石巻・大川小で保護者説明会 「危機意識不足」と謝罪
【河北新報120123】東日本大震災の津波で全校児童の7割に当たる74人が死亡、行方不明になった宮城県石巻市大川小の被災状況について、市教委は22日、3回目の保護者説明会を開き、追加調査の結果を報告した。市教委は多くの犠牲者が出た要因について、学校の災害マニュアルの不備や教職員の津波への危機意識の低さ、津波が来ないという思い込みの3点に整理。対応に問題があったことを認め、謝罪した。
説明会は大川小が間借りする同市飯野川一小で行われ、父母ら約70人が出席した。
市教委は高台避難ができなかった点について「マニュアルで津波時の避難場所を定めていなかったことにより、迅速に判断できなかった」とあらためて説明。市教委がマニュアルを点検指導しなかった責任を認めた。
防災無線などの津波情報が適切な避難行動に結びつかなかったことについては「教職員の津波に対する危機意識が低かった」と分析。校庭に津波到達の直前までとどまった点は「指定避難所だから安心、という思い込みが避難の妨げになった」などと説明した。
市教委の境直彦教育長は冒頭、「津波に対する危機意識を高めておくべきだったと悔やまれる。本当に申し訳ありませんでした」と陳謝。柏葉照幸校長も「心からおわび申し上げる」と謝罪した。
市教委は昨年6月、当時現場にいた教職員の中で唯一助かった男性教師や児童らに行った調査結果を基に、遺族らに事実関係を報告。遺族らからさらに検証を求める声が上がり、市教委が保護者ら関係者を対象に追加の聞き取り調査を行い、報告をまとめた。