女川再生へ独自の復興計画
【三陸河北新報120131】女川町の企業、団体などで組織する女川復興連絡協議会(高橋正典会長、30団体加盟)は30日、町と町議会に、独自にまとめた女川町復興計画を提出した。町が策定した復興計画を基に、商工業者が連携しながら復興を目指す法人「町づくり事業組合(仮称)」の設立や、冷凍冷蔵事業の共同事業化などを提案している。今後、実施時期などを明示した工程表作成などに取りかかる。
復興計画は町民アンケート、専門家の助言などを参考にし、民間ができる復興への提言としてまとめた。「100年後も人々が住み残る、住み戻る、住み来る町」を理念に掲げ、産業面の復興を主眼に、生活再建などを提案している。
商工業については、壊滅した中心街区(モール)について町が土地を買い上げるか収用し、モールの運営を「町づくり事業組合」が行う公設民営化を提案。飲食店など各種商店主、旅館などは事業組合から店舗、施設を借りて営業する。
3~5年後の本格復興時、行政の支援がないと事業再開の資金調達が経営の障害となることから公設民営化とした。
基幹産業の水産業は当面、漁業再開と魚市場を中心とした流通・加工の着実な再開を目指す。個々の企業にとって負担が大きくなる冷凍・冷蔵庫や、汚水処理プラントは共同、あるいは広域下水道などで進める。
消費者ニーズに沿った食材の開発、食品の安全・安心をさらに高める情報公開を進めながら、女川ブランドの再確立も目指していく。
観光面については観光協会を発展的に解散し、水産と商工が連携した観光産業の育成、インターネットショップ管理運営など、観光を一元的に管理するマリンステーション女川観光局事業組合(仮称)に改組する。
高橋会長は「住居の高台移転はイメージできるが、産業再生の具体案は描けていない。町民が力を合わせ、産業を軸とした町の再生を進めていきたい」と話した。須田善明町長は「官民の協力で復興の歩みを強めたい」との考えを示した。