仮設2商店街計画、南三陸で着々 100店舗再開目指す
【河北新報110716】東日本大震災で約8割の商工業者が被災した宮城県南三陸町で、二つの仮設商店街計画が進んでいる。南三陸商工会が主導し、中小企業基盤整備機構の制度を活用したプレハブ店舗と、ボランティア組織によるコンテナ店舗を設ける方針だ。商工会は会員らに参加を呼び掛け、飲食店や鮮魚店など計約100店舗の営業再開を目指す。
中小企業基盤整備機構の制度は、プレハブを建て商工業者に貸し出す。志津川御前下の南三陸消防署西側の私有地5500平方メートルと、歌津枡沢の平成の森の町有地200平方メートルの2カ所に建設することが決まった。
プレハブは店舗や水産加工場などが共同利用する形式で、面積は店舗が40~50平方メートル、加工場は約100平方メートルを確保する。店舗数を決めた上で9月下旬にも着工、12月の営業開始を予定する。
ボランティア組織による仮設商店街は、コンテナハウスを店舗とする計画で、「社会貢献共同体ユナイテッド・アース」(神戸市)が提案した。
一つの店舗が20フィート(約6メートル)コンテナを利用し、最大で30店舗を想定する。プレハブ店舗が建つ南三陸消防署西側に併設する。早ければ9月にも営業を始めることができるという。
ユナイテッド・アースは「店舗デザインを工夫し、幅広い年齢層が集まる元気な商店街を目指す」と話す。
商工会は二つの仮設商店街について、15日に町役場で説明会を開き、約100人が参加した。出店料はなく、毎月の共益費などは1万~2万円という。商工会によると、会員約100人が仮設施設での営業再開を望んでいるという。
同町入谷の飲食店主高橋修さん(52)は「店舗面積が小さく客単価も下がる。利便性を考えて出店を決めたい」と話した。