高台に公営賃貸住宅 県が復興具体案
【岩手日報110514】県東日本大震災津波復興委員会(委員長・藤井克己岩手大学長)は13日、盛岡市内で3回目の会合を開き、県は 復興に向けた具体的取り組み案を初めて示した。被災者の精神的ケアを担う拠点として「こころのケアセンター(仮称)」を設置。避難所として活用可能な高層 ビルの整備推進、高台など安全な場所に設ける公営賃貸住宅や宅地の提供などを盛り込んだ。同委員会での協議を踏まえ、来月策定予定の復興ビジョン案に反映 させる。
同案はまちづくりや教育・文化、保健医療・福祉、経済産業・雇用など7分野で構成。3年以内を目標とする「短期」、5~10年をめどに行う「中・長期」に分け、復興策の具体項目を列挙した。
保健医療では被災者の精神ケアを長期的に行うため、一般向けの同センターと児童生徒向けの「子どものこころのケアセンター(仮称)」を設置。盛岡市に本部、沿岸被災地の病院などに支部を構える方針だ。
被災地のニーズを集約し精神科医や臨床心理士、保健師らケア従事者の拠点とするほか被災地で障害者や高齢者支援に携わる人らに基礎的ケア技能を伝える機能も持たせる。
また▽医療施設の高層化や医療ネットワークの再構築(保健・医療)▽災害対応強化型情報通信ネットワーク配備(まちづくり)▽太陽光 やバイオマスなどを導入し、災害時も自立できるエコタウン化促進(同)▽漁船、漁具、養殖施設などの共同利用システム構築(水産業)▽震災津波復興教育の 推進(教育・文化)▽津波防災を考慮したJRや三陸鉄道の復旧・整備(まちづくり)―など250項目以上を盛り込んだ。
取り組み案は同委員会での協議を踏まえ、来月策定予定の復興ビジョン案に盛り込む方針。その後、国の予算措置などを踏まえ、具体的事業名と工程表を示した復興計画案を取りまとめる方針だ。
同日の復興委では、学識経験者による助言機関「専門委員」を設けることも確認した。
(2011.5.14)