主主義」の始まりでした。テレビ、洗濯機、冷蔵庫、電気釜、各種電気製品、そして目新しいキッチン……。
さらには使い捨ての消費時代が続きました。使い捨てが美だったのです。「あなた、そんなものとっておくなんて時代遅れよ」??。今から考えればそれはとても異常な時代でした。
それから50年。今はまったく逆の時代。地球環境の点から「もったいない」精神が大切とされるようになってきました。既存の建物や旧態の町並みを見直す気運は強まり、古いマンションを簡単に取り壊すことをためらう風潮も出てきました。まちの活動や自然変化の継続性、そこには人々の生業と生活があります。その集合こそが、そしてその継続こそが、親しみのある愛することのできるまちとなり、生活の場となっていくのです。
今年の連続特集は「ストックの時代」。今芽生え始めた「もったいない」精神を本物にするために、もう一歩踏み込んだ特集に取り組みます。
(編集委員長/丸谷博男)
世界第2位の経済大国といわれながら、20世紀後半の日本の住宅や都市とその景観の質は低く、良好なストックとは成り得ないものです。21世紀に入っても、大都市では都市再生やマンションミニバブルでまち壊しが続き、地方都市などでは住居・居住地放棄が進んでいます。農山村の過疎化も相変わらずです。 まち壊し等の主原因は、産業活性化を主目的とした住宅・都市・国土政策です。建築基準法などの都市法制は、開発促進のため緩和に緩和を重ね、まち壊し・居住環境悪化の大きな要因の一つとなっています。 量的拡大を求める国民は、戦後から昨今までそのような政策を進める政府を支持してきました。その後、質の改善が目標になる時代となり、国民と政府のこれまで方針との乖離も見受けられる状況となっているようにも感じられます。その具体的な現れが景観法の制定であると言えるでしょう。しかしそのような方向性はまだまだ第一歩を踏み出したに過ぎません。 これまで継続されてきたスクラップアンドビルドの住宅・建築・都市・地域のつくり方を止揚し、国民の要求にもなりつつある、住み続けたくなる・住み続けることができるストック性の高い住まい・まちづくりに転換する方策を、具体的な事例を交えながら探りたいと思います。 (特集担当編集委員/竹山清明)
■特集
・「まちなか居住」と「まちなか戸建」 /森本 信明
・建物のストック性が良い景観をつくる /中林 浩
・まちの処方箋 /甲斐 徹郎
・「地域コミュニティ再生型コーポラティブ住宅」の取り組み /杉山 昇
・住宅資産価値を増進させるまちづくり―建物・まちなみのデザイン/戸谷 英世
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・忙中閑 凍てし闇抜け /高橋 偉之
・グリーンツーリズム よりよい生活に向けての旅立ち 9
ルーツを探る―アイルランドのグリーンツーリズム /井原 満明
・居住の貧困と都市住宅#4 もう一つの同潤会からの遺産 /大崎 元
・主張 外に呼びかけ新建の理念を訴えよう /大橋 周二
・新建築家技術者集団第25大会期全国役員
・新建のひろば