復興投資額5年間で1.6兆円
【河北新報120208】「宮城県は7日、東日本大震災に伴う公共土木施設の復旧や新たなまちづくりなどで、2015年度までの5年間に必要な投資額が約1兆6000億円に上る見通しを明らかにした。県が同日までにまとめた県社会資本再生・復興計画緊急アクションプランで示した。
県は20年度までの10年間の必要投資額を2兆6000億円と見込んでおり、約62%を前半の5年間に集中させる。年平均額は3000億円を超える規模となり、平時の予算額(約1000億円)の3倍以上となる。
1兆6000億円の主な内訳は災害復旧事業が6380億円、津波減災施設の建設など復興関連事業が8670億円、港湾や土地区画整理など特別会計事業が470億円、インフラの維持管理、長寿命化などが460億円。
本年度の公共土木施設の関連予算額は、震災に伴う補正を経て約3000億円に上った。9日発表する新年度当初予算案では、投資的経費を約4600億円計上。13年度には災害復旧事業がピークを迎え、予算額はさらに膨らむ見通し。
アクションプランは、復興に向けた主要プロジェクトごとに3カ年と5カ年の目標を掲げた。まちづくりでは、防災集団移転を市町と連携して15年度までに完了させる方針を打ち出した。
港湾関係では統合を目指す仙台塩釜、石巻、松島3港、気仙沼港などの復旧完了時期を13年度に設定。津波で崩壊した女川湾口防波堤は、15年度までに再整備を終える。
復興道路に位置付けられている三陸自動車道では、利府中インターチェンジ(IC)-松島北IC間の4車線化完了を13年度までの目標とした。
アクションプランは各市町村との調整を経て、3月上旬に決定される。