石巻市が新都市構想 東日本大震災 復興計画のたたき台に
【三陸河北新報社110430】石巻市は29日、震災復興基本方針を踏まえた新都市構想を発表した。構想は復興基本計画策定のたたき台とし、「災害に強いまちづくり」「新エネルギーを生 かした循環型社会」「絆と協働の共鳴社会」の三つを挙げた。計画のゾーニングや高台の無い市街地は住居を移転し、堤防や道路等で二重の防御を図る復興イ メージも示した。亀山紘市長は「沿岸部、旧北上川、北上川沿いの地域を今後、どうするか。早い段階でグランドデザインを市民に示していきたい」と述べた。
市は、構想を基に住民アンケートを5月1日から2週間程度、実施し、今後の住まいの希望や場所、防災体制について意向を探る。市内のスーパーで買い物客5000人にアンケート用紙を配り、記入してもらう。
「災害に強いまちづくり」の基本方針として市が挙げたのは①安全で安心できる住・職環境づくり②安全な避難所の確保③避難路・緊急輸送ネットワークの確保|の三つ。
高台の無い市街地の復興イメージの一例を紹介。防波堤や高く盛り土した道路、樹林帯、避難ビルで津波を防御し、住居や学校、病院、避難所などを守る。事業手法は市街地再開発、土地区画整理、住宅整備事業などを組み合わせて進める。
高台に囲まれた漁業集落の復興イメージは、集落を漁港近くから避難路を整備して高台に集団移転させる。市は「沿岸部は高台へ住居を移転し、職・住分離型のまちづくりが必要」としている。
計画のゾーニングとして、旧市内の住居、工業、水産加工、商業、公園、文教の各ゾーン、防災拠点を示した。東日本大震災で大きな被害を受けた旧北上川両 岸や市女商高周辺を公園ゾーンに設定。工業ゾーンは、石巻工業港背後地の部分を拡充し、震災で被災した住宅地も加えた。
市内のほとんどが浸水した今回の震災で、亀山市長は「住居ゾーンを今後、どう進めるか。商業ゾーンは都市機能の複合化も考えられる」と述べた。
「新エネルギーを生かした循環型社会」について、亀山市長は「太陽光発電を積極的に導入し、災害時の非常用電源にする。地下で蓄電できる体制を取りたい」と強調した。
新都市構想は、震災復興推進本部の「減災・新まちづくり」専門部会や、市民や企業、団体等による復興計画検討委員会で議論のたたき台として審議される。市は復興基本計画を月末に策定する。
石巻、3ゾーンで被災地整備 宅地は堤防・盛り土で防御
【河北新報110430】宮城県石巻市は29日、市街地再整備の指針となる「新都市構想」を明らかにした。津波が直撃した海岸部や旧北上川河口付近に「公園」「工業」「水産加工」の3ゾーンを設定。宅地は移転した上で、堤防と盛り土した道路の二重の防御で被災を防ぐ考えを示した。
復興基本計画作成に当たっての参考案として示した。市は5月中に被災者を対象にしたアンケートを実施し、転居希望など住民の意向を把握し、構想に反映させる。
構想は石巻工業港周辺に「工業ゾーン」、石巻、渡波両漁港の背後地に「水産加工ゾーン」、旧北上川河口付近の南浜町・門脇町などに「公園ゾーン」を設けた。
既存の中心商店街や蛇田地区は「商業ゾーン」、開成地区の総合運動公園周辺は「防災拠点」に位置付けた。海岸周辺は原則的に人が住まないエリアとし、防波堤と盛り土した道路を造って住宅や病院、学校がある「住居ゾーン」に津波が流れ込むのを防ぐ。
各ゾーンを結ぶ避難路と緊急輸送路を整備し、太陽光発電など自家発電装置を備えた避難ビルを建設する。
市街地には幼稚園と老人介護施設を併設する複合施設や、店舗と公共施設も兼ねた中層住宅などを整備し、地域コミュニティーの形成を促進する。次世代型路面電車(LRT)を走らせるアイデアも盛り込んだ。
2011年04月30日土曜日
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