岩手県 「被災者の住宅新築に100万円 県が最大9500世帯補助」

被災者の住宅新築に100万円 県が最大9500世帯補助

岩手日報120131】県は、東日本大震災の被災者が住宅を新築する場合、最大9500世帯に対し市町村と共同で約100万円を補助する独自の支援制度を創設する方針を固めた。県産材の使用やバリアフリー化した場合は、さらに補助を上乗せする方向だ。国などの制度がないきめ細かい支援を目指して設置した復興基金290億円の目玉事業として、2月16日に招集する県議会2月定例会に関係経費を盛り込んだ2012年度一般会計当初予算案を提案する。

 県は、被災者の住宅供給数について、今後約1万7千戸が必要になると試算。このうち災害復興公営住宅などを除いた9千~9500戸を自力再建による持ち家と見込んでいる。

 しかし、自宅が全壊した世帯への義援金は152万円のほか、国の被災者生活再建支援金は最大で300万円しか支給されず、自宅の再建を目指す被災者の資金不足が大きな課題となっていた。

 今回の制度は、県や県内住宅関連団体で組織する県地域型復興住宅連絡会議が提示する「いわて型復興住宅」をモデルに、延べ床面積66平方メートルの住宅で約1100万円の自己負担が必要と試算。義援金や国の制度に加え、地震保険の支払い(約500万円と想定)を受けても不足する分を、県と市町村が共同で補助する方針だ。

 補助額は約100万円とする方向で、県と市町村の負担割合については今後調整する。