仮設住宅の建設本格化 地元産の木材を活用
【岩手日報110325】住田町は東日本大震災被災者のために、地元の木材を使った「木のぬくもり」あふれる木造仮設住宅の建設を町単独で行っている。
24日現在、同町世田米字火石地内に13棟の建設を計画しており、うち1棟を建設中。29・8平方メートルでトイレ、風呂付きの2DKタイプ。資材の確保ができれば、町有地を活用して全100戸の建設を目指している。
申し込み方法や開始日などは未定。同町建設課の菅野直人課長補佐は「プレハブに比べて少し時間はかかるが、木のぬくもりがある。震災で家を無くした人たちに使ってほしい」と話している。
5千戸の整備目指す 釜石
県は24日、釜石市での仮設住宅建設を本格的に始めた。当初は陸前高田市と同じ19日の着工だったが、燃料不足で資材を運び込めず延期していた。市全体で最大5千戸の整備を予定する。
建設が始まったのは同市中妻町の昭和園グラウンド。県内外から集まった作業員たちはトラックからクレーンで資材を降ろし、くい打ちなどをした。
同グラウンドには1DK(約20平方メートル)と2DK(約30平方メートル)のプレハブ住宅116戸を建設。早ければ4月下旬から受け入れ、2年間入居できる。
市災害対策本部によると、同市の避難者は約6千人。市内はほかに平田公園グラウンド(平田)、旧釜石一中・釜石小(天神町)、市民体育館(桜木町)などに仮設住宅が予定されている。
【写真=釜石市でも本格的に始まった仮設住宅の建設=24日、釜石市・昭和園グラウンド】
岩手の「林業の町」、独自で仮設住宅建
【TBS Newsi110419
動画】被災者向けの仮設住宅について、国土交通省は3万戸を来月中に完成できると発表しましたが、19日現在、入居できた世帯はわずか36世帯にすぎませんでした。こうした中、岩手県のある町では町が独自に仮設住宅の建設を進めています。
まるでロッジのようなこの建物。実は仮設住宅です。
仮設住宅の建設は原則、県が行うことになっていますが、津波の被災地に隣接する岩手県住田町では、少しでも早く被災地に仮設住宅を提供しようと独自に建設に取り組んでいます。
4畳半2間の2DKというつくりはほかの仮設住宅と同じなんですが、一面、地元産のスギとカラマツで出来ていまして、プレハブではないんです。
住田町は、木の切り出しから加工、建築まで一貫した生産体制を持つ林業の町です。お寺なども手がける伝統の気仙大工たちが、木目も鮮やかな仮設住宅をつくっていきます。
「気仙大工の心意気、というものも、これ(仮設住宅)には込めてやっています」(仮設住宅を建てる大工)
町では町内3か所に合わせて93戸を建設していて、1戸当たりの建設費用はおよそ250万円です。多田町長は「100戸分でも2億5000万円。被災地のためには当然だ」と建設の指示を出しました。
「県などのいろんな指示を待っていたのでは、その人たち(被災者)に対応できないので、町独自ででも被災者のためにやろうと」(住田町・多田欣一町長)
一部は今月中に入居できるとのことですが、20日、抽選が行われるこの地区は7倍を超える倍率になりました。
「今回のは一戸建てですので、結露とかプライバシーというのは完全に解決できる」(住田町・多田欣一町長)
被災者が入居している仮設住宅は、今のところ岩手県内では、まだ36戸にすぎません。地元の木で伝統の大工が仕上げる仮設住宅は、ぬくもりのある被災者のサポートとなりそうです。(19日18:02)