5年間で公営1万2000戸 コミュニティ維持念頭に 県復興住宅計画
【毎日新聞111223】県は22日、東日本大震災で住居を失った被災者が入居する復興住宅を巡り、20年度までの10年間の整備方針をまとめた「県復興住宅計画」を発表した。7万2000戸の整備が必要と試算し、15年度までに災害公営住宅を約1万2000戸整備する計画を明記。コミュニティーの維持を念頭に置いた集合住宅や、県産材を活用した木造住宅の整備を促進する方針も盛り込んだ。
災害公営住宅については、12年度300戸▽13年度3100戸▽14年度4500戸▽15年度4100戸--で、5年間で計1万2000戸を整備する計画。市町から委託を受けて県が建設を支援するのは5000戸と想定している。
震災前から少子高齢化が進んでいた沿岸部では震災でさらに人口流出が進むことが懸念されることから、集落維持の取り組みも明記。集合住宅などで高齢者らが共同生活を送る「コレクティブハウジング」や、集会所など多世代が暮らせる空間の整備を推進する方針も示した。
それでも人口減少が進むと見込み、計画では将来的に復興住宅を福祉施設や民宿などに転用することも検討するとしている。入居者やNPOへの譲渡も視野に入れるという。【宇多川はるか】