復興住宅が一部完成 工学院大など石巻で建設
【111124河北新報】東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市北上町十三浜に工学院大(東京)が地元企業グループなどと連携して建設した被災者用の復興住宅が一部完成し、引き渡し式が23日、現地で行われた。
主に十三浜の白浜地区の住民が暮らす予定で、コミュニティーを保ちながら、集落再生を目指す。
復興住宅の建設は、地元企業が無償貸与した高台の別荘予定地に、いずれも木造の平屋(43平方メートル)と2階建て(63平方メートル)の個人用計10棟、2階建ての高齢者らの共同利用住宅1棟(109平方メートル)を計画。事業費1億7000万円は大学が集めた寄付金を充てた。
4棟が完成し、残り7棟も年内をめどに完成させる。個人用10棟は全て入居が決まり、白浜地区などの約40人が暮らす予定。賃貸料は平屋が月額2万円、2階建てが2万7000円となっている。
23日は復興住宅の鍵の引き渡し式があった。家族5人で入居する漁業佐々木克弥さん(54)は「自宅近くに住めるのはうれしい。親戚の家を転々としながら暮らしていたので、心身ともに安心できる」と語った。
復興住宅整備の責任者で、工学院大建築学部の後藤治教授(建築学)は「ここで集落の再生を手助けし、三陸の小さな漁村は小さな単位で立ち直れることを証明したい」と話した。