被災者の住宅ローン、返済猶予中は無利子に 政権検討
【朝日新聞110525】菅政権と民主党は、東日本大震災で被災した人の住宅ローンを返済猶予中は無利子にする検討に入った。猶予中に利子がたまり、猶予終了後の返済負担が重くなるのを防ぐねらい。第2次補正予算案に盛り込み、「二重ローン」対策の第1弾として打ち出す構えだ。
被災地の県ごとに利子分を補う基金をつくり、そこに国が資金を出す案などを検討している。対象は震災前に借りた住宅ローンで、政府系の住宅金融支援機構のローンのほか、銀行や信用金庫などの民間金融機関のローンも含める。
金融機関は震災後、ローンの支払いが困難な被災者に対し、元本と利子の返済を当面猶予している。ただ、猶予中も利子がかかり、猶予期間が長引けば利子を含めた支払総額が膨らむ。このため、無利子にして返済負担を軽くする。
一方、中小企業には事業再開に必要な資金に限り、政府系金融機関が無利子・無担保で貸し出す制度をつくる。国が全額保証し、審査も簡素化する。震災前の融資の返済猶予を受けたまま借りることができるようにして復旧を支援する。
菅政権は住宅ローン、中小企業向け融資の先行対策を6月中にまとめ、第2次補正予算案に盛り込む。