宮城県南三陸町 「漁再開の拠点に 滋賀の大学生が南三陸番屋建設」

漁再会の拠点に 滋賀の大学生が南三陸町番屋建設

学生が建築した番屋=17日、宮城県南三陸町歌津の田の浦漁港
学生が建築した番屋=17日、宮城県南三陸町歌津の田の浦漁港

河北新報110820】東日本大震災で壊滅的被害を受けた宮城県南三陸町の漁業再開を支援しようと、滋賀県立大の学生が「番屋」と呼ばれる作業小屋を歌津地区にある田の浦漁港に建設した。漁港付近はホヤ養殖が盛んで、漁業者は「漁再開の弾みになる」と活動拠点の完成を喜んでいる。
 建築したのは、建築やデザインを学ぶ学生でつくる「木興プロジェクト」のメンバー30人。6月に住民と話し合って建築を決めた。学生は8月8日に現地入りし、交代で作業。地元の大工から工具を借り、時折指導を受けながら17日に完成した。
 番屋は木造平屋で約15平方メートル。津波で流された事務所跡に設置した。ホヤとワカメ養殖を営む千葉吉之さん(73)は「学生さんが一生懸命で本当にありがたい。私たちも一日も早い復興を目指して頑張りたい」と感謝した。
 木興プロジェクト代表の上西慎也さん(22)は「もんもんと日々を過ごす漁業者の方々を見ていて、何とか力になりたかった。どんな使い方でもいいので、地域の復興に役立ててもらえれば」と話した。