【共同通信110401】国土交通省は1日、東日本大震災の被災地復旧に関する検討会議で、 壊滅的被害を受けた地域について、今後半年で応急仮設住宅の設置とともに日用品の売り場や仕事ができるスペースも併設する「仮設集落」の整備プランを提示 した。並行して自治体や住民と新たなまちづくりに関して議論を進め、秋をめどに本格的な復旧を始動させる段取りだ。
今回の震災は被害の程度が地域ごとに異なるため、被災状況に応じて(1)壊滅的被害を受け都市機能をほとんど喪失(2)臨海部の市街地は被災し周辺部は残存(3)臨海部の農地と集落を中心に被災し市街地はほとんど残存―に分類し、それぞれの復旧方法を検討する。
このうち壊滅的な被害は、役場ごと流されたり広範囲に浸水したままの状態だったりする地域を想定。仮設住宅+周辺に、日用品を売る商店+や地元企業が活動できるスペースも確保する。
国土地理院は青森、岩手、宮城、福島4県の30市町村と仙台市の3区、443平方キロで浸水を確認。国交省によると機能が集まった市街地は全体の3割に当たる92平方キロが浸水しており、居住人口は推定計約24万6千人に上る。
うち28平方キロは建物の大半が流出・損壊し、23平方キロでも建物の多くで被害を確認。こうした地域が仮設集 落整備の候補になるとみられ、本格復興の段階では宅地のかさ上げや高台への集団移転などを模索する。区画整理の対象は阪神大震災(2・6平方キロ)を大幅 に上回りそうだ。
道路や河川などのインフラや産業の復旧、住居の確保についても3分類ごとに優先順位を変えながら取り組み、鉄板の仮設堤防をつくることも検討する。