復興の総合拠点運営へ 支援協働体を設立~北上市など
【岩手日日110804】北上市などは3日、東日本大震災の復興支援事業に取り組む推進母体となる「きたかみ復興支援協働体」を設立した。9月開所を目指す総合的な支援拠点「きたかみ震災復興ステーション」の設置・運営を柱に、被災地情報の提供や一時帰宅協力など市内に滞在する避難者への支援、被災地支援に訪れる研究者、ボランティアの情報交流など必要な対策に取り組む。
同協働体のメンバーは、市やいわてNPO-NETサポートをはじめ、いわて連携復興センター、北上雇用対策協議会、市社会福祉協議会、黒沢尻北地区自治振興協議会の6団体。県のモデル事業の補助を受ける「きたかみ震災復興ステーション事業」の一環。沿岸と内陸の結節点となっている同市の地理的特徴を踏まえ、内陸に避難する被災者の支援に取り組む拠点を市内に設置・運営することを柱に事業展開することにしている。
同日市役所で行われた設立総会には構成団体の代表者をはじめ関係者15人が出席。規約のほか2011年度事業計画と予算を原案通り承認し、正式に協働体を設立。会長には舘邦雄いわてNPO-NETサポート代表理事を選出した。発起人を代表して及川義明市企画部長は「市として災害復興にどのように取り組むかは大きなテーマ。協働体の設立は、当市が復興に向け踏み出した大きな一歩と感じる。北上が元気でなければ沿岸も元気にならないという気持ちで頑張りたい」と意欲を示した。
復興ステーションは、JR北上駅そばに開設予定で、来月開所を目指して準備を進めている。被災地情報の提供や一時帰宅の際の乗合タクシーの運行、就職支援、居住地域内での地元住民との融和などといった内陸避難者に直接必要な支援を行うだけでなく、ボランティアの移動支援など団体や研究者らによる復興に向けた活動を行う際の支援拠点としての役目も担う。今年度事業費は約1000万円。
大震災の影響で、北上市内には沿岸からの被災者約580人が暮らしている。