宮城県 「水産特区の撤回請願を採択 宮城県議会産経委」

水産特区の撤回請願を採択 宮城県議会産経委

河北新報111015】宮城県議会9月定例会の産業経済委員会は14日、宮城県漁協が提出した県の「水産業復興特区」構想の撤回を求める請願を賛成多数で採択した。村井嘉浩知事が提唱した特区構想に議会が異を唱えた形だが、県政与党の最大会派「自民党・県民会議」内は賛否が割れており、18日に開かれる本会議での採否の行方は流動的だ。自民会派は自主投票で臨む方針。

 請願には「県と県漁協、漁業者で協議し、将来の水産業の在り方について合意形成に努めるよう求める」とする付帯意見が付けられた。
 委員会採決では中山耕一委員長を除く委員9人のうち、自民会派の2人と、いずれも県政野党で民主党系会派「改革みやぎ」の2人、社民党県議団、共産党県会議員団の各1人の計6人が採択に賛成した。反対した3人は全員自民会派だった。
 採決に先立ち、委員会には請願提出者の菊地伸悦県漁協会長が参考人として出席。「漁協が機関決定し、約1万4000人の署名簿も提出した」と述べ、あらためて採択を求める一方、「(復興に向けて)今後もろもろ県と話し合いをしなくてはならない」と県との連携の必要性も強調した。
 委員会終了後、中山委員長は取材に対し「視察や意見聴取を繰り返し、採否の判断材料を共有してきた。県と漁協の対立が解消した中で判断したかった」と話した。
 請願は今年6月に提出され、付託された経済産業委員会は6、7月の2回、「県と漁協の話し合いを見守るべきだ」と継続審査にしてきた。