液状化被害、千葉県独自に最大100万円支援
【読売新聞110511】森田健作・千葉県知事は10日、東日本大震災で液状化被害を受けながら、国の支援制度の対象とならない住宅について、同県単独で100万円を上限に支援金を支給すると発表した。
約8000棟の適用を見込み、18日に招集予定の県議会臨時会に提出する今年度一般会計補正予算案に78億円を計上する。
支援金は、住宅を解体するか地盤を修復すれば2人以上の世帯で100万円、単身世帯では75万円を支給する。半壊で補修の場合、世帯人数にかかわらず25万円となる。記者会見した森田知事は、「国に(支援対象の)拡大をお願いするが、できない場合も県単独としてやらなければと考えた」と述べた。
県は地元の各自治体にも支援への負担を求める考えを示していたが、千葉市など16市が共同で県単独の負担を求めたことから、「自治体もそれぞれ財政状況に格差がある」(県幹部)ことを考慮し、単独での支援実施を決めた。
被災者生活再建支援法では、国から支援金を受けられるのは全壊や大規模半壊の場合と、半壊で住宅を解体する場合。液状化被害ではこの基準を満たさない住宅が多く、内閣府は今月2日に新基準を発表。傾き100分の1以上60分の1未満が「半壊」、基礎が地面に潜り込んだケースでも潜り込み幅が床上1メートル以上は「全壊」、床以上は「大規模半壊」と判定するとした。これにより県内でも適用対象が増え、県は約1万2000棟の被害住宅のうち約4000棟が国の支援対象になるとみている。
(2011年5月11日10時37分 読売新聞)