岩手県 「震災復興へ3原則決める 県総合企画専門委」

震災復興へ3原則決める 県総合企画専門委

岩手日報110523】県の復興ビジョン策定に向けた検討を行う総合企画専門委員会(委員長・斎藤徳美放送大学岩手学習センター所長、委員7人)は22日、盛岡市内で第3回会合を開き、復興に向けた3原則として「安全の確保」「暮らしの再建」「なりわいの再生」を決めた。ビジョンの計画期間については県が6、8、10年の3案を提示。最終的に上部組織の県東日本大震災津波復興委員会を経て最終決定する方針だ。

 委員6人が出席した。県は3原則の具体的な取り組みとして、安全の確保が「防災のまちづくり」、暮らしの再建が「生活再建」「保健医療・福祉」など、なりわいの再生が「水産業・農林業」「経済産業」「観光」の計9項目を提示。重点事業の工程表は16日の第2回会合で既に公表されている。

 復興の基本目標案は「人と自然が共生し 人と人がつながり躍動する 安全で豊かなふるさと岩手の再生」で、同専門委などの会合で出たキーワードを組み合わせた。委員からは「何のキーワードが大事か伝わらない」「三陸の言葉が必要」などの意見が出された。

 また、県は計画期間について▽短期(3年程度)、中期(3~5年)的な取り組みを中心とする6年▽短期、中期に加え長期的取り組みの一部も含む8年▽長期的取り組みの最後まで考える10年―の3案を示した。

 期間について、斎藤委員長は「できれば計画は短くしたい」と迅速な復興の必要性を指摘しながら、「実行できない計画をつくっても絵に描いた餅になりかねない」と述べ、今後の復興委員会を踏まえ議論する考えを示した。

 協議内容は25日の第4回同復興委会合で提示。ビジョンは6月7日の第5回会合で成案を得た後、県議会6月定例会で説明する。

 

復興3原則固まる 総合企画専門委

岩手日日110523】県東日本大震災津波復興委員会の第3回総合企画専門委員会(委員長・齋藤徳美放送大岩手学習センター所長)は22日、盛岡市内で開かれた。復興計画の策定に向け、復興に向けた3原則が出され、おおむね了承。計画の期間については6年、8年、10年とする3案が示され、今後さらに協議していく。
 復興計画については、計画という一つのくくりの中で、基本方向などに関する復興ビジョンと、具体的な施策や事業、工程表などを示した復興実施計画で構成される見込み。
 復興に向けた原則は、前回までの協議を踏まえて▽「安全」の確保▽「暮らし」の再建▽「なりわい」の再生-の三つとされ、この柱ごとに具体的な取り組み9項目が盛り込まれた。「安全」では防災のまちづくり、「暮らし」では生活再建や地域コミュニティー、「なりわい」では水産業・農林業などとなっている。 生活再建は住宅再建のほか、雇用創出に関しても触れられる。
 復興の基本目標について「人と自然が共生し 人と人がつながり躍動する 安全で豊かなふるさと岩手の再生」という案が示されたが、委員からは「何をしてくれるか伝わってこない」「三陸という言葉を入れた方がいいのでは」などという意見が出された。
 復興計画の期間は、従来想定した10年に加え、短期取り組み3年と中期3年による6年、中期3年に長期2年を加えるか、中期を5年とする8年の3案が示された。委員からは「できるだけ短くとは思うが、実現不可能なものをつくっては意味がない」という声が聞かれるなど、同日は結論が出なかった。
 今後は25日の復興委を経て、総合企画専門委内でさらに協議した上で計画の素案をまとめる見通し。

 

〈東日本大震災〉「安全」「暮らし」「なりわい」 県復興委企画専門委が3原則

盛岡タイムス110523】県東日本大震災津波復興委員会総合企画専門委員会(委員長・齋藤徳美放送大学岩手学習センター所長)は22日、盛岡市内で3回目の会合を開いた。県側から計画の名称や役割、構成などが提示されたほか、復興の基本目標についても示された。復興に向け「安全」の確保と「暮らし」の再建、「なりわい」の再生- の3つの原則を方向付けた。県では、6月7日の同委員会で計画の最終案を示す予定。
 委員会には、委員ら6人と今回から新たに委員に加わった北里大学の緒方武比古海洋生命科学部長らが出席した。
 計画の名称は「岩手県東日本大震災津波復興計画(仮称)」。復興の基本方向などを示す「復興ビジョン」と、具体的に取り組む施策や工程表などを示した「復興実施計画」で構成する。
 復興計画の期間は6年と8年、10年の3案を提示した。委員からは「計画に盛り込まれた事業の着手であれば6年でできるが、事業完成となると厳しいのでは」などの意見が出された。今後、委員会内で慎重に議論し計画期間を決める。
 前回までの議論を踏まえ、復興の基本目標として「人と自然が共生し 人と人がつながり躍動する 安全で豊かなふるさと岩手の再生」が初めて示された。
 ①「安全」の確保②「暮らし」の再建③「なりわい」の再生-の三つの原則を方向付け。①では防災のまちづくり、②では生活再建や保健医療・福祉、教育・文化、地域コミュニティー、市町村行政機能、③として水産業・農林業、経済産業、観光など九つの具体的な取り組みを設定し復興の実現を目指す。
 県側から「三陸創造プロジェクト」も示された。復興に向けた取り組みとは別に、例えば国際海洋研究拠点の形成や津波資料館(アーカイブセンター)の建設、ものづくり特区による産業振興など地域における新しい価値の創造を目指しながら、県民に将来の夢と希望をもたらす取り組みとして実施する。復興ビジョンの 中に盛り込むかは未定。
 会合後、齋藤委員長は「計画は迅速・具体性が大切。時間的制約はあるが委員会としてベターな案を示したい」と話した。
 計画策定に向け今後、23日には東日本大震災津波復興委員会津波防災技術専門委員会、25日に東日本大震災津波復興委員会を開催。県は6月7日に同委員会で最終案を提示する予定。