福島県 「仮設住宅、大半が都内に発注…地元業者が悲鳴」

読売新聞110430】東日本大震災と福島第一原発の事故で、避難者向け仮設住宅の建設の大半が都内の業者に発注され、福島県内から悲鳴が上がっている。

 県は急きょ、当初予定の1万4000戸のうち4000戸を県内業者に割り当てたが、4倍を超える応募が殺到。「震災で建設業界は休業状態。地元に仕事をさせてほしい」との声がわき上がっており、県は今後、地元割り当て分を増やすかどうか検討する。

 県は3月下旬、仮設住宅1万4000戸を7月末までに提供する目標を立てたが、震災以前に、大手住宅メーカーが名を連ねる東京都のプレハブ建築協会と災害時の協定を結んでいたため、同協会の会員が全て請け負う形になっていた。

 県土木部は協定締結の理由を「緊急時用の建築資材を備蓄していて、速やかに仮設住宅を建てることができる」と説明するが、県建設業協会の三瓶英才 会長は「仮設住宅は一定の技術を持つ業者なら作れる。福島県の復興のためには、仮設住宅の建設は相当程度、県内の業者に任せるべきではないか」と訴える。 冷え込む県内経済に震災と原発事故が追い打ちをかけた格好で、「県内の建設業全体が開店休業状態」だからだ。

(2011年4月30日10時15分 読売新聞)