元の場所で街づくり 久慈市が復興計画策定
【岩手日報110723】久慈市は22日、県内の沿岸自治体で初めて東日本大震災からの市復興計画を策定した。被災した336世帯の意向調査の結果から震災前と同じ場所での街づくりを基本とし、防潮堤や避難道路、河川堤防の整備などで多重防災型の街を目指す。再生可能エネルギー導入の取り組みなどにも力を入れる。
策定した市復興計画は10カ年。復旧、復興、飛躍期の3段階とし、5月に策定した市復興ビジョンの「新たな視点による 新たなまちづくり」を目標に据える。生活再建や水産業復興など5プロジェクト、26事業を盛り込んだ。
住宅などの被災世帯を対象としたアンケート調査では約65%の住民が「震災前と同じところに住む」と答え、「高台へ移転する」の約23%を大きく上回った。市は震災前と同じ場所での街づくりを基本とするが、高台移転の希望世帯が約69%を占めた玉の脇地区や約46%の久喜地区などは住民との意見交換を行い、方向性を探る。
国の直轄事業で1990年から実施され、昨年度末時点で進行率24%の湾口防波堤の早期完成を国などに強く要望するとともに、河川堤防のかさ上げ、避難道路や緊急避難タワー、水門の整備などで災害に強い街づくりを進める。