【河北新報120118】宮城県は17日、東日本大震災で被災した沿岸部の土地の標準的な価格について、宮城県不動産鑑定士協会に評価を一括して委託し、算定する方針を決めた。評価期間は3月末までを予定。結果は復興事業の用地取得などに役立てる。
県用地課によると、調査地点は、県の災害復旧事業や復興事業で用地取得が予定されている沿岸15市町から約100カ所を選定する。宅地や農地が中心になる見通し。
被災した土地の一括評価は、復興事業に必要な土地の迅速な確保のため、適正価格を統一的な基準で定めるのが狙い。被災による影響を見極めるためには、不動産鑑定士による専門的な評価が必要と判断した。
県は近く、県不動産鑑定士協会と契約を結ぶ。県に提出される不動産鑑定評価書は、県内の被災市町や鉄道、電力などの公共、公益事業者らでつくる「土地価格の情報連絡会議」で共有する。結果は公表しない方針。
県用地課は「土地評価を一括して委託することで、公平性が確保される」と話している。
不動産鑑定士協会による一括評価は、岩手県が16日、沿岸12市町の60カ所程度を対象に実施することを発表。東北地方整備局は土地価格に関する情報連絡部会を昨年12月に新設し、両県など関係機関による情報共有の方針を確認している。