あわや孤独死、派遣警察官が防ぐ 陸前高田の仮設
【岩手日報110827】陸前高田市に派遣されている神奈川県警大和署の二本木秀行警部補(29)と武田憲巡査(27)のきめ細かな巡回と的確な判断で、仮設住宅で「孤独死」しかねなかった男性(74)の命が救われた。
同市小友町のキャンプ場モビリアの仮設住宅群。1軒ずつ巡回していた武田巡査が23日正午ごろ、男性宅に立ち寄ると、男性は「数日前から左腕にしびれがある。血圧が200を超える」と訴えてきた。
報告を受けた二本木警部補は「脳梗塞かもしれない」と直感。男性は後日通院しようと思っていたというが、二人は「もしものことがあったら大変なことになる」とその場で救急車を手配した。
搬送先の医師の診断では「脳梗塞を発症しており、放置すれば生命の危険があった」という。
男性は1人暮らしで電話は設置準備中。同キャンプ場の仮設住宅は1戸ずつ点在するタイプで、隣同士の連絡も取りにくい構造になっている。
男性の家族は「本人はずっと元気で、まさかという感じだった。警察の見守りのおかげで助かった」と感謝した。
武田巡査は「仮設住宅で独りで暮らさざるを得なかったり、体調に不安を持つ人には通信手段を整えるべき」と警鐘を鳴らす。
二人には28日、岩手県警生活安全部長賞が贈られる。