日本学術会議会員の任命拒否に抗議し、その撤回と6人全員の任命を強く求めます

 

内閣総理大臣

菅 義偉 様

 

菅義偉首相は、日本学術会議が推薦した会員候補 105 人のうち6人の学者を 明確な理由を示さずにその任命を拒否しました。これは、憲法 23 条の「学問の 自由」を脅かす違憲行為であり到底容認できるものではありません。加えて、 当事者である日本学術会議および国民に今回の異例の措置について真っ当な説 明がされないという暴挙は、この国の民主主義の根幹を揺るがすものです。

 1949 年に日本の科学者を代表する国の機関として発足した日本学術会議は、 科学の振興や技術の発達に関する方策などについて政府に勧告することができ る独立した機関です。

 国民の幸福と世界の人々との調和、そして平和を追求するための政治を担う政府が正常に機能するためには、様々な立場や分野からの意見に真摯に耳を傾ける姿勢と仕組みが不可欠です。理由も明らかにせず特定の学者を外すという今回の行為は学問への政治的介入であり、国家権力を振りかざすファシズムの現れと言えます。そのことを危惧する国民の声が日に日に広がっています。

 私たち新建築家技術者集団は、1970 年に創立以来約 50 年の活動を通して、 住む人、使う人の立場に立つ「誰もが人間らしく生きる生活空間の創造」を掲 げてきた集団です。会員は、建築家・建築技術者、大学研究者、自治体職員、 コンサルタントなど、建築やまちづくりの職業にたずさわる人々や関心をもつ 人々を中心に活動をしています。

 今回の違憲行為は、住民の立場に立つ様々な市民運動への弾圧につながる暴挙 であり看過できません。

私たちは、菅首相に厳しく抗議し、任命拒否の撤回と6人全員の任命を強く求めます。

 

2020年10月13日

新建築家技術者集団常任幹事会

幹事会議長 片井克美 


ダウンロード
内閣総理大臣への抗議文.pdf
PDFファイル 95.6 KB