復興計画2次案了承 職住分離に反論なく 宮城県会議
【河北新報110714】宮城県震災復興会議の第3回会合が13日、東京都内のホテルで開かれ、316の復興事業を盛り込んだ「県震災復興計画第2次案」を協議した。多くの委員が若者や企業を巻き込む「参加型」の被災地復興のアイデアを披露。職場と住居を分ける沿岸部の「職住分離」は前回異論が噴出したが、2次案でも堅持した県の方針を了承した。
日本総合研究所理事長の寺島実郎氏は「宮城を復興させるんだという若いエネルギーを吸い寄せる計画でなければならない」と指摘。復興に参画する若者の受け皿として「復興プロジェクト推進隊」結成を提案した。
千葉大教授の広井良典氏も「若者震災復興支援隊」の創設を国レベルで検討するよう求めた。「ボランティアに期待、依存した復興は望ましくない。月額10万~15万円の給与を支払う大規模な仕組みが必要」と話した。
「民間の知恵と資金を引き出すことが、県の重要なミッションだ」と語ったのは野村総研常勤監査役の山田沢明氏。「危機に直面し、県の役割は変わった。外部の力をいかに活用するかが県政の方向だ」と強調した。
イマジニア会長の神蔵孝之氏は計画の実行部隊の必要性を強調。「いろんなアイデアをタイムリーに実現するため、知事直属の機構を設立し、官民のプロ集団を集めておくべきだ」と述べた。
村井嘉浩知事は「提案された若者の知恵や力を引き出す仕組みは面白いアイデアだ。8月の最終案策定に向け検討していきたい」と話した。
「職住分離」については前回、複数の委員から「コミュニティーが壊れる」との異論が出た。県は「海まで(車で)すぐの距離に(住居エリアを)想定した。職住分離だが、職住近接でもある」と2次案明記に理解を求めた。
委員から反論はなく、議長の小宮山宏三菱総研理事長は「沿岸部全てに職住分離を適用することはあり得ず、職場と住居がどうしても遠くなる地域は、最初から分離を考えていない」と述べた。
県は13日、2次案のパブリックコメント募集を開始。16~18日は5カ所で県民説明会を開く。