宮城県 「震災復興費9千億円 宮城県新年度予算 「生活再建優先」」

震災復興費9千億円 宮城県新年度予算 「生活再建優先」

河北新報120114】宮城県議会は13日、予算特別委員会を開き、2012年度当初予算の編成方針を審議した。県は一般会計に計上する震災復興費に関し、閣議決定された政府の12年度当初予算案を踏まえると、9000億円程度になるとの見通しを明らかにした。
 村井嘉浩知事は12年度政策財政運営の基本方針を説明し、主要7政策のうち「被災者の生活再建と生活環境の確保」に最優先で取り組むと表明。「通常事業は復興効果を補完、増進するものだけ予算化する」と語った。
 今野純一総務部長は予算編成状況を報告。復興特別交付税など国の財政支援が決定し、一般会計の総額は昨年10月時点の見込み通り、11年度当初の2倍の1兆7000億円前後に達すると話した。県税は300億円減収となる見通し。
 質疑では、県総合計画「宮城の将来ビジョン」(07~16年度)に掲げる数値目標「県内総生産10兆円達成」に関し、議員が「震災後も10兆円に挑戦する姿勢は民意に合致しない。膨大な復興予算で達成しても誰も喜ばない」と見直しを迫った。
 村井知事は「08年秋のリーマン・ショックと大震災で、16年度の10兆円達成は厳しくなったが、富県宮城の推進は県政運営の基本理念であり、曲げずに進める」と目標を堅持する考えを示した。
 当初予算フレームによると、復興費のうち県震災復興計画を実現する事業費は422億円。復興費を除く通常ベースの予算規模は7968億円で、08年度以来、4年ぶりに7000億円台となる見込みで、実質は緊縮型予算になるとみられる。県議会の当初予算編成方針の審議はことしが3回目の試行実施となった。