日本学術会議会員の任命拒否に抗議し、即時の任命を求めます

内閣総理大臣  菅 義偉 様

10月1日、菅義偉内閣総理大臣は、日本学術会議が第25期新規会員に推薦した105名のうち、6名の学者を任命しないという暴挙を行いました。日本学術会議は第181回総会名で、菅内閣総理大臣に対し、日本学術会議が推薦した会員候補者が任命されない理由を説明すること、及び推薦した会員候補者のうち任命していない方の速やかに任命を求める要望書を提出されました。
日本学術会議は、戦前科学者が戦争に協力した苦い経験を踏まえて、二度と同じ過ちを繰り返さないとの固い決意のもとに1949年1月に設立されたもので、日本学術会議法前文には「科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし、ここに設立される。」と謳っています。

我が国の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約87万人の科学者を代表して、科学政策について政府に提言したり、科学の啓発活動を行ったりするために、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として位置づけられています。

日本学術会議のホームページによると、日本学術会議の役割は、・政府に対する政策提言 ・国際的な活動 ・科学者間ネットワークの構築 ・科学の役割についての世論啓発とあります。

今回の政府の恣意的な判断による会員任命拒否は、これら日本学術会議の活動が、会員任命を通じて政府に委ねられることになり、学問の自由と科学者の自律的な発言を維持することに重大な制約がでるものと考えます。

私たちは、政府が任命拒否の理由を明らかにし、拒否された6名の任命を直ちに行うよう求めます。

なお、新建築家技術者集団は、1970年に設立した「国土を荒廃から守り、環境破壊を許さず、人びとのねがう豊かな生活環境と高い文化を創造する目的をもつ」組織であり、今回の任命拒否を許しがたいものです。

2020年10月11日 新建築家技術者集団
東京支部常任幹事会

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