宮城県仙台市 「災害危険区域指定取り消しを 仙台の住民、質問状提出へ」

災害危険区域指定取り消しを 仙台の住民、質問状提出へ

河北新報120131】東日本大震災で津波被害を受け、移転を前提とした「災害危険区域」に住宅地の大半が指定された仙台市若林区の荒浜地区で、現地再建を望む住民有志が31日までに、区域指定の判断などについて市に対し、公開質問状を出すことを決めた。今後の対応によっては、行政訴訟も視野に入れる。

 住民有志は、市が新築や増改築を禁止する区域指定について「憲法が保障する居住権の侵害に当たる。住民の生命を守る方法は移転以外にもある」と主張。質問状では区域指定などについて見直す余地があるかどうかなど、市の考えをただす。

 質問状は2月中に提出予定。回答次第では、住民の一部が区域指定の取り消しを求めて仙台地裁に行政訴訟を起こす方向で検討を進めている。

 質問状を提出する住民の一人、無職高梨哲彦さん(65)は「災害危険区域の指定解除を再三求めてきたが、市は全く聞く耳を持たない。市側の対応を見極めたい」と話している。

 これに対し、奥山恵美子市長は31日の定例会見で「でき得る防災の手だてを講じた上でも居住環境としては厳しいと判断し、危険区域を指定した。趣旨を理解してもらうよう話し合いを重ねていきたい」と述べた。