2011年4月22日(金)、東京大学高齢社会総合研究機構は「エイジング イン コミュニティケアタウン構想」をテーマとする東日本大震災復興まちづくりを提言しました。
提言構想
提言具体案(提言を具体化する案を随時更新していきます)
◇第一弾/仮設住宅地に向けた提案
◇第二弾/***
関連文章:季刊まちづくり号外(WEB版)>【仮設住宅からケアタウンへの連続性の確保】後藤純(東京大学高齢社会総合研究機構特任研究員)
373号 復興計画はケアタウン構想 東京大学高齢社会総合研究機構が提言
【ワタキューメディカルニュース110426】4月22日、東京大学高齢社会総合研究機構は「エイジング イン コミュニティケアタウン構想」をテーマとする東日本大震災復興まちづくりを提言した。
提言では被災地の復興について、高齢化率が30%を超える地域も多く、生活はもとより、高齢者が孤立することなくコミュニティで暮らし続けることを実現することにあり、「超高齢社会のコミュニティづくり」の第一歩と位置づけた。
実証実験でケアタウン構想
同機構は高齢社会の課題解決をテーマにし、研究、教育、連携を行い、エイジング イン プレースをテーマに千葉県柏市の住宅団地、福井県をフィールドとして活動している。09年4月からは千葉県柏市豊四季台地区の住宅団地で、建替え需要を巡り、柏市、UR都市機構と協働で講演会、研究会などの「長寿社会のまちづくり」活動を行ってきた。
国の地域医療再生計画で、千葉県から申請したもののうち、在宅医療・ケアの推進については千葉大学、県内医療機関の連携をとり、東京大学同機構が10年度から4年計画で同機構の寄付プロジェクトとして担い、在宅医療の研修プログラムの整備、医師の研修、柏市豊四季地区の医療拠点を中心に在宅医療・ケアの実践と教育を行っている。
東京大学は柏市にキャンパスがあり、ここを拠点とするジェロントロジー研究教育センター(仮称)がこの春に竣工した。同センターでは、MRI・CT等の検査、健康管理やケアができる看護介護相談室、人間行動や脳活動の計測室研究室等の研究施設を配置する。ジェロントロジーの学際的研究施設としては唯一のものになる。
柏市豊四季台団地は入居以来40年を経て、建替え需要が発生、同時に在宅医療・ケアに配慮したまちづくりの実証実験として構想された。福井県での実証実験は医療費などの分析、高齢者の運転・公共交通のあり方に関する研究、限界集落の研究等を実施している。
復興の計画もコミュニティづくりで
4月23日に第2回を開いた東日本大震災復興構想会議(五百旗頭真・防衛大学校長、神戸大学名誉教授)は、復興計画について超高齢社会のあるべき姿を検討した。超高齢社会では、必要なときに医療・介護サービスが受けられるモデルを示す必要性が強調された。復興構想会議は復興に向けた指針策定のための復興構想を議論するための会議で6月末までには提言をまとめる予定だ。2回まで開催したところで復興構想にあたるものは出ていない。
一方、東京大学同機構の案ではコミュニティ復興の際に連続性の確保を重視している点が重視され、仮設期から復興期にいたる際にもコミュニティの連続性が強調される。仮設住宅についてもコミュニティ重視の住宅建設を提言する。
ケアタウンのイメージは、ケア拠点としてユニット化された高齢者向け住宅、小規模多機能型サービス。訪問医療と開業医、拠点診療所との連携。コメディカル、介護スタッフとの連携がそれぞれネットワークされている事が理想である。
厚生労働省は11年度第一次補正予算案、総額1兆8千4百億円を公表した。医療施設、介護施設等の復旧に906億円を当てた。災害復旧の施設整備について
国庫補助率を引き上げ、復興計画を後押しする。公的医療機関については2分の1から3分の2にあがる。岩手県、宮城県と福島県については10年度補正予算で設けた「地域医療再生基金」120億円の確保を予定。認知症高齢者グループホーム等介護施設に係る施設整備、障害者支援施設等は2分の1から3分の2に上がる。介護老人保健施設については3分の1から2分の1にとどまる。
事業者への融資措置として121億円も用意する予定である。福祉医療機構による医療施設・福祉施設に対する優遇措置は貸付利率を一定期間無利子とし、融資率を100%とする。総額は財政投融資追加分として1700億円となっている。