相川地区に集会所完成 仮設入居者に交流の場 東海大生 教職員が協力
【三陸河北新報110626】石巻市北上町十三浜の相川運動公園内にある仮設住宅隣に、集会所が完成した。仮設住宅ではコミュニケーション不足による孤独死などが懸念され、東海大の学生や教職員らが入居者同士の交流の場として活用してもらおうと建てた。
集会所は学生が設計し、木造平屋平方㍍。ヒノキの間伐材を利用した木材ブロックを組み上げ、学生8人とボランティアの大工、住民らが1週間で造った。太陽光発電パネルと蓄電池を設置し、照明の電力をまかなう。総工費約500万円は東海大が負担した。
学生たちは、山火事に遭っても芽を出し、森を再生させるドングリにあやかって「どんぐりハウス」と名付けた。
完成式で、相川地区自治会長の鈴木学さん(66)は「大いに利用して孤独死をなくしたい」、小指契約会長の佐々木文彦さん(54)は「共同体のシンボルとして生かしていく」と感謝した。内覧した住民たちは「ロフトがあり広く使える」「ヒノキの香りが心地良い」と満足げだった。
集会所の建設は、同大チャレンジセンターの「3・11生活復興支援プロジェクト」の一環で、大船渡市に続いて2カ所目。プロジェクトリーダーを務める工学部建築学科4年下田奈祐さん(22)は「建てて終わりではなく、イベントを開くなどして、継続して支援していく」と話した。
アドバイザーを務めた同学科の杉本洋文教授は「国産の間伐材を使用する上、ユニット化しているので、学生レベルでも1週間程度で完成させられる。応急建築物のモデルとして普及してほしい」と話していた。
相川、小指地区は136世帯中95世帯が被災し、41戸の仮設住宅が建設された。公共の場が不足し、情報交換や交流に支障をきたしていた。