宮城県 「災害公営住宅1万2000戸 事業費2000億円」

災害公営住宅1万2000戸 事業費2000億円

河北新報111101】宮城県は31日、東日本大震災の被災者向けに整備する災害公営住宅の建設戸数が、県内15市町で1万2000戸になるとの試算結果をまとめた。建設用地費用を除く事業費は約2000億円を見込んだ。2015年度までの全戸完成を目指す。

 県が年内に策定する復興住宅計画の骨子案の中で示した。仮設住宅の入居世帯数などを基に算出した。各市町は被災者を対象に住居に関する意向調査を進めており、戸数は増える可能性がある。
 骨子案では、建設期間を県震災復興計画で示した15年度までの5年間とした。県の11年度補正予算には150戸分、1億円の設計費用が計上されており、県は建設用地が決まり次第、本年度中にも設計に着手する。
 主な整備方針として、(1)地域コミュニティーの維持(2)地元業者、県産木材の活用など地域産業振興への貢献(3)地域の少子高齢化への対応―などを掲げた。高齢者、障害者に配慮し、地域の特性に合った住宅供給を図る。
 災害公営住宅は各市町による整備を基本とした。一部は県営住宅として建設する。事業推進が困難な被災市町では、県が設計、建設を代行する。民間企業による整備も積極的に受け入れ、早期の全戸完成を目指す。
 現段階で整備を予定するのは仙台、石巻、塩釜、気仙沼、名取、多賀城、岩沼、東松島、大崎の9市と、亘理、山元、松島、七ケ浜、女川、南三陸の6町。
 災害公営住宅は震災で住居を失い、自力再建が難しい被災者が入居対象。収入基準などが問われない入居資格の特例期間は現行法で3年間とされている。政府は特例期間を最長10年間とする復興特区法案を開会中の臨時国会に提出している。