4水門閉鎖、間に合わず 千葉市で津波浸水被害 千葉県議会
【千葉日報111006】9月千葉県議会は5日も一般質問が行われ、自民党の佐野彰(千葉市中央区)、林幹人(成田市)、山本義一(八街市)、本清秀雄(松戸市)、民主党の磯部裕和(野田市)の5議員が登壇した。東日本大震災の当日、千葉市中央区にある四つの水門の閉鎖作業が津波の到達時刻に間に合わず、床下浸水などの被害が出ていたことが分かった。県は、県全域の水門で遠隔操作設備の導入を検討する方針を示した。佐野議員の質問に答えた。
小池幸男県土整備部長は、大震災当日の千葉市中央区内の水門の閉鎖作業について「情報伝達の遅れや水門閉鎖に向かった操作担当者が交通渋滞に巻き込まれたため、寒川水門など4水門の閉鎖が間に合わなかった」と報告した。
県港湾課によると、閉鎖が遅れたのは寒川、中央4号、蘇我、浜野の4水門。水門は遠隔操作ができない上、人が常駐していないため、高潮時には、人が直接出向いて操作。操作は、県が千葉市に委託し、さらに千葉市が民間企業に委託。震災当日は、電話回線の混乱で関係者間の連絡が遅れた。
震災当日の津波により千葉中央港で最大潮位を観測したのは午後6時20分の2メートル84センチ。4水門が閉鎖されたのは、午後6時40分~同7時半で、津波到達時刻に間に合わなかった。千葉市によると水門閉鎖の遅れが原因で、浜野や寒川町で排水路を水が逆流し、道路の一部が冠水したほか、住宅2棟が床下浸水し、1店舗で浸水被害が発生した。