構想復興会議 「東北を再生エネルギー拠点に 復興構想会議」

東北を再生エネルギー拠点に 復興構想会議

岩手日報110530】政府の東日本大震災「復興構想会議」は29日、東京・首相官邸で第7回会合を開き、これまでに出された主な意見を「中間整理」として公表した。東北地方を太陽光など再生可能エネルギーの拠点とする方向で基本的に一致。五百旗頭(いおきべ)真議長は会合後の記者会見で、被災地で土地利用などの規制を緩和し、税制や金融の特例で産業を振興する「特区制度」を積極的に活用する方針を表明した。本県は二重ローン解消のための早急な方針提示を求めた。

 中間整理は「地域づくり」「地域経済社会の再生」など五つの論点ごとに意見を列記。五百旗頭議長は会見で「方向付けはこれからだが、土台となる意味で了承を得た」と述べ、6月末の第1次提言に向けて御厨貴議長代理がたたき台の作成に入ることを説明した。

 財源確保のための増税に関しては賛否両論を列記。国債を発行した場合の償還財源を想定し、所得、消費税など幅広い税目での検討を求める意見があったが、本県の達増知事は反対を表明している。

 国や県による津波浸水地の買い取り案を示す一方、実現性や効果を疑問視する意見を併記。農業や水産業の集約化をめぐっても賛否両論が示された。

 再生可能エネルギーについては太陽光、風力、地熱などを活用した地域づくり(エコタウン化)や産業振興の意見を盛り込んだ。

 会合では特区に関連し、市街地、農地など利用形態別に所管官庁が異なっている用途変更手続きを、特例で一本化すべきだとの認識で一致。土地関連法の改正も同時に検討するほか、産業振興に必要な措置の具体化も急ぐ方針を確認した。

 本県は秋サケ、ワカメ養殖などの生産適期に合わせた水産業の復興や二重ローンの解消に向けた早急な対応を要望。出席した上野善晴副知事は「二重ローンの解消に国の具体的な方向が見えておらず地域経済に負のスパイラルが起きかねない」と危機感を強調した。