盛り土道路で堤防・海岸に避難ビル…宮城復興案
【読売新聞110425】宮城県が東日本大震災で被災した沿岸14市町に提案した街づくり復興案の概要が25日、明らかになった。
被災地の地形や市街地の状況から、「平野型」「リアス式海岸型」「都市型」に3分類。堤防の役割を果たす盛り土した道路や、高層の避難ビルを設ける。水田や漁港、工場のある海岸部と住宅部とを景観を損なわないように道路や防災公園で分ける「未来想定図」となっている。
復興案は、仙台市を除く被害が大きく復興計画作りに手が回らない市町に示された。
それによると、「平野型」は名取市、岩沼市など水田が広がる県南部が対象となる。高さ約5~10メートルの盛り土の上を走る仙台東部道路が津波を 食い止めた点に注目。こうした道路を海岸線と平行に数本走らせる。仙台平野の景観を残すため、道路間に水田を配し、住宅はその内陸に置く。海岸線の堤防も厚くする。
南三陸町など入り組んだ海岸線が続く県北部は「リアス式海岸型」。漁業が盛んで漁港や観光施設が集中し防潮堤を造るのが難しい地域に、鉄筋コンクリートの高層避難ビルを配置し、さらに低地部に防災公園を建設する。住宅は高台に移す。
津波に耐えた鉄筋コンクリートの建物が多かったことを踏まえたもので、「高台に住み、海岸近くに通勤する街」を想定している。
三陸沿岸は、これまでも津波に見舞われると高台に移住する動きが出たが、しばらくすると住宅地が海岸近くに戻った所もあり、防災公園はこうした動きを防ぐ狙いもある。
「都市型」は石巻市や気仙沼市などが対象。工場や魚市場などの産業集積地を海沿いに置き、盛り土した道路で内陸部の住宅を守る。
(2011年4月25日14時42分 読売新聞)