250510 若手建築家ダブル講演会

  • URLをコピーしました!

多数のご参加ありがとうございました。

Index

小さな声に耳を傾ける─地域に根差す若手建築家たちの挑戦

「建築」と聞いて、どんなイメージが浮かびますか? 巨大なビル、世界的な名建築、あるいは華やかなデザイン。もちろん、それらも建築の一側面に違いありません。しかし、いま、静かに、そして確実に広がっているのは「日々の暮らしに寄り添う建築」です。

そんな建築の作り方を感じ取れる講演会が、2025年5月10日(土)、大阪木材仲買会館で開催されます。
登壇するのは、地域に根差し、暮らしと対話しながら建築を実践する二人の若手建築家──木村よしひろさんと伴 現太さん。彼らの仕事は、単なる「設計」ではありません。「建てる」ことのその先にある、人と人とのつながり、土地の記憶、暮らしの輪郭を丁寧に編み上げていく営みなのです。

「建築家=町医者」 伴 現太さんのアプローチ

伴さんが代表を務める「連・建築舎」は、昭和町を拠点に地域密着型の設計活動を展開してきました。そのスタンスは、「町医者的建築家」とも言われています。

バイローカル運動──すなわち、自分たちの「地元」と向き合い、日常の中に価値を見出していくこの取り組みは、建築を「まちづくり」や「経済循環」と結びつけていくヒントになります。

たとえば、古くから続く町屋の再生。単に古い建物を残すのではなく、「なぜそこにそれがあったのか」「これからも必要とされる形とは何か」を、地域の人びととともに考え、実現していくプロセスは、まさに診療にも似た丁寧さを持ちます。町に寄り添い、小さな声に応えながら、建築を「再生」していく。

「広がる仕事」はどこから来るのか? 木村よしひろさんの実践

一方、株式会社VANSを率いる木村よしひろさんは、関西を拠点に幅広いプロジェクトに携わる実力派。特筆すべきは、設計の領域にとどまらず、多様な活動から仕事を生み出している点です。

木村さんの設計に共通するのは、クライアントとの対話を通じてつくる姿勢。建築は一人の建築家の表現ではなく、多くの思いが交錯する場所。その姿勢は、地域の人々との協働を通じて、思いがけない仕事の縁を引き寄せています。

その一つひとつのプロジェクトには、風景を変えるような派手さはありません。けれど、10年後、20年後に残る「暮らしのかたち」をつくっているのです。

建築は、誰のためにあるのか?

この講演会のタイトルには明記されていませんが、木村さんと伴さんの実践を通して一貫して伝わってくるのは、「建築は、暮らす人のためにある」という当たり前だけれど深い命題です。

設計者が前に出るのではなく、暮らしの声に耳をすますこと。デザインが目立つのではなく、風景に自然と馴染むこと。そして、規模の大小ではなく、どれだけ真摯に向き合えるか。そのような仕事を日々積み重ねる二人の建築家の話には、建築の「これから」を見通すヒントが詰まっています。

開催概要

  • 日時:2025年5月10日(土)15:30~17:30(15:00開場)
  • 会場:大阪木材仲買会館 3階大会議室
  • 参加費:一般 1500円/学生 1000円
  • 定員:50名(先着順)
  • 申込み:新建築家技術者集団 大阪支部HP
     申込リンクはこちら

アクセスも便利で、地下鉄西長堀駅7A出入口から徒歩4分。建築に関心のある方はもちろん、地域と関わる仕事に携わる方にもおすすめの内容です。

さいごに

建築とは、目に見える「かたち」をつくること以上に、人と人との関係性を編み直す仕事です。そしてそれは、特別な誰かの専売特許ではなく、私たち一人ひとりが担い手になれるものでもあります。

今回の講演会は、そんな「建築の地平」を再発見する絶好の機会。ぜひ足を運び、若手建築家たちの言葉に耳を傾けてみてください。あなたの中の「建築観」がきっと静かに揺れ動くはずです。


この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてください
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
Index