宮城県 現地の動向(岩渕)

(2011/06/04 12:02), 岩渕 善弘 wrote:
Subject: [fukkoushien_member:0175] Re: 常幹に向けて(現地の動向)

> 鎌田新建全国事務局長
> 新建全国常幹  各位へ
>                                     

>                              宮城支部 岩渕

> 6月3日現在の現地の動向を報告します
> 1.支部会員の動向
>   ①宮田幹事:震災後高齢者支援を行っていましたが、緊急入院、現在は自宅
> でリハビリ中。1978年宮城沖地震で大いにがんばられましたが、先日の県民セン
> ター会場でも多くのみなさんから動向を聞かれました。多分、今回の震災の相談
> をお願いしたかったのかと思います。
>   時々、事務所に来て支部からの新建の情報をご確認されております。
>   ②西城会員:県民センター設立会場でようやくお会いした。石巻周辺の親戚
> が多数被災されておられるので、支援活動を行っているようでした。
>   ③岩佐幹事:ようやくメールでの返信がありました。亘理町や山元町の親戚
> が被災している。6月5日の相談会に来られるとのこと。
>   ・新井幹事:被災地を一通り調査、6月8日16時より、東北工大一番町ロビー
> にて「希望のデザイン」のシンポを企画、鈴木浩先生も出席予定。
>   ④阿部代表幹事:A市の復興計画に関わっている。いよいよ本格的に復興ま
> ちづくりが動き出した。
>   ⑤岩渕事務局長:B町の復興計画に関わっている。
>
> 2.支部の動向
>   ①6月4日(土):県民センター世話人会(18時~)仙台弁護士会
>     ・新建宮城支部よりの提案事項
>       県内の宅地被災の特徴と課題の意見交換
>       全面的な公的支援の制度設計の提案
>       開催時期:6月中後半
>         提案内容(検討中・・・常幹でも議論いただければ)
>           (基本的な概念)
>             土地・地盤・宅地等はインフラと同様に公共財として
> 社会的に機能している。私有財産としては表層の薄皮一枚のみの管理である。地
> 震や洪水等災害時は深部の地盤の挙動の影響を容易にこの表層が受けやすい特徴
> を有している。その意味で、土地の境界の概念、私有財産の概念は全く通用しな
> い。
>           (今回の宅地被災の状況)
>             被災宅地の多くは、地域的なまとまりがあり、類似地
> 形に被害が集中している。
>               事例:階段状の盛土、自然斜面、斜面下に水路・
> 小規模河川、比較的なだらかな住宅地(原地形の沢筋の復活)、盛土高10m超
> (密度管理不足・転圧不良)、盛土不良(残材・木根等土捨)、隣接宅地境界擁
> 壁不良(5m超二段擁壁)、高台の公園等公共用地の地滑り、JR線沿いの擁壁
> 倒壊危険、未確認活断層沿い、戦後引揚者住宅地(急傾斜地の住宅地で二項道
> 路、建て替え困難な地域)、
>           (公的支援による復旧の考え方)
>             住宅地には、必ず道路、ガス、水道等のインフラがあ
> る。宅地の被害をこのまま放置すれば、これらインフラの維持管理、被災してい
> ない周辺住宅地への影響が大きい。道路等のインフラを復旧するだけで周辺住宅
> 地の安全となるわけではなく、被災した住宅地も復旧する必要がある。
>             従って、一見個人財産の形成を支援するように思える
> (村山内閣は、これに対して資本主義社会だから個人財産への支援はしない旨を
> 答弁した)が、基本は周辺、特に公共施設である道路・河川・公園・JR・鉄
> 道・ガス・電気・上下水道等の埋設インフラへ被害が及ばないよう個人宅地を保
> 全するのである。こうした視点からの復旧を考える。事業手法は、それぞれ、公
> 共施設への被災影響に対応した事業を採択する。どれが一番適合するかは、担当
> する行政技術者の工夫・知恵の出し方、手腕である。(事業評価が問われる)
>             また、困難な課題は、隣接宅地間の擁壁被災である
> が、公共施設が全く関与しないケースがある。これについては、当事者間で修復
> 方法を議論しても、莫大な費用負担が発生するので責任のなすり合い等トラブル
> の原因が考えられる。整備手法としては、「急傾斜地の崩壊による災害の防止に
> 関する法律」の適用を受けて、当該地を都道府県知事が指定し、復旧工事(国
> 50%、県最大50%、個人負担もある)で対応する方法が考えられる。
>             さらに事例として、市が払い下げた土地に付随する高
> い擁壁が設計基準に適合しておらず不安定構造物であった。
>             これが被災し、クラックだけではなく、滑動して、隣
> 接住宅にも被害が及んだ。
>             これは明らかに、売却した市の責任であるので、市が
> 修復する義務がある。                       
>   現時点では、具体的には以上のような対応での取組が可能ではないかと考え
> られる。災害救助法や宅地規制法等関連法令の制度改正までに至らない。いずれ
> も複雑すぎる法制度を行政担当者が駆使するのは至難のわざであり、これらを再
> 整理した「災害救助関連の法体系」が必要。          
>     ※6月3日に仙台市は「住宅地の被災に関する検討委員会」を開催(6月3
> 日NHKローカルニュース)でも国が支援するための技術的検討を開始している
> ので、これら動向にも関心を寄せる必要がある。
>   ②6月5日(日):山元町被災住宅現地相談会(12時~15時)
>      新建全国の一級建築士と地盤の専門家5名の応援を受けて実施予定。
>   ③企画提案:(仮題)「まちづくりと建築家から見た復興」 仙台フォーラ
> ム  9月頃  
>      宮城支部で全く議論してないが、市町村の復興プランが出そろう時期
> (8月~9月)、11月11日の建築制限期限を見通した、「新建全国」による企画
>
>  以上、よろしく