仮設住宅 安眠できない
【三陸河北新報】石巻市鹿又の役場前地区応急仮設住宅団地(35世帯)の一部で連日、天井や壁の表面の結露がひどく、住民を悩ませている。結露は5棟あるうちの複数の棟で発生、ひどい世帯では寝室の天井からしずくが落ちてくるため、布団の上にビニールシートを掛けて就寝しているほど。管理者の市から連絡を受けた施工業者は換気などの対策を呼び掛けているが、同じ棟でもほとんど結露がない世帯もある。天井の断熱材設置が不十分だったケースもあり、住民は根本的な対策を求めている。
結露は12月に入ったころからひどくなり、天井からしずくが垂れるなどしていた4世帯について施工業者が同月、点検・改善措置を行った。しかし、完全には収まっていない世帯があるほか、湿気で畳などにカビが発生した世帯もある。台所の配電盤近くの壁が結露する世帯では漏電を心配する。
これとは別に、今でも寝室の天井からしずくが垂れるほどの結露に悩まされている世帯もある。妻と2人で8月から住んでいる無職三浦忠夫さん(81)は、「換気には気を使い、毎晩就寝前には寝室の天井を2回入念にふき取っているが、しずくが垂れてくる。しょうがないのでビニールシートをかぶって寝ている」と訴える。
一方、業者の改善措置で以前よりは良くなったものの、今も若干の結露がある男性(63)は「昨年12月、3回ほど業者に来てもらった。天井の断熱材がずれているとして棒のようなもので引っ張っていた。それでもまた結露し、業者が屋根をはがして上から見たら、断熱材がない部分があった」と、工事の不備を証言する。
住民たちは10日、施工業者に結露のある部屋をあらためて見てもらい、改善措置を要望。天井からしずくが垂れるなど結露が著しい世帯については、天井裏を住民代表立ち合いで点検、改善することを求め、業者側も対応を約束したという。
仮設住宅は県がプレハブ建築協会に発注、協会加盟の業者が建設工事を行ってきた。管理は県の委託で市が行っている。
市仮設住宅運営管理室は「昨年12月からほかにも同様のクレームが毎日1件はあり、その都度、プレハブ建築協会を通じて、業者に対応してもらっている」と話している。