用途・構造で建築制限 釜石市が被災土地利用で検討
【岩手日報110630】釜石市は29日、被災した地域の将来的な土地利用について、建物の用途や構造による建築制限を検討していることを明らかにした。
市建設部によると、区画整理などを経た後の復旧後の土地について、津波による浸水の恐れが高い地域は都市計画法に基づく用途地域を見直し、建物の種類を制限する。構造も、鉄骨造りや鉄筋コンクリート造りなどの高強度に限りたい考えだ。
海に近く、防潮堤を越える津波で確実に浸水する地域について、住宅や木造建築などを規制することで、安全なまちづくりにつなげるのが狙い。
県が条例制定を促している危険区域での住居の建築制限については、同市は市民に新築や増築の自粛を求めており、この流れを継続する。
野田武則市長は、この日の会見で「二度と悲劇を繰り返さないために、浸水が想定される区域には住まないまちづくりをしないといけない」と述べた。
会見では、復興まちづくり基本計画の骨子案に主要プロジェクトとして盛り込んだ、地域完結型エネルギーシステム「スマートグリッド」の導入に向け、8月以降、先進地の北九州市から職員1人が派遣されることも明らかにした。