国に復興特区申請 県
【岩手日日120201】県は31日、東日本大震災からの復興に向け、「保健・医療・福祉」に関する復興特区の申請を国に対して行った。県全域に関する地域医療確保事業など3事業を盛り込んでいる。さらに、沿岸12市町村と共同で総額5464億円規模の復興交付金事業計画も提出。交付金に関しては今後4週間程度で交付可能額が通知される見込みで、通知を受け次第具体的事業に着手できるよう準備を進める。
二つの申請については、同日開かれた県復興本部員会議で報告された上で、復興局長の上野善晴副知事らが盛岡市にある政府の復興対策本部現地対策本部を訪れ、井上明事務局長に申請書を手渡した。
このうち、復興特区に関して県は「保健・医療・福祉」「まちづくり」「産業再生」「再生可能エネルギー」の4分野について申請を検討してきたが、準備が整った保健関係について先行して申請した。具体的には県全域を対象とした地域医療確保事業と、沿岸12市町村対象の薬局等整備事業、訪問リハビリテーション整備推進事業を掲げた。このうち地域医療確保では、医師不足に対応するため、医療機関に対する医療従事者の配置基準の特例を求めている。
今後、他の分野についても準備が整い次第申請していく方針で、このうち産業再生は2月上旬の提出を予定。保健関係の認定までの期間は未定だが、県では早めの認定を求めていく。
交付金に関しては、第1次分は同日が締め切りで、著しい被害を受けた地域の円滑、迅速な復興のために実施する必要がある事業について提出(2011~15年度)。県事業実施分は1410億円、市町村事業実施分は4053億円となった。主な県事業は、災害復興公営住宅の整備が755億円と半数以上を占め、道路整備が430億円、農用地区画整理が150億円と続く。市町村実施分は防災集団移転促進事業(高台移転)などが盛り込まれた。
交付金事業計画については、このほかにも提出を検討した自治体があったといい、次回の提出期限とされる3月に向けてさらに検討を行う。
上野副知事は「県としてそれぞれの市町村が早期の復興が図れるよう全面的に支援するが、復興特区と復興交付金は支援に向けて重要なツール。今後も国に一生懸命働き掛けて早期の実現を図っていく」と語っている。
県が国に計画申請 「医療特区」創設と復興交付金
【岩手日報120201】県は31日、国の復興特区法に基づき、病院の医師や看護師の配置基準の緩和などを盛り込んだ「保健・医療・福祉特区」の創設を求める復興推進計画と、沿岸12市町村で総額5464億円に上るハード事業について手厚い補助を求める復興交付金事業計画の申請を国に行った。本県第1弾の申請で、国の審査を経て、年度内に特区認定と交付可能額の通知が行われる見通しだ。
上野善晴副知事と12市町村の関係者が盛岡市の政府復興対策本部岩手現地対策本部を訪問。井上明事務局長に両計画書を手渡した。
「医療特区」は2016年度までの間、県内全域の医療機関を対象に、前年度の患者数などに基づく医師や看護師の配置基準について通常の90%の緩和などを認め、深刻な医師不足の中で医療機関が柔軟に対応できる。介護施設でも同様の緩和措置が受けられる。